2021.10.24
《ブログ》生誕120年記念 荻須高徳展(稲沢市荻須記念美術館)
昨日、愛知県の稲沢市荻須記念美術館さんで「生誕120年記念 荻須高徳展 ~私のパリ、パリの私~」がはじまりました。
荻須先生の作品世界にいるような、建築も美しい美術館です。
荻須先生の作品のファンは全国的ですが、やはり東海地区はご当所なのでコレクターの方も多く、弊社でも時折取扱いをさせていただいています。
戦前の、佐伯祐三作品と響き合っているような作品から、戦後の闊達で明るい作品まで。そこに暮らす人々の生活や、人のあたたかさが感じられるような作風が魅力的ですね。

その荻須先生の生誕120年の展覧会に、さっそく昨日出かけてまいりました。
初日の昨日は、荻須高徳先生の長女・恵美子さんが来館されて、お父様のことなどをお話しになるギャラリートークがひらかれていました。フランスで過ごされていただけあって、おしゃれなファッションで、にっこりと笑顔になると写真でみていた荻須先生に似ていらっしゃいます。
荻須先生が歩くことがお好きでパリのまちを散歩してスケッチをしていたお話や、戦前戦後のパリでの暮らしのお話のことなど、盛りだくさんのトークでした。
とても印象的だったことは、フランスの批評家が荻須作品が「君の石は歌っている」と評したところ、荻須先生は「石を食べたい、自分のものにしたい」とお話になっていたというエピソードです。
そこに過ごす人々の生活や空気感、そうしたものを描こうとしていらした荻須先生らしい言葉だなと感じます。

展覧会では油彩画81点のほか、荻須先生の画文集『私のパリ、パリの私 荻須高徳の回想』のカットや素描も展示されていてボリュームもたっぷりです。
芸術の秋のお出かけにいかがでしょうか(*^^*)
また、柳ケ瀬画廊では、いまは荻須作品の展示はございませんが、同時代の近代洋画家・熊谷守一先生と香月泰男先生の展覧会を開催中です。美術館と画廊では同じ洋画でも異なった距離感がありますので、ぜひ併せてお出かけくださいませ。
***展覧会詳細***
展覧会名:生誕120年記念 荻須高徳展 ~私のパリ、パリの私~
展覧会期:10月23日(土)から12月19日(日)まで
展覧会場:稲沢市荻須記念美術館
稲沢市荻須記念美術館・公式ウェブサイト
http://www.city.inazawa.aichi.jp/museum/kikaku/1006820/index.html
***
展覧会名:文化の日 熊谷守一・香月泰男展
展覧会期:10月7日(木)から11月7日(日)まで(火曜水曜休廊)
展覧会場:柳ケ瀬画廊(岐阜市柳ケ瀬通3-21)
柳ケ瀬画廊・公式ウェブサイト
https://yanagase-web.com/
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2021.10.22
作品のご紹介:三岸節子、花
画廊に、華やかな赤色の花を描いた三岸節子先生の油彩画がはいりました。
三岸先生の花には、赤色のほかに、黄色や茶色、緑色などさまざまな色がありますが、とりわけ赤色は「燃えるような朱に熱狂する時代があった」「赤い色が大好き」と三岸先生自身がおっしゃっているように、情熱的で、絵を描く楽しみやよろこびが伝わってくるようです。
作品を見ていると、三岸先生がそこにいるような、存在感もあります。
柳ケ瀬画廊では作品がはいると、額縁の裏をあけて、家族で点検をします。額縁と絵具が一体化していたり、キャンバスを挟んでいたりすることもあるので、作品を傷めてしまわないように工具を使いながら慎重にあけていきます。
コンディションをチェックすることが本来の目的ですが、画商としてはそれだけではなく、キャンバスの裏にいろいろと書かれている 画家からのメッセージを発見することが楽しみです。
この作品では「大磯にて」という地名と、制作年・制作月が書かれていました。フランスから帰国した三岸先生が、1964年に移り住んだ神奈川県大磯町で、夏の終わりに描いた作品だと思います。
作品は、三岸節子先生の画集にも掲載されています。
コンディションも良く、鑑定証書も付けてございます。
お探しの方がいらっしゃいましたら、お声がけくださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2021.10.18
《ブログ》ミレーから印象派への流れ(岐阜県美術館)
岐阜県美術館で開催中の「ミレーから印象派への流れ」展に出かけてまいりました。
横浜、愛媛、長崎、金沢と各地を巡回しているフランス美術の展覧会です。
岐阜県美術館さんは緊急事態宣言で長らく休館されていたので、久しぶりの再開ですね。
私が出かけた日は 日曜日ということもあって入場待ちの列もできていました。

さて、「ミレーから印象派への流れ」展、
日本でもファンの多い《落穂拾い》や《晩鐘》を描いたミレーの展覧会です。
ミレーと言うと農民画家というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、もともとは歴史画や肖像画を描いていた画家でした。その後、フランス革命などの時代背景もあり、サロンで農村を描いた作品が評価されると農民画家としてのイメージが定着していきます。
今回の展覧会ではミレーが7点でていましたが、若い頃の作品がメインで、ミレーの農民画家以外の魅力が見られました。
また、印象派の作品も出ていて、
ウェールズ国立美術館所蔵のモネの《睡蓮》《パラッツォ・ダリオ》、ルノワールの《会話》、セザンヌの《プロヴァンスの風景》がハイライトで出ていました。ボナールやドニ、ベルナールなども展示されていて、フランス美術がお好きな方には特に楽しい展覧会だと思います。
緊急事態宣言の影響で会期が短く、今週木曜日までの開催です。
お出かけされる方は会期にお気をつけてお出かけくださいませ。
また、岐阜市内では弊社・柳ケ瀬画廊も「文化の日 香月泰男展」を開催中です。
こちらも引き続き 熊谷守一の油彩画6点、香月泰男の油彩画8点、熊谷守一の墨彩画1点、合計15点を展覧しています。フランスの名画を鑑賞したあとは、日本の近代洋画の巨匠の作品もぜひ鑑賞にお出かけくださいませ(*^^*)
***展覧会詳細***
展覧会名:ミレーから印象派への流れ
展覧会期:10月1日(金)から10月21日(木)まで
展覧会場:岐阜県美術館
岐阜県美術館・公式ウェブサイト
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/
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展覧会名:文化の日 熊谷守一・香月泰男展
展覧会期:10月7日(木)から11月7日(日)まで(火曜水曜休廊)
展覧会場:柳ケ瀬画廊(岐阜市柳ケ瀬通3-21)
柳ケ瀬画廊・公式ウェブサイト
https://yanagase-web.com/
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2021.10.15
《ブログ》愛知県美術館で熊谷作品13点が展示されています
柳ケ瀬画廊では「文化の日 熊谷守一・香月泰男展」を開催中です(*^^*)
ようやく緊急事態宣言があけた影響でしょうか、久しぶりに絵を楽しみにきました、とおっしゃってくださる声が聞こえてきて とても嬉しいです。
引き続き、熊谷守一先生の油彩画6点、香月泰男先生の油彩画8点を展覧しています。
さて、いま 愛知県美術館さんでも熊谷守一先生の作品が展示されています。
愛知県美術館さんでは、企画展「曽我蕭白 奇想ここに極まれり」を開催中です。
そちらと同時開催のコレクション展のなかの、展示室8にて「木村定三コレクション 浜田葆光と熊谷守一」が組まれていて、熊谷作品13点が展示されているとのことでした。
油彩画「高原」や、日本画「蒲公英に蝦蟆」が出ていて拝見することが楽しみです。
油彩画の「高原」は1940年、熊谷先生が還暦の年に描かれた作品です。熊谷先生は赤い輪郭線と簡明な色面でつくられた「モリカズ様式」というデザイン的な画風で知られていますが、その画風が完成したのは後半生のことで、まだまだ還暦の頃は過渡期の絵を描いていらっしゃいます。油彩画なのに水彩画のような透明感やとろみがあって、とても素敵な作品です。
「蒲公英に蝦蟇」は、ガマガエルがタンポポの香りをうっとりと嗅いでいるような作品で、見ていて幸せな気持ちになります。1938年に描かれて、翌年に丸善名古屋支店で開かれた新毛筆画展に出品し、木村定三さんが買い上げたことで知られています。この展覧会で、のちの熊谷守一作品の大コレクターになる木村定三さんと熊谷守一先生は出会っているので、記念碑的な作品でもありますね(*^^*)
今回は風景画などが多く、玄人さんや、渋好みのかたが喜びそうですが、とても熊谷先生の油彩画と日本画のそれぞれのチャーミングな部分が出ている作品がセレクトされているので、猫や蟻や蝶のイメージの強い方にも見ていただけたら嬉しいなと思っています。
愛知県美術館さんの「曽我蕭白 奇想ここに極まれり」「木村定三コレクション 浜田葆光と熊谷守一」はどちらも11月21日までの開催です。
芸術の秋のお出かけにいかがでしょうか。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2021.10.10
《ブログ》愛知県瀬戸市の池袋モンパルナス展
瀬戸市美術館で開かれている「池袋モンパルナス展 画家たちの交差点」に出かけてまいりました。文化センター内にある立派な美術館です。

展覧会は、100点以上の作品が展示されていて、充実の内容でした。
熊谷守一先生も暮らした池袋界隈には、1920年代からアトリエ付き住宅が次々と建てられていて、芸術家たちが移り住み、「池袋モンパルナス」と呼ばれる芸術家村のようになっていたそうです。展示室では「池袋モンパルナスと小熊秀雄」「池袋芸術家クラブの結成」「新人画会」「戦後の池袋モンパルナス」などなど、当時の様子が感じられるように作品が紹介されていました。
弊社でも取扱いのある松本竣介や麻生三郎、長谷川利行といった作家も展示されています。特に長谷川利行の大作《水泳場》を久しぶりに見られてラッキーでした。モダンな風景と利行のタッチはよく合いますね(*^^*)
作品のほか、当時の様子を復元した模型もありました。大きなキャンバスや額縁を出し入れできるような扉があるなど、芸術家のための住まいらしい様子がうかがえて面白かったです。
また、瀬戸といえば北川民次先生が愛し暮らした地です。そのため第4章では一室まるごと北川民次先生の油彩画・水彩画・陶磁器などが展示されていて、油彩画のバッタなど北川先生らしい作品も楽しめました。

瀬戸市美術館さんから車で10分ほどの場所には、瀬戸市立図書館さんがあります。
モンパルナス展の最後のお部屋で、瀬戸市立図書館さんは北川民次先生の立派な壁画があると紹介されていました。帰りにさっそく寄ってまいりました。
美術館で原画が紹介されていた3作品が壁画になっています。
外壁の壁画が2種類と、エントランスに入って正面の壁画が1種類みられます。
民次ファンにはたまらないです!
1970年竣工のため、もうできてから50年ほど経っているはずですが、色もとても鮮やかで躍動感がありました。

瀬戸といえば、北川民次先生だけでなく、藤井聡太さんも有名ですね。
図書館内に特集コーナーができていて、地元の愛情が伝わってきました(*^^*)

柳ケ瀬画廊でも「文化の日 熊谷守一・香月泰男展」を開催中です。
熊谷守一先生は「池袋モンパルナス展 画家たちの交差点」の作家たちとは少し時代が異なるため、展覧会では紹介されませんでしたが、熊谷守一先生も当時は若い作家と交流したり、展覧会の挨拶文を書いてあげたりしていたようです。
瀬戸での展覧会とあわせて、こちらもぜひお出かけくださいませ。
皆様のお出かけを楽しみにお待ちしております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子