2022.08.25
《ブログ》『藝術新潮2022年9月号』さんに掲載いただきました
今月の『芸術新潮9月号』に掲載の 熊谷守一先生の座談会 に、
進行役として関わらせていただきました。
「熊谷守一が結んだ親戚づきあい 文化でつなぐ都市間連携」という企画です。
特別企画「六花亭アートヴィレッジ 中札内美術村」と「ピカソ 青の時代のミステリー 科学調査で真相に迫る」の間に掲載されています。
座談会には、
野田聖子氏(衆議院議員)(祖父の野田卯一氏が熊谷先生と対談)、
高野之夫氏(豊島区長)(豊島区立熊谷守一美術館のある区です)、
柴橋正直氏(岐阜市長)(熊谷先生が3歳から17歳を過ごした地です)、
青山節児氏(中津川市長)(熊谷守一つけち記念館がある市です)、
の四名が参加されました。
熊谷先生は、出生地(中津川市)、幼少・青年期を過ごした地(岐阜市)、後半生を過ごした地(豊島区)の3箇所のゆかりの地があります。また、文学者や音楽家だけでなく、雑誌の対談などで政財界の方たちとも接点がありました。
そうした、いつも美術館で見るのとはちょっと違うモリカズ周辺MAPが感じられる対談になっています。
![](https://yanagase-web.com/wp/wp-content/uploads/2022/08/Fagg5JaakAAeAA7-630x865.jpg)
華麗な「ベルサイユのばら」が表紙の九月号(8月24日発売号)です。
よろしければお手に取ってみてくださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2022.08.21
《作品紹介》熊谷守一「南無阿弥陀仏」(書、掛軸)
熊谷守一先生の『南無阿弥陀仏』のお軸が入りました。
『ほとけさま』『かみさま』と並んで、お探しの方が多い書です。
コレクターの木村定三さんがの木村定三さんが著書のなかで、熊谷先生の書の「からす」の「か」と、「かき」の「か」は違うとおっしゃっていました。
ひとつひとつの文字に熊谷先生の考え方や意味が感じられることが、熊谷作品の書の魅力のひとつに感じます。
木村定三さんは、愛知県美術館に3000点以上の古今東西の美術品を寄贈した大コレクターで、そのなかには熊谷作品も200点以上含まれています。
また、熊谷守一著の『蒼蠅』という御本があるのですが、そのなかに『「南無阿弥陀仏」の字にしても、信心があるのとないのと、書いた人で違いますわね。』という言葉もあります。
「南無阿弥陀仏」は若くして亡くなってしまった長女の萬さんとの思い出の言葉でもあるそうです。今でもご遺族の御手元には、萬さんが書いて、熊谷先生が大事に所蔵していた「南無阿弥陀仏」の字が遺されています。
作品は柳ケ瀬画廊のショーウインドウに飾っています。
お近くにお越しの際はぜひご覧くださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2022.08.20
【予告】美術の秋 秀作鑑賞展(9/3~9/25)
夏の常設展を開催しております。
常設展の裏では、次回展覧会の案内状の準備が進んでまいりました。
9月30日より「美術の秋 秀作鑑賞展」を開催いたします。
例年はお盆の時期に開催していた秀作鑑賞展です。
今年は店舗改装工事のため、秋の開催となりました。
《出品作家》(敬称略・順不同・追加変更有)
熊谷守一 黒田清輝 ビュッフェ
梅原龍三郎 中川一政 里見勝蔵
北川民次 三岸節子 山口薫
前田青邨 篠田桃紅 加藤東一
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柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2022.08.19
《ブログ》岐阜県美術館さんの秋の記念展は前田青邨展!
楽しみな展覧会のお知らせがとどきました。
今年の秋に開館40周年を迎える岐阜県美術館さんが、
記念展として前田青邨展を開くそうです。
展覧会名は「前田青邨展 究極の白、天上の碧 近代日本画の到達点」、
初期から晩年にかけての100点を超す青邨作品が展示予定です。
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青邨作品で唯一重要文化財に指定されている《洞窟の頼朝》は、
重要文化財指定後、岐阜県で初めての展示です。
ちょうど大河ドラマでも注目されている源頼朝が「石橋山の戦い」に敗れ、家臣とともに洞窟に身を潜めている緊張感のある作品です。
また、チラシの表紙に使われている美しい作品は《羅馬使節》です。
早稲田大学内にある「會津八一記念博物館」が所蔵されていて、
九州のキリシタン大名に派遣された天正遣欧使節の伊東マンショを描いた作品です。
ヨーロッパで見た宗教画の影響を感じて、そして、日本画の新しい展開を感じさせる作品だと思います。
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チラシ裏面の左下の作品《出を待つ》は、
2014年に岐阜県が1億円で購入して話題になった作品ですね。
他にも地元の十六銀行さんの所蔵作品が公開されるなど、
100点となると普段は見る機会のない作品も見られそうで楽しみです。
会期中には青邨さんの孫で、お茶の水女子大学名誉教授、目黒区美術館長の、
秋山光文さんの講演会など、多くのイベントも開かれるそうです。
岐阜県を代表する画家の展覧会が楽しみですね。
展覧会のパンフレットは柳ケ瀬画廊の店頭にも設置しています。
お気になられる方は、お気軽にお持ちくださいませ。
柳ケ瀬画廊でも同展と同じ9月30日より「熊谷守一・前田青邨展」を開催予定です。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2022.08.18
《ブログ》「宵・明けを描く」(三甲美術館)
柳ケ瀬画廊では「夏の常設展」を開催しています。
熊谷守一、北川民次、三岸節子、里見勝蔵など、巨匠作品を展示いたしております。
お近くにお出かけの機会がございましたら、ぜひお出かけくださいませ(*^^*)
***
さて、お休みに三甲美術館さんに出かけてまいりました。
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岐阜市にある私設美術館さんで、金華山を臨む高台に建てられています。
入口では梅原龍三郎、黒田清輝、林武のブロンズ像が出迎えてくれました。
館内もそうした国内外の巨匠の名画をさまざまに鑑賞できます。
また、入場券に1杯の飲み物がついてきて、
ゆっくり鑑賞したあとは、喫茶室でお庭を眺めながらゆっくり過ごすことができました。
作品を見てすぐに感想をお喋りできることは美術ファンには嬉しいですね。
そんな三甲美術館さんでは「宵・明けを描く」展が開かれていました。
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明け(朝)と宵(夜)をテーマにした所蔵品の展覧会です。
小野竹喬や平山郁夫、堀文子、そして岐阜の加藤栄三《鵜飼》が鑑賞できました。
風景画とひとくちに言っても、画家ごとに個性がありますね。
小野竹喬先生のように雲の柔らかさが美しい作品や、
平山郁夫先生のように建築物(薬師寺)を捉えた作品、
加藤先生のように鵜飼のときの水辺の空気感が出ている作品など、
それぞれの先生がなにを画面に留めたいと思って筆をとったか、見比べることでよくわかります。
また、名品展のコーナーではルノワールや藤田嗣治の名画が展示されていました。
藤田嗣治作品は柳ケ瀬画廊でも取り扱いがございますが、
東海地方だと名古屋市美術館さんや愛知県美術館さんで数点見ることしかできないので、
地元で貴重な作品を鑑賞できるなんて嬉しいですね。
その他、茶道具や陶器、刀、甲冑など幅広い展示も楽しかったです。
***ご紹介した展覧会の詳細***
展覧会名:宵・明けを描く
展覧会期:6月1日(水)から8月29日(月)まで
展覧会場:三甲美術館
三甲美術館・公式ウェブサイト
https://sanko-museum.or.jp/
柳ケ瀬画廊 市川瑛子