2021.10.10
《ブログ》愛知県瀬戸市の池袋モンパルナス展
瀬戸市美術館で開かれている「池袋モンパルナス展 画家たちの交差点」に出かけてまいりました。文化センター内にある立派な美術館です。
展覧会は、100点以上の作品が展示されていて、充実の内容でした。
熊谷守一先生も暮らした池袋界隈には、1920年代からアトリエ付き住宅が次々と建てられていて、芸術家たちが移り住み、「池袋モンパルナス」と呼ばれる芸術家村のようになっていたそうです。展示室では「池袋モンパルナスと小熊秀雄」「池袋芸術家クラブの結成」「新人画会」「戦後の池袋モンパルナス」などなど、当時の様子が感じられるように作品が紹介されていました。
弊社でも取扱いのある松本竣介や麻生三郎、長谷川利行といった作家も展示されています。特に長谷川利行の大作《水泳場》を久しぶりに見られてラッキーでした。モダンな風景と利行のタッチはよく合いますね(*^^*)
作品のほか、当時の様子を復元した模型もありました。大きなキャンバスや額縁を出し入れできるような扉があるなど、芸術家のための住まいらしい様子がうかがえて面白かったです。
また、瀬戸といえば北川民次先生が愛し暮らした地です。そのため第4章では一室まるごと北川民次先生の油彩画・水彩画・陶磁器などが展示されていて、油彩画のバッタなど北川先生らしい作品も楽しめました。
瀬戸市美術館さんから車で10分ほどの場所には、瀬戸市立図書館さんがあります。
モンパルナス展の最後のお部屋で、瀬戸市立図書館さんは北川民次先生の立派な壁画があると紹介されていました。帰りにさっそく寄ってまいりました。
美術館で原画が紹介されていた3作品が壁画になっています。
外壁の壁画が2種類と、エントランスに入って正面の壁画が1種類みられます。
民次ファンにはたまらないです!
1970年竣工のため、もうできてから50年ほど経っているはずですが、色もとても鮮やかで躍動感がありました。
瀬戸といえば、北川民次先生だけでなく、藤井聡太さんも有名ですね。
図書館内に特集コーナーができていて、地元の愛情が伝わってきました(*^^*)
柳ケ瀬画廊でも「文化の日 熊谷守一・香月泰男展」を開催中です。
熊谷守一先生は「池袋モンパルナス展 画家たちの交差点」の作家たちとは少し時代が異なるため、展覧会では紹介されませんでしたが、熊谷守一先生も当時は若い作家と交流したり、展覧会の挨拶文を書いてあげたりしていたようです。
瀬戸での展覧会とあわせて、こちらもぜひお出かけくださいませ。
皆様のお出かけを楽しみにお待ちしております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2021.10.08
《ブログ》画家の三筆 熊谷守一・高村光太郎・中川一政の世界展(富山県水墨美術館)
本日、富山で熊谷守一先生の関連展がはじまりました。
「画家の三筆 熊谷守一・高村光太郎・中川一政の世界展」、
富山県水墨美術館さんにてひらかれる墨の名品展です。
熊谷守一、高村光太郎、中川一政、
どなたも巧い作品をかこうとするのではなく、自分らしく、気持ちのままに筆をとられた方たちという印象があります。
熊谷守一作品からは、墨彩画の三毛猫や、白洲正子さんが旧蔵されていた書《ほとけさま》が出品されるそうです。《ほとけさま》は白洲さんのエッセイなどにも良く出てくる書で、ファンが多い作品ですね。東京の武相荘さん(旧白洲邸)が所蔵されていますが、たくさんの作品をお持ちの施設で、常設展示作品ではないので見られる機会がなかなかない作品だと思います。(もしかしたら紙の作品なので保存の観点からあまり展示されていないのかもしれません。)
ちなみに「画家の三筆」ですが、画商の先輩からは「熊谷守一・梅原龍三郎・中川一政」説も聞いたことがあります。梅原先生も流れるような、とろけるような ” 梅原先生らしい ” 書をかかれるので、機会があればこちらの「画家の三筆」も見てみたいですね。
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《展覧会詳細》
「画家の三筆 熊谷守一・高村光太郎・中川一政の世界展」
富山県水墨美術館(富山県富山市)
10月8日から11月28日まで
美術館公式ウェブサイト
https://www.pref.toyama.jp/1738/miryokukankou/bunka/bunkazai/3044/index.html
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2021.10.07
文化の日 熊谷守一・香月泰男展(10/7~11/7)
本日より秋の展覧会をはじめさせていただきました。
「文化の日 熊谷守一・香月泰男展」です。
今年は、熊谷守一先生の油彩画6点、香月泰男先生の油彩画8点による展覧会となりました。
巨匠の油彩画ばかりが揃った展覧会ですので、いつもよりも重厚な雰囲気です。
熊谷作品は小さな生きものや花のモチーフが、
香月先生は母子や太陽、シベリアを思わせる作品や、海外の風景作品のモチーフが、
それぞれ揃っています。
また、会期途中の10月16日から24日にかけては、ショーウィンドウにて「第15回岐阜アートフォーラム:コネクト展 Ⅱ」協賛の「小笠原宣展示」をおこないます。
小笠原宣先生の洋画2点、今回新たに作られた版画2点を展覧予定です。
皆様のご清鑑を心よりお待ちしております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2021.10.04
《ブログ》映画の絵画作品
映画鑑賞は美術鑑賞と同じくらい、私の大好きな趣味の一つです。
映画を観る楽しみの一つに、アート作品の楽しみがあります。
アートは、一瞬の画面でその主人公の社会的地位や人柄、歴史的な意味や場所の連想などを伝えてくれます。
海外映画のヨーロッパの古いお屋敷の場面では、お約束のように100号越えの大きな肖像画や婦人の美しい肖像画が、階段・廊下にずらりと飾られ、お屋敷の歴史を感じさせてくれます。
また、重厚なお屋敷の居間には、コローやレンブラントらしい作品がさりげなく飾られ、華やかなパーティー会場場面では、ダリ・キリコ・ピカソ・ウォーホルなどモダンな絵画作品やムーア・ザッキンなどの彫刻作品がさりげなく部屋のあちらこちらに飾られていて興味深く観ています。
さて、少し前の映画ですが、クリントイーストウッド監督の「ジャージー・ボーイズ」を観ました。
アメリカのポップスグループの友情と不和、栄光と転落の物語でした。とても良い映画でした。
映画前半の画面で、豪華なパーティーシーンがあったのですが、1959年の設定場面で、アンディー・ウォーホルの「キャンベルのスープ缶」作品が飾られていました。
1959年にこの作品は存在したのかしら??。
「重箱の隅をつつく嫌な奴だ」と大好きなイーストウッド監督から睨まれるかもしれませんが、気になって仕方がありません。
大げさに言えば、「大岡越前」のお白洲にコカ・コーラの赤いロゴ缶が落ちているような気分です。
さっそく調べてみましたら、やはり「キャンベルのスープ缶」は1962年に制作されていました。
映画監督様へ、現代美術の作品を映画で使われるときはご注意くださいませ(^^♪
アートと映画を愛するファンより
市川たけよ
2021.10.01
《お知らせ》熊谷守一カレンダー2022発売です
「熊谷守一カレンダー2022」発売のお知らせです。
今年も美術出版の求龍堂さんから、熊谷守一先生のカレンダーが発売されます。
月替わりで楽しめる12作品によるカレンダーです。
求龍堂さんは熊谷先生の画集やレゾネを出している美術出版社ですので、作品の色がとても綺麗で、使用後に切り取って壁に飾っているわとおっしゃる声も聞かれるほど色が綺麗です。
柳ケ瀬画廊でも本日から店頭販売をはじめました。
受付にございますので、ぜひお手に取ってみてくださいませ。
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熊谷守一カレンダー2022
1800円+税
■猫、蝶、花など、身近な生命、風景を描いた名作12点を収録
■裏表紙に全図版をカラーで再録。包装のまま中身が確認できます
■ご利用後は作品集として保存できます
柳ケ瀬画廊 市川瑛子