2022.09.09
《作品紹介》ビュッフェ・油彩画「アネモネ」など
明日、9月10日は中秋の名月 、暦の上では仲秋ですね。
柳ケ瀬画廊では「美術の秋 秀作鑑賞展」を開催いたしています。
美術の秋らしく、秀作が揃いました。
画廊には、油彩画や日本画など21点を展示してございます。

今年はベルナール・ビュッフェの油彩画が3点揃いました。
花瓶の花の油彩画(20号と30号)と、
机の上に果物や花などが置かれている静物の油彩画(12号)です。
画像の作品は「LES ANÉMONES(アネモネ)」、
ビュッフェが得意とした花瓶に活けた花のモチーフです。
1989年制作で、ビュッフェが61歳の時に描かれました。
ビュッフェの晩年は本作のように色が鮮やかに、
構図がますます瑞々しくなります。ファンの多い時代です。
ビュッフェ自身はパリ生まれのフランス人でしたが、
日本人に愛され、自身も親日家でしたので、日本に多くの作品があります。
静岡県には2000点以上のビュッフェ作品を収蔵する「ベルナール・ビュフェ美術館」さんがあるため、そちらにお出かけになってファンになったという方も多くいらっしゃいます。
なかなかビュッフェの油彩画が3点も揃うことはありませんので、
お時間ございましたら、美術の秋に、ぜひご鑑賞にいらしてくださいませ。
皆さまのお越しをお待ちしております。
柳ケ瀬画廊 市川たけよ 市川瑛子
2022.09.08
《ブログ》加藤栄三・東一記念美術館さんの鵜飼の展示
柳ケ瀬画廊では「美術の秋 秀作鑑賞展」を開催中しています。
さて、先日のお休みに、
加藤栄三・東一記念美術館さんに出かけてまいりました。
岐阜城のふもとにある日本画家の加藤兄弟の美術館です。
「栄三・東一 鵜飼に魅せられて」展と、
「抒情の旋律 稲元実 日本画展」が、今週末まで開催されています。
美術館の入口では百日紅が綺麗に咲いていました。

「栄三・東一 鵜飼に魅せられて」展では20点以上が飾られていました。
岐阜の夏の風物詩といえば鵜飼ですね。
加藤栄三先生の「篝火」や「鵜飼(総がらみ)」「涼(総がらみ)」
加藤東一先生の「総がらみ」「篝火」、
長縄士郎先生の「長良川」などが鑑賞できました。
また、東一先生の大作「留白」は、
本画、大下絵が3枚飾られています。
本画になったときに中央にいた鵜が一匹省略されていて、
東一先生が構図を考えながら描いていたことが、展示で感じることができました。
第二展示室の「抒情の旋律 稲元 実 日本画展」では、
稲本実先生の大作を含めた16点ほどが飾られていました。
1971年より東一先生に師事して制作を続けていた方です。
展覧会名にある「抒情」や「旋律」という言葉がぴったりな、
雰囲気のある日本画を楽しめました(*^^*)
展覧会は9月11日まで開催されているそうです。
夏の終わりに、岐阜ゆかりの日本画家の描いた、
岐阜の風物詩・鵜飼をご覧になってみてはいかがでしょうか。
***ご紹介した展覧会の詳細***
展覧会名:「栄三・東一 鵜飼に魅せられて」「抒情の旋律 稲元 実 日本画展」
展覧会期:開催中~9月11日(日)まで
展覧会場:加藤栄三・東一記念美術館(岐阜県岐阜市)
加藤栄三・東一記念美術館さんの公式ウェブページ
https://www.rekihaku.gifu.gifu.jp/katoukinen/
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2022.09.04
《作品紹介》熊谷守一「栗」木版画
柳ケ瀬画廊では「美術の秋 秀作鑑賞展」を開催中です。
いよいよ秋が近づいてきたので、
熊谷守一・木版画「栗」を画廊に飾りました。
1972年、熊谷先生が92歳のときに描かれた作品です。
熊谷先生は生涯で何度か画風を変えていて、
1971年からは物の輪郭をおもに黒色の木炭でえがいています。
この作品は1972年に描かれていますが、若い頃に愛用していた赤鉛筆の輪郭線と、この時期に愛用していた黒い木炭の輪郭線が両方つかわれています。
海や川など、やわらかいものを描くときには輪郭線を使わないこともある熊谷先生なので、栗のイガイガの感じは赤鉛筆のほうが良く表現できると思われたのでしょうか。
画家の気持ちをいろいろ想像できる作品です(*^^*)

熊谷先生は岐阜県中津川市のご出身ですが、
この時期になると、中津川市内のあちこちで「銘菓・栗きんとん」が販売されます。
そんな地で生まれたためか、熊谷先生もいろいろな栗の作品をえがいています。
木版画でも複数制作していて、一番華やかなものが、この「栗」です。
作品は画廊に飾っています。
お気になられましたら、ぜひお出かけくださいませ。
熊谷作品は、他に、油彩画のお花、墨彩画の猫、お軸の書も飾っています(*^^*)
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2022.09.03
美術の秋 秀作鑑賞展(9/3~9/25)
本日より、柳ケ瀬画廊では「美術の秋 秀作鑑賞展」を開催いたします。
例年、お盆の時期に開催していた秀作展です。
今年は店舗改装工事のため、秋の開催となりました。
下記の作家など15作品を展覧しています。
皆さまの御清鑑を心よりお待ちしております。
《出品作家》(敬称略・順不同・追加変更有)
熊谷守一 黒田清輝 ビュッフェ
梅原龍三郎 中川一政 里見勝蔵
北川民次 三岸節子 山口薫
前田青邨 篠田桃紅 加藤東一

柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2022.09.01
《ブログ》岐阜県美術館さんの4つの小展示
明後日から画廊では「美術の秋 秀作鑑賞展」がはじまります。
店内の飾り替えも進んでまいりました(*^^*)
さて、先日のお休みに、
岐阜県美術館さんに出かけてまいりました。
お写真でも4枚の展覧会案内があるように、4つの小さな展覧会がひらかれています。
ルノワール、IAMAS関連展示、鯉江良二展、工芸展、色とりどりのラインナップです。

美術館では4本の展覧会が開かれていました。
「開館40周年記念 美術館の名品ってナンヤローネ 岐阜県美術館名品尽くし!(第1部)」
「鯉江良二 紙のしごと」
「いろとかたち 工芸・立体を中心に」
「AMAS ARTIST FILE #08 福島諭《記譜、そして、呼吸する時間》」
名品尽くしの展示室の入口前では、マイヨールのブロンズ作品《地中海》に緑が映えていました。
季節によって様々な姿が楽しめるブロンズ、
この季節は涼しげに風を受けてリラックスしているように見えます(*^^*)

「開館40周年記念 美術館の名品ってナンヤローネ 岐阜県美術館名品尽くし!(第1部)」では、熊谷守一作品《ヤキバノカエリ》《馬》が展示されていました。
洋画では山本芳翠、山口薫、早川国彦、村井正誠などが、
日本画では川合玉堂、伊藤深水、橋本明治、守屋多々志などが、
海外作品ではルノワールやモロー、ドニ、パスキンなどがありました。
岐阜県美術館さんが開館するまでに収蔵されたコレクションだそうです。
また、この日、一番見たかった「鯉江良二 紙のしごと」展では、岐阜に関わる作品を中心に見られました。
鯉江さんは一昨年の夏に亡くなられた陶芸家です。陶芸家と書きましたが、焼き物の世界だけでなく、紙の仕事やインスタレーション、パフォーマンスなどにもチャレンジして、私たち美術ファンだけでなく、アーティストにも愛好家の多い方です。
展示室では美濃和紙と爪楊枝を、揺れる電球で照らした《ミネアポリスの光と影》をはじめ、《証言》シリーズ、和紙に墨で描いた連作などが一室にぎゅっと展示されていました。
岐阜県美術館さんでは9月30日から開館40周年記念の前田青邨展もひらかれるそうです。
重要文化財を含む100作品が展示されるとのこと。
こちらも今から楽しみですね(*^^*)
柳ケ瀬画廊でも9月30日より「文化の日 熊谷守一・前田青邨展」を開催予定です。
ぜひあわせてお出かけくださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子