2024.06.15
《ブログ》中日新聞さんに掲載いただきました
6月14日付の中日新聞さんにて香月泰男展を取り上げていただきました。
本展では戦後の油彩画を中心に14作品を展覧しています。
香月先生がシベリヤ抑留から帰国して、手がけはじめた「シベリヤ・シリーズ」に繋がるような太陽や運ぶ人の油彩画から、母子の連作や海外旅行で出会った風景の連作まで、香月先生の魅力の全貌が感じられるような作品群が揃いました。
柳ケ瀬画廊の香月泰男展は23日(日)までの開催です。
油彩画8作品を含む、合計14作品を展示して皆さまをお待ちしております。
ぜひお出かけくださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2024.06.13
《作品紹介》香月泰男、リトグラフシリーズ
柳ケ瀬画廊では「香月泰男展」を開催中です。
油彩画、グワッシュ、版画など16作品を展示しています。
展覧会では版画作品6点も飾りました。
最晩年に制作された海外風景や花、太陽の作品などです。
香月先生の版画シリーズは1969年から亡くなる1974年にかけて作られたもので、1969年という年は有名なシベリヤ・シリーズが第1回日本芸術大賞(新潮文芸振興会)を受賞して世の中に香月泰男という画家の存在が広く知られたころでした。
多くの香月泰男版画作品は大阪フォルム画廊さんとフジ美術版画工房さんによって作られています。大阪フォルム画廊さんは香月先生の個展を開催していたゆかりの深い画廊で、フジ美術工房さんは初期から香月先生の版画制作に関わっていた摺り師・木村希八さんが設立に関わった工房です。木村希八さんは香月作品のほかにも、草間彌生、篠田桃紅、靉嘔や、熊谷守一の版画を摺ったことで知られています。
画廊では「ホテルから(カサブランカ)」や「司教の家」といった優しい色彩の風景画や、オレンジ色の空に黄色の太陽が描かれた作品、ハイビスカスの花の作品などの版画をご紹介しています。どれもリトグラフという技法で刷られた作品で、すべての作品に香月先生の鉛筆による直筆署名が入れられています。
香月先生の人柄が感じられるような、どのような場所に飾っても調和して優しくなじむような色彩の作品ばかりです。
お探しの作品、お気になられる作品などございましたらお気軽にお問合せくださいませ。
柳ケ瀬画廊の香月泰男展は6月23日までの開催です。
柳ケ瀬画廊
2024.06.08
《ブログ》岐阜新聞さんに掲載いただきました
6月8日付の岐阜新聞さんにて弊社の香月泰男展を取り上げていただきました。
記事でもご紹介いただいていますが、本展ではシベリヤ・シリーズを思わせるような「運ぶ人」や、晩年に次々と孫が生まれたことで描きはじめた「母と子」シリーズの作品、晩年の欧州旅行で出会った景色を描いた「闘牛」など、戦後の香月先生の油彩画8点を展覧中です。
油彩画「闘牛」は、画面中とカンバス裏に「Las palmas」という地名が書きいれられています。
Las palmasは、スペインの都市ラス・パルマスのことで、香月先生が欧州旅行の際に立ち寄られた場所だそうです。
柳ケ瀬画廊の香月泰男展は23日(日)までの開催です。
油彩画8作品を含む、合計15作品を展示して皆さまをお待ちしております。
ぜひお出かけくださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2024.06.06
《作品紹介》香月泰男 グワッシュ作品(人物、昆虫)
柳ケ瀬画廊では「香月泰男展」を開催中です。
油彩画、グワッシュ、版画など16作品を展示しています。
今回の香月展では2点のグワッシュ作品を展示しました。
グワッシュとは水彩絵具の一種で、透明な水彩絵具のなかでも不透明水彩を指し、グワッシュ、ガッシュなどとも呼ばれます。香月先生は油彩画作品のほか、生前にこうした紙に描いた作品を多く描きました。紙に描く時に用いられた画材が水彩絵具、グワッシュ、クレヨン、コンテです。複数の画材を用いることもありました。
今回展示されている作品もグワッシュとはされていますが、グワッシュを弾いているような部分もあるのでクレヨンとの混合技法かもしれません。
2点ともブラックを基調とした画面のなかからモチーフが浮かび上がるように描かれた作品で、それぞれ人物と昆虫が描かれています。長いほうの辺が50cmほどの大きさの作品です。
お探しの作品、お気になられる作品などございましたらお気軽にお問合せくださいませ。
柳ケ瀬画廊の香月泰男展は6月23日までの開催です。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2024.06.02
《作品紹介》香月泰男「闘牛」油彩画
柳ケ瀬画廊では「香月泰男展」を開催中です。
油彩画、グワッシュ、版画など16作品を展示しています。
画廊の正面には油彩画の「闘牛 ラスパルマス」という作品を飾りました。
スペインのなかでもアフリカに近いカナリア諸島にある都市・ラスパルマスで見た闘牛を描いた作品で、画面上とカンバス裏に「Las Palmas」という書き込みがみられます。
香月先生は1956年、45歳のときに初めてヨーロッパを訪れました。
約半年をかけてフランスを拠点にスペイン、ポルトガル、イタリア、スイスを旅して、巨匠・ピカソなどにも出会い、400点を越えるスケッチを描いたといわれています。スペインではマドリードやマラガ、バルセロナなどを巡っていたようです。
この旅行が楽しかったのか香月先生は翌年、翌々年もヨーロッパを旅していて、スペインには1972年に再び出かけています。ラスパルマスはこのときに出かけたようで、翌年の1973年に出身地・山口にある香月泰男美術館に収蔵されている3点の油彩画「闘牛ラスパルマス」や、1974年作の石版画集「グランカナリア」内の「闘牛」などの作品が制作されました。今回、柳ケ瀬画廊で展示している作品もその連作の1つかと思われます。
画廊で展示している「闘牛ラスパルマス」は30号の大振りの作品です。
構図や色の取り合わせの魅力もあり、香月先生らしい堅牢に作り込まれたマチエールも美しい油彩画です。
ぜひ実作品をご覧にお出かけくださいませ。
皆さまの御清鑑を心よりお待ちしております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子