2024.06.06
《作品紹介》香月泰男 グワッシュ作品(人物、昆虫)
柳ケ瀬画廊では「香月泰男展」を開催中です。
油彩画、グワッシュ、版画など16作品を展示しています。
今回の香月展では2点のグワッシュ作品を展示しました。
グワッシュとは水彩絵具の一種で、透明な水彩絵具のなかでも不透明水彩を指し、グワッシュ、ガッシュなどとも呼ばれます。香月先生は油彩画作品のほか、生前にこうした紙に描いた作品を多く描きました。紙に描く時に用いられた画材が水彩絵具、グワッシュ、クレヨン、コンテです。複数の画材を用いることもありました。
今回展示されている作品もグワッシュとはされていますが、グワッシュを弾いているような部分もあるのでクレヨンとの混合技法かもしれません。
2点ともブラックを基調とした画面のなかからモチーフが浮かび上がるように描かれた作品で、それぞれ人物と昆虫が描かれています。長いほうの辺が50cmほどの大きさの作品です。
お探しの作品、お気になられる作品などございましたらお気軽にお問合せくださいませ。
柳ケ瀬画廊の香月泰男展は6月23日までの開催です。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2024.06.02
《作品紹介》香月泰男「闘牛」油彩画
柳ケ瀬画廊では「香月泰男展」を開催中です。
油彩画、グワッシュ、版画など16作品を展示しています。
画廊の正面には油彩画の「闘牛 ラスパルマス」という作品を飾りました。
スペインのなかでもアフリカに近いカナリア諸島にある都市・ラスパルマスで見た闘牛を描いた作品で、画面上とカンバス裏に「Las Palmas」という書き込みがみられます。
香月先生は1956年、45歳のときに初めてヨーロッパを訪れました。
約半年をかけてフランスを拠点にスペイン、ポルトガル、イタリア、スイスを旅して、巨匠・ピカソなどにも出会い、400点を越えるスケッチを描いたといわれています。スペインではマドリードやマラガ、バルセロナなどを巡っていたようです。
この旅行が楽しかったのか香月先生は翌年、翌々年もヨーロッパを旅していて、スペインには1972年に再び出かけています。ラスパルマスはこのときに出かけたようで、翌年の1973年に出身地・山口にある香月泰男美術館に収蔵されている3点の油彩画「闘牛ラスパルマス」や、1974年作の石版画集「グランカナリア」内の「闘牛」などの作品が制作されました。今回、柳ケ瀬画廊で展示している作品もその連作の1つかと思われます。
画廊で展示している「闘牛ラスパルマス」は30号の大振りの作品です。
構図や色の取り合わせの魅力もあり、香月先生らしい堅牢に作り込まれたマチエールも美しい油彩画です。
ぜひ実作品をご覧にお出かけくださいませ。
皆さまの御清鑑を心よりお待ちしております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2024.06.01
香月泰男展(6/1~6/23)
本日より香月泰男展がはじまりました。
香月先生は戦前は抒情的な画風で活躍しましたが、第二次世界大戦への従軍とシベリヤ抑留の経験から戦後は画風を大きく変え、黒色と黄土色を主軸とした「シベリヤ・シリーズ」で昭和を代表する画家となった洋画家です。
本展では戦後の油彩画8点、グワッシュ2点、版画6点を展覧しています。
メイン作品の油彩画「闘牛 Las palmas」は、スペインのカナリア諸島にある都市ラス・パルマスの闘牛を描いた作品です。香月先生は1972年にスペインを旅していて、翌1973年に数点の「闘牛ラスパルマス」という同題の闘牛シリーズを描いているので、本作もその頃の作品ではないかと思います。
香月先生といえば2021年には大回顧展「生誕110年 香月泰男展」(宮城県美術館/神奈川県立近代美術館 葉山/新潟市美術館/練馬区立美術館/足利市立美術館)が全国5美術館を巡回しましたが、東海地区には巡回がなく、ファンの方から残念がるお声をよく聞いていました。
画廊での小規模の香月展ですが、香月ファンの皆様にお楽しみいただけましたら嬉しいです。
6月1日(土)から6月23日(日)までの開催です。
ぜひお出かけくださいませ。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2024.05.26
《ブログ》田村幸帆作品が入りました
新しく田村幸帆さんの作品が入りました。
ここ数年、定期的に取扱いをさせていただいている若手画家の方です。
今回は田村さんの主要モチーフである「白い猫」の作品2点と、「黒い犬」の作品2点をいただきました。装飾の美しい布や壺と、やわらかい生きものの取り合わせが魅力的な作品ばかりです。
作品は4点とも店頭に展示中です。
ぜひご覧くださいませ。

《参考掲載「アートギャザリング2021」公式パンフレットより》
田村幸帆(たむら-さちほ)略歴
1992年
神奈川県生まれ
2018年
「第27回臥龍桜日本画大賞展」入選
「第45回創画展」初入選(以下第46回、第47回、第49回)
2019年
「守谷育英会美術」奨励賞受賞
「第45回東京春季創画展」初入選(以下第 46 回、47回、48回)
「第43回三菱商事アート・ゲート・プログラム」入選(以下第45回・第46回)
2020年
東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画研究分野 修了
「池袋アートギャザリング IAG AWARDS 2020」入選
2021年
「第1回ARTIST NEW GATE」入選
「第9回美の起源展」入選
個展「DEAR」(東京)開催
2022年
「いい芽ふくら芽in TOKYO2022」入選
グループ展「ぎふアートギャザリング2022」(柳ケ瀬画廊)参加
2023年
個展「Out of us」(千葉)開催
グループ展「ぎふアートギャザリング2023」(柳ケ瀬画廊)参加
現在 創画会 会友
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2024.05.24
《ブログ》岐阜高島屋さんで土屋禮一展が予定されています
柳ケ瀬画廊では常設展を開催中です。
熊谷守一、篠田桃紅、傍島幹司、田村幸帆などの15作品を展示しています。
次回は6月1日より香月泰男展を開催予定です。
さて、今日のブログは近隣美術展のご紹介です。
来週水曜より近くの岐阜高島屋さんで岐阜出身の日本画家・土屋禮一先生の展覧会がひらかれます。「有由有縁 土屋禮一展」という展覧会名で、5月29日(水)~6月3日(月)に10階催会場で予定されています。
展覧会名にある「有由有縁」という言葉は、昨年岐阜の「大垣市スイトピアセンターアートギャラリーでひらかれた土屋先生の展覧会名にも使われていましたね。故郷でも使われた言葉が、髙島屋さんの全国巡回展にのって全国をめぐって、また岐阜髙島屋さんでもみられるというのはなんだか嬉しいですね。
「有由有縁」という言葉の意味は、「生きているかぎり、人は何が起こるかわからず、誰に出会うかもわからない。時、所、人、物とこの世でのめぐりあいが人生の少なからぬ部分を占める。偶然のようであるが、起こってみれば必然のことである。」ということだそうです。
日本画家としての顔のほか、美大出の先生の顔や、名エッセイストの顔も持つ土屋先生らしい言葉で、作品にもそうした深い言葉が織り込まれているようで展覧会が楽しみになるタイトルですね。
展覧会は来週水曜からです。
郷土の大家の展覧会にぜひお出かけになってみてはいかがでしょうか。
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《ご紹介した展覧会の詳細》
展覧会名:「有由有縁 土屋禮一展」
展覧会期:2024年5月29日(水)から6月3日(月)まで
展覧会場:岐阜高島屋10階 催会場
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柳ケ瀬画廊 市川瑛子