2021.09.12
《ブログ》NFTアートで小学生の自由研究作品に380万円
初めて目にした、「NFTアート」という言葉。
どんなアートかと読みすすめましたら
画像や映像などを非代替トークン(NFT)化して商取引を行えるアート作品とのこと。
今までそうしたデジタルアートは悪い方に複製されてしまったりして価値を保つことが難しかったので、プリントアウトして現物化した作品として売買されてきました。
しかし、今は技術が進んで、こういうアートもあるのだなと。
今回、紹介されていた作品を見てみると無心な素朴さがあって 魅力あるアートでした。
作者の年齢は8歳とのこと。なるほど。
小学校の自由研究の作品を出品して、380万円で取引されたとのこと。
以前も同じような話題を記したことがあるのですが
幼時から小学校低学年までの子供には
自由で、無心で心のままに描いた魅力ある作品を描ける時期があると思います。
成長するにつれ 描こうとすると
上手く描こうとか煩悩?のようなものが湧いてくるのか、作品に魅力がなくなってしまいます。
一昨日、子供が小さいころから親しくしている方のお宅にお邪魔する機会がございました。
「これ見て。以前、市川さんに勧められて 子供の幼稚園で描いた絵を額に入れてもらったこの作品。 今でも大切に飾っていて評判良いのよ。応接間に飾ってある熊谷守一と同じくらいの人気(笑)!」とおっしゃっていただいて 嬉しくなりました。
額縁は安物ではなく、画廊の職人縁に入れたためオシャレ度が一段アップしてます。
我が家にも額装した子供の作品が数点飾ってあります。
作品一つ一つに思い出があります。
「これは キリン組さんの時に先生に褒められて喜んでいた作品」とか「全体に暗い色で 娘が学校生活に悩んでいて、つらい時期だった作品」と当時のことを思い出します。
また、以前コレクターの家族の方から 作品の整理のご相談をいただいたとき
「おやじはこの絵が大好きだったな。キッチンにかかっていておやじの笑っていた顔を思い出す。」
と話されるのを聞いて、絵っていいなとジーンとしたことを思い出します。
話がそれてしまいましたが
子育て中のお母様は大変だと思いますが、
大人には無い純粋な限りない才能を持ったお子様たちです。
ぜひその才能を大切になさってくださいませ(#^.^#)
柳ケ瀬画廊 市川たけよ
2021.09.10
《ブログ》昨日の空
夏も終わりに近づき、9月に入ってからは日没の時間も少しずつ早くなり
夕方の5時を過ぎると夕暮れの気配が漂い始めます。
帰宅したばかりの夫が 玄関口で『おーい』と何度も私を呼びます。
重い荷物でもあるのかしらと走っていくと、空を見上げています。
「牛島先生の作品ような美しい空だよ」と一言。
空には
パステル調の水色の空を背景に 少しグレーがかった 真っ白い雲と茜がかった夕焼け色が少し差し色となって、見事な風景が広がっていました。
画家は一瞬の美をキャンバスに写して、自分の感動をそこに描いているのだなと感じながら
『今日の牛島の空はすばらしかった!』と話しながら玄関に入りました。
そういえば 数年前から 岐阜で有名になった、どこにでもありそうな人気スポットに「モネの池」がありますが、ネーミングの素晴らしさを感じます。モネの描いた池の作品の魅力がその風景に重なります。
ただ「透明で綺麗な池」だけでは、気持ちが動きませんが、「モネの池」という表現で、一度ぜひ行ってみたい場所になります。
日本中に「ゴッホの木」「クールベの海」「ルソーの密林」があちこちにあると思いますし、どこの家の庭にも 熊谷守一の描いた庭があるのだと思います。
絵画は人の心深くにある感動の心を教えてくださる師なのだなと いつも感じます。
柳ケ瀬画廊 市川たけよ
2021.09.01
常設展(9月)
8月は「お盆秀作鑑賞展」に多くの方々にご来廊いただきまして、ありがとうございました。
新型コロナウイルス感染症など、ご不安の多い時期にお越しいただきました皆様に改めて厚く御礼申し上げます。
9月の柳ケ瀬画廊は「常設展」を開催いたします。
国内洋画の巨匠大家を展示しつつ、郷土作家も飾りました。
いまは熊谷守一先生、加藤東一先生、傍島幹司先生をご覧いただけます。
企画展としては次回は10月7日より香月泰男展を開催の予定です。
案内状ができあがってまいりましたら、ホームページにも掲載予定です。
こちらも皆様の御清鑑をお待ちしております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2021.08.29
《ブログ》香月泰男 全国巡回展
柳ケ瀬画廊では引き続き「お盆秀作鑑賞展」を開催中です。
いよいよ展覧会も明日8月30日(月)までの開催となりました。
皆様の御清鑑をお待ちしています。
さて、今回の「お盆秀作鑑賞展」では香月泰男作品を展示しています。
柳ケ瀬画廊ではこれまで熊谷守一作品を専門的に取り扱ってまいりましたが、
昔から熊谷作品と香月作品のコレクターは重なることが不思議と多いです。
そのご縁で、柳ケ瀬画廊では香月作品の取扱いも多くおこなってまいりました。
その関係か、このごろ 全国巡回中の香月展についてお問合せをよくいただいております。
つきましては下記に展覧会の巡回スケジュールをご案内申し上げます。
皆様のご参考になりましたら幸いです。
***
展覧会名:「生誕110年 香月泰男展」
第一会場:宮城県美術館(開催中~9月5日)
第二会場:神奈川県立近代美術館 葉山(9月18日~11月14日)
第三会場:新潟市美術館(11月27日~2022年1月23日)
第四会場:練馬区立美術館(2022年2月6日~3月27日)
第五会場:足利市立美術館(2022年4月5日~5月29日)
※新型コロナの影響で会期が変更になることがございます。お出かけの際は事前に必ず開催館へのご確認をお願いいたします。
※柳ケ瀬画廊でのチケットの前売り等は行っておりません。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2021.08.28
《ブログ》コウモリ
先日まで長く続いた雨上がりの夕暮れに、川沿いを散歩していましたら
何十匹ものコウモリが、超高速の不規則な動きで 羽を真横に拡げてビュンビュンと飛びまっていました。
川縁を飛ぶ小さな虫を 口を開けながら食べているそうですが、
初夏に 明るい太陽の下 燕尾服姿のつばめが可愛い姿で大きく口を開けて飛んでいる姿とは対照的で不吉で、暗い不気味な生きもののイメージです。
眼の前を何度も飛び回りますので、じっと観察していますと
羽の間はグレーに透けていて、黒色で三角尖った姿は 何となく悪役のイメージです。
熊谷守一先生は ツバメやカラスはもちろん蠅まで。。 身近な生きものを描いた画家ですが、コウモリは記憶にありません。(代表作の一つ「宵月」に描かれているのはコウモリではなく枯葉です。)
ぼんやり考えてみると、他の画家でも
コウモリを描いた絵画はあまり見たことが無いような気がいたします。
日本中どこにでも生息しているはずですが あまり描かれることはないコウモリ。
デザイン的には面白い形だとは思いますが 昼間は隠れて夜に出没する生態から、作品として描きにくいのかもしれません。
最後に、コウモリについて検索してみましたら、
中国では「幸盛」という事で縁起のよい生きものとされているとのこと。
また、「漢字の蝙蝠の蝠が福と同音であることから中国人の最も好むものの一つとされ、吉祥を意味し寿福を冀うものには必ず蝙蝠を用いる。」とあります。
嫌われてばかりではなくてよかったです。
PS
コウモリの作品ですが、熊谷守一にお詳しい先生から
「世界文化社の『虫時雨』29ページに鉛筆デッサンが掲載されています」とご指摘をいただきました。確認いたしましたら、12月1日午後5時の作品として「蝙蝠」の作品が掲載されていました。
訂正申し上げます。
コウモリは「幸盛」でしたよね(#^.^#)
いつか、熊谷先生のコウモリ作品に巡り会える日を楽しみにしていようと思います。
柳ケ瀬画廊 市川たけよ