2025.05.29
6/7周辺道路の交通規制について
柳ケ瀬画廊では来月「秀作鑑賞展」を開催予定です。
6月7日(土)より近代絵画を中心にご紹介予定です。
なお、展覧会初日の岐阜市内では「御樋代木奉迎行事」も開催されます。
第63回神宮式年遷宮の重要な行事のひとつで、岐阜の中津川にある国有林から切り出されたヒノキが300km以上離れた伊勢まで運ばれるものです。このヒノキのご神木は、ご神体を納める器の材料となるため御樋代木(みひしろぎ)と呼ばれています。
岐阜市の金神社にて御樋代木をお迎えするため、当日は鼓笛隊など800名ほどが市内を歩いて行事を行います。
そのため、当日は周辺道路に交通規制が敷かれますのでお越しの際はお気をつけくださいませ。
警察署等の交通規制の詳細が入りましたら追って掲示予定ですが、恐らく商店街北側道路の民間駐車場(名鉄協商パーキング、dパーキング)には駐車可能かと思われます。ただし混雑が予想されますのでご注意ください。
交通規制は大変ですが、大変縁起の良い日に展覧会の初日を迎えることとなります。
皆様ぜひお出かけくださいませ。
御清鑑を心よりお待ちしております。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2025.05.24
【予告】秀作鑑賞展(6/7~6/29)
柳ケ瀬画廊では常設展を開催中です。
熊谷守一作品を中心に近現代美術17点を展覧中です。
さて、来月は企画展として「秀作鑑賞展」を開催予定です。
6月7日(土)から6月29日(日)にかけて下記作家を展覧致します。
《出品作家》
熊谷守一 香月泰男 山口薫
棟方志功 東郷青児 三岸節子
ローランサン ピカソ
(順不同・敬称略・追加変更あり)
香月泰男作品は油彩画2点、水彩1点を展覧予定です。
棟方志功作品は10点以上の板画が展覧予定です。
女性像を中心に、飾りやすいサイズの作品が揃いました。
他の作家もそれぞれの画風や「らしさ」の出た、秀作をご紹介いたします。
お時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
(追伸)
初日の6月7日は伊勢神宮式年遷宮に伴う「御樋代木奉迎行事」のため、
画廊周辺道路が大変混雑する予定でございます。
お出かけの際はどうぞお気をつけてお越しくださいませ。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2025.05.17
《ブログ》東京国立近代美術館コレクション展(2/11-6/15)
柳ケ瀬画廊では常設展を開催しています。
熊谷守一先生の油彩画3点など近現代絵画16点ほどを展覧中です。
さて、現在東京国立近代美術館さんでは「所蔵作品展 MOMATコレクション」のなかで熊谷守一先生の《鬼百合に揚羽蝶》が紹介されています。
熊谷先生がよく用いている美しい薄青色が目を惹く油彩画です。

実際の揚羽蝶の上羽と下羽は別々に動いて羽ばたいているそうで、そうした体のつくりや動きも簡明に描きあげられている作品です。
また、熊谷作品の油彩画の多くは板に描かれていますが、この作品は珍しく紙に描かれた油彩画です。マットな質感が特徴的です。
東京国立近代美術館のコレクション展は、2階から4階にかけて多彩な作品が楽しめる展覧会で、熊谷先生以外にも岐阜ゆかりですと川合玉堂先生の作品が紹介されているそうです。
6月15日までのコレクション展です。
東京にお出かけの際はお立ち寄りになってみてはいかがでしょうか。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2025.05.15
《ブログ》来月に向けて
五月の柳ケ瀬画廊は常設展、ウインドウ展(小笠原宣展)を開催しています。
次回企画展は、六月に「柳ケ瀬画廊 秀作鑑賞展」を開催予定です。
棟方志功の板画が十点少々揃いましたので、棟方作品を中心に考えています。
小ぶりで、飾りやすいサイズの作品ばかりです。
他にも東郷青児、山口薫、鳥海青児、ローランサンなどもご紹介できると思います。
6月7日からの開催の予定です。
熊谷守一先生の版画も何点か新しく入荷しましたのでそちらもご紹介予定です。
猫のシルクスクリーンや木版画が入っております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2025.05.10
《ブログ》硲伊之助展(アーティゾン美術館)(3/1~6/1)
柳ケ瀬画廊では常設展を開催しています。
熊谷守一の油彩画3点など近現代絵画15点を展覧中です。
さて、先日東京出張にあわせて久しぶりに東京駅近くのアーティゾン美術館に出かけてまいりました。画廊で主に扱う熊谷守一先生と同時代に、美術団体・二科会で活躍した洋画家です。
今回の展覧会では80点以上の硲作品とともに、
画家・陶芸家・執筆家・翻訳家・蒐集家・展覧会企画者など
幅広く多彩な硲の姿が伝わる展覧会でした。

メインビジュアルは油彩画《燈下》です。
渡欧中にマティスに出会い、師事したことが伝わる色合わせですね。
モデルになった石塚二味子は硲の最愛の人で、彼女が亡くなると墓の近くにわざわざ引っ越したほど愛していたといわれています。1941年、戦時下で描かれた一枚です。

展覧会ではまず硲の画業の変遷が紹介されていました。
硲の父は日本橋の店で番頭をつとめるかたわら、東武鉄道などに重油を納める石油商を営んでおり、かなりの裕福な家庭にうまれました。そのため、慶應義塾を中退した硲は、日本で絵画とフランス語を学ぶと渡欧し、現地の美術学校に通い、生涯「マティス先生」と慕うアンリ・マティスと出会い師事するという充実した画家人生のスタートを切ります。
渡欧時には同じ船に坂本繁二郎、林倭衛がいたそうで友人にもなっていたようです。
ヨーロッパゆかりの上記の作品などからは、瑞々しい若き日の硲の情熱が感じられます。

帰国後は指導者として東京藝術大学などで教鞭を執りつつ、画家としても春陽会や二科会に出品し、一水会の立ち上げにかかわるなど活躍します。
その活躍と共に多くの挿絵も手掛けました。上の写真は井伏鱒二の『仕事部屋』の装丁本と、井伏に宛てた手紙が紹介されていました。人物の衣服の表現の関係で日中のような画の仕上がりになってしまい申し訳ないという詫びの言葉が書かれていて、硲の人柄が伝わってくるようでした。
その後も多くの挿絵をはじめ、ゴッホの翻訳書を手掛けるなど幅広い仕事ができたのも、そうした人柄に色々な人が集まってきたからかもしれませんね。

帰国後の作品は装飾的な作品が多く並んでいました。
硲のいう「目を刺激する色、市内色、それらの強弱によって画面に描かれたものの位置づけを行うヴァルール(色価)」が感じられます。登場させる色、隣どうしに並べる色を考えて構成しているので、平面の画面が奥に奥に広がっていくようです。

また、硲は50代のころから作陶のために度々石川にわたり、67歳のときには加賀市に「硲三彩亭九谷吸坂窯」をつくるまでに熱中します。加賀温泉郷に硲伊之助美術館があるのですが、なぜ東京出身のはずの硲の美術館が加賀に或るのだろうと思ったら、このご縁なのですね。
1958年には荒川豊蔵らとともに一水会に陶芸部も設けたそうです。
加賀ということで、九谷焼の作品が多数展示されていました。

硲が慕った「マティス先生」の作品も展示されていました。
裕福な家庭に育った硲は滞欧中に多くの作品をコレクションし、ドラクロア、コロー、ルソー、そして慕ったマティスの作品を買い求めていたそうです。上の写真のマティス《青い胴着の女》も硲が購入し、二科会に展示された経歴があり、現在はアーティゾンミュージアム所蔵になっていろうです。
硲伊之助美術館が所蔵するマティスから硲に宛てた手紙も紹介されていて、改めてその人間関係に驚くと共に、硲がその後、日本で開かれるマティス店やピカソ展、ブラック展の企画に深く携わっていたことも紹介されていて驚きました。本当に多彩な活躍をした方だったのですね。
展覧会は6月1日までの開催です。
東京駅からアーティゾン美術館は徒歩7分ほどです。
東京にお出かけの際はお立ち寄りになってみてはいかがでしょうか。
また、柳ケ瀬画廊でも6月7日より硲と同時代を生きた近代画家たちの作品による「秀作鑑賞展」を開催予定です。こちらもぜひお出かけくださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子