柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

   

画廊ブログ「絵画のたのしみ」

2025.07.05

《ブログ》楽しみな展覧会、竹内栖鳳展

柳ケ瀬画廊では夏の常設展を開催しています。
近現代の油彩画を中心に、日本画、彫刻など15作品をご紹介しています。

本日のブログは愛知県美術館さんの話題です。
昨日より愛知県美術館さんでは楽しみな展覧会がはじまりました。
日本画の巨匠・竹内栖鳳の展覧会です。東京の巨匠・横山大観と並んで「東の大観、西の栖鳳」と呼ばれた、近代日本画を代表する人物ですね。

京都の料理屋の家庭にうまれた栖鳳は、当時京都で活躍していた幸野楳嶺のもとで学び、早くから頭角をあらわして楳嶺四天王と呼ばれるまでになります。

余談ですが、師匠である幸野楳嶺が若い頃、占い師に自身の将来をみてもらったところ「気の毒だが一流の絵師にはなれない。しかし、二流の絵描きにはなる。そして、おまえさんが育てた者の中から天下一流の絵描きが必ず出る。だから弟子を育てなさい」といわれたそうです。
楳嶺自身も京都の四条派で著名な画家でしたが、その後、数多くの一流の日本画家を育てることとなります。その「一流の絵描き」の筆頭が竹内栖鳳です。栖鳳もまた上村松園、土田麦僊、小野竹喬、福田平八郎といった多くの弟子を育てたので、間接的な人物を含めると楳嶺から生まれた画家は非常に充実しています。

話を戻して、栖鳳は楳嶺のもとで伝統的な四条派の画風を学びながら、1900年には30代半ばでヨーロッパに行きます。私も昔勉強していたときに、渡欧は洋画家の印象でしたので、「日本画家がヨーロッパに行くのね」と驚きました。
栖鳳のヨーロッパ留学は実り豊かなものだったようで、帰国後には四条派の流れに西洋の写実の技術を混ぜて、栖鳳にしか描けない日本画を作っていくなどしはじめます。それまでの画家たちが想像上のものとして描いていた獅子を、西洋の動物園で見たライオンのようにリアルに描くなどしたため、当時はその新しさが批判されたこともあったそうですが、今になると同時代の画家から頭一つ出た、オリジナル性があり、それが令和の今でも栖鳳ファンを作っているのだなと感じます。

栖鳳の展覧会は2023年にも京都市美術館(現在の京セラ美術館)で開かれていて、そのときは見そびれてしまったので、今度の愛知県美術館で開かれる栖鳳展は楽しみです。

伝統と革新、日本と西洋、対立する様々な要素をのみこんで貪欲に描いた画家です。

展覧会の詳細は愛知県美術館さんの特設サイト(https://static.chunichi.co.jp/chunichi/pages/event/seiho)に詳しいのでこちらをご確認くださいませ。

夏の楽しみができました(*^^*)
今から展覧会が待ち遠しいです。
良い展覧会があるとワクワクしてまいりますね。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2025.07.03

《展覧会》7月は常設展を開催いたします

秀作鑑賞展が終わり、画廊内の展示替えをいたしました。

7月は夏の常設展として、涼しげな画題の作品を中心に、
近現代の油彩画、日本画、版画、彫刻などをご紹介いたします。

《展示作家》
熊谷守一 / 香月泰男 / 牛島憲之
前田青邨 / 村上華岳 / 棟方志功
加藤東一 / 加藤栄三 / 林武史
山中現  / 鈴木敦子 / ピカソ
(順不同・敬称略・追加変更あり)

 

なお、勝手申しますが
7月26日(土)から8月22日(金)にかけて、
決算棚卸に伴う夏季休廊とさせていただきます。

休廊中もご相談等ございましたら、画廊の電話は繋がりますので、
ご連絡の際は通常通りの 058-262-3481 までお電話くださいませ。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2025.06.29

《ブログ》秀作鑑賞展が終了いたしました

本日「秀作鑑賞展」が会期を満了いたしました。

会期中にお出かけいただきました皆さま、
お電話やメールで作品のお尋ねをいただきました皆さまに
改めて御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

今後の予定としましては、
7月は常設展を開催ののち、
7月26日から8月20日まで夏季休廊をいただく予定です。
次回企画展は秋に「生誕145年 熊谷守一展(仮称)を開催予定です。

どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2025.06.28

《ブログ》岐阜県図書館の楽しさ色々

柳ケ瀬画廊では「秀作鑑賞展」を開催しています。
今週末6月29日が最終日です。
お時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。

さて、本日は地元の岐阜県図書館さんについてのブログです。
図書館というと本を借りたり、調べ物をする場所という印象がありますが、
岐阜県美術館さんでは色々なイベントがひらかれています。

以前にも岐阜県現代陶芸美術館さんと連動して、「Open to the World!陶磁器でめぐる世界の旅」展が開かれたことなどもありましたが、今週末以降に下記のような様々な催しも予定されています。
絵がお好きな方には文学や地域文化に興味のある方も多いので、ご紹介させてくださいませ。

ひとつめは「おとなのための岐阜学講座」です。
「岐阜県下の山鉾屋台」「古地図・古文書からみた秀吉の水責め」の二本立てで、どちらも入場無料・当日先着順の講座です。令和元年に始まり、毎回岐阜の文化を深堀りした講座を開催なさっています。

詳細は岐阜県図書館さんのイベントページをご覧ください。
https://www.library.pref.gifu.lg.jp/info-events/2025/06/7-6.html(外部リンク)

もうひとつは「楽習会(がくしゅうかい)です。
岐阜大学との連携講座で、平成18年度から開催されています。
今年のテーマは「マンガ・アニメ」です。

様々な漫画やアニメになっている『三国志演義』で人気の諸葛孔明の史実の実像を紹介する回や、繰り返し絵物語に描かれた 「牛若丸と弁慶」のイメージが現代までどのように変遷したかを紹介する回など、「マンガ・アニメ」といっても多彩な講座がひらかれるようです。

こちらも詳細は岐阜県図書館さんのイベントページをご覧ください。
https://www.library.pref.gifu.lg.jp/info-events/2025/05/7-5.html(外部リンク)

いずれも予約不要なので、当日ちょっと時間ができたから参加してみようかなと思って参加もできるカジュアルさも嬉しいですね。

 

岐阜県図書館さんは柳ケ瀬画廊から車で15分程、
バスでも本数は少ないですが直通バスが出ております。
画廊でも常設展を開いておりますので、お出かけの際はよろしければあわせてお立ちよりくださいませ。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2025.06.26

《ブログ》発酵ツーリズム東海(メディアコスモスギャラリー)

柳ケ瀬画廊では秀作鑑賞展を開催しています。
今週末の6月29日まで巨匠・大家の作品を展覧しています。

さて、近くのメディアコスモスさんの1階ギャラリーでは、
「食」に関する展覧会がひらかれていました。
「発酵ツーリズム東海 うまみの聖地巡礼」展です。

愛知県にあるポン酢のミツカンさんの美術館「MIZKAN MUSEUM」にてひらかれている「すしの千年の巡る旅」と同時開催の、発酵に関する展覧会です。

岐阜の「鮎のなれ寿司」「ねずし」も紹介されていました。
写真や、発酵に用いる菌、作り方、食べ方なども紹介されていて面白いです。

展示室2の入口には美濃焼で作られた川が流れていて、うまみ神と名付けられた紫色の可愛いマスコットは和紙で作られた張り子で、ほかにも岐阜名物の岐阜提灯など地域を感じる仕掛けも色々とされていました。

出口には発酵食品や関連書籍の売られているショップもあり、発酵文化を見て楽しんだあとに実際に口にして楽しめる仕掛けもされています。
展覧会は7月13日(日)までの開催です。
気になられる方はお出かけになってみてはいかがでしょうか。
メディアコスモスさんなので以降の休館日もなく、お楽しみいただけると思います♪

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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