柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

   

画廊ブログ「絵画のたのしみ」

2022.06.16

身近な美術品展(6/16~7/10)

本日より柳ケ瀬画廊では
「身近な美術品展」を開催いたします。

岐阜ゆかりの画家から現代アートまで、多彩な15作品を揃えました。
皆様の御清鑑を心よりお待ち申し上げております。

《出品作家》
石垣定哉、尾崎良二、熊谷守一、熊谷榧*、
小磯良平*、小杉小二郎*、佐藤暢男*、
篠田桃紅、田村幸帆、元永定正、矢橋六郎、
山口薫、イカール*、ピカソ*
(*は版画作品のみの出品)
(順不同・敬称略・追加変更あり)

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.06.13

《ブログ》看板の退色

街を歩いていますと、様々な看板が眼に入ってきます。
どの看板も目を引くために、コントラストの強い、派手な色の組み合わせです。
それらの看板を観察しますと、一枚の看板なのに、黄色は退色が激しいのに黒はあまり変わらないことがよくありませんか?
それは色の化合物の結合の強さで、「イエロー  <  マゼンタ  <  シアン  <  ブラック」と 黄色が一番退色しやすいと本に載っていましたので、そうなんだと理解していました。

しかし!!長年とても疑問に思っていたことがありました。
住宅街の古い家の壁に「神は死んだ」「罪を悔い改めよ」など黒と黄色の看板が貼られているのをご覧になったことはありませんか?
その看板の黄色や白色の文字が退色しているのを見たことが無いので、
ずっと不思議に思っていました。
その疑問の答えがふと観たテレビ特集で解決しました。
その特集では、布教活動のためその看板を貼ったり、古くなったものを取り換える為、全国を車で周っている宗教活動家の特集番組でした。
あの一連の看板が退色しない秘密は、なんと、、、
布教のための大切な文字が退色して汚く剥げてしまわないために文字を書いていないからでした。

黄色や白色の鋼材の板に文字だけ残して周りを黒く塗る、逆ステンシルの技法で制作されていました。
文字が書いてあるとばかり思ってましたら文字は書いてなかったのです。
素晴らしい発想 !!  (もしや皆さんはご存じだったかも)と長年の疑問がすっきり解決しました。

今度お散歩中に看板を見かけたら、近づいてじっと見てみようと思います。
絵画に関係のない話題ですいません (^^;)

 

柳ケ瀬画廊 市川たけよ

2022.06.12

《ブログ》「布の庭にあそぶ 庄司達」、甲斐庄楠音(名古屋市美術館)

先日、名古屋市美術館さんで開催中の、
『布の庭にあそぶ 庄司達』展に出かけてまいりました。

岐阜の方にとっては『第9回円空大賞展』(2018年開催)で、
「円空賞」を受賞された造形作家として馴染みがあるかもしれません。

庄司先生は布を用いて、空間に変化を与える試みを続けている作家です。
愛知を拠点に50年以上、活動を続けています。
最初は、ハンカチが舞う様子を見て着想を得たそうです。

展示室では、作品に触ったり、作品の中や下を歩いてみたり、
庄司作品の空間に入ることのできるものもありました。
展示室の案内人の方が「触ってみてください」「中を歩いてみてください」と親切に教えてくれます。

出かけた日は天気がよかったので、作品の影も綺麗に見えていました!
お日様の加減や、雨や曇りなどの天候で変わった姿も見られたら楽しそうです。

*****

展覧会のチケットでは、地下1階にある「コレクション展」も鑑賞できます。

藤田嗣治、荒川修作、シャガール、ユトリロ、ステラ…
油彩画から現代アートから立体作品まで幅広い名品を楽しめます。
名古屋市美術館はメキシコ美術にも力を入れているので、あまり見る機会のないメキシコの巨匠たちの作品(フリーダ・カーロなど!)も展示されていて、彼ら彼女らのエネルギーに見るたびに驚かされます。

「常設展示室3」では、新収蔵品の紹介もされていました。
甲斐庄楠音の作品5点が展示されています。
デロリと表現されるような独特の女体表現で知られる日本画家です。

これらの甲斐庄作品の旧蔵者は「熊澤五六」氏だったと解説で書かれていました。
熊澤氏は医師で日本画家の熊沢古篷の第四子であり、愛知県商品陳列館に勤務し、徳川美術館の館長もつとめた人物です。名古屋市美術館が開館した時に甲斐庄作品18点を預けてくれていたそうで、このうち16作品が2021年に寄贈されたため展示されているとのことでした。

熱狂的なファンもいる甲斐庄作品がまとめて見られるなんて嬉しいですね。
他にもこの部屋には海老原喜之助作品や野見山暁治作品なども展示されていました。

*****

柳ケ瀬画廊でも「初夏の常設展」を開催しています。
また、来週からは「身近な美術品展」がはじまり、熊谷守一、篠田桃紅、元永定正など15作品ほどを展覧予定です。
お時間ございましたらこちらもぜひ遊びにいらしてくださいませ。

 

***ご紹介した展覧会の詳細***

展覧会名:「布の庭にあそぶ 庄司達」
展覧会期:4月29日(金・祝)から6月26日(日)まで
展覧会場:名古屋市美術館
名古屋市美術館・公式ウェブサイト
https://art-museum.city.nagoya.jp/

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.06.11

《ブログ》「ミロ展 日本を夢みて」(愛知県美術館)

愛知県美術館さんにて開催中の、
特別展『ミロ展 日本を夢みて』に出かけてまいりました。

東京・愛知・富山を巡回している大規模巡回展です。
ミロの「日本が大好き!」という気持ちが伝わってくるようなフラッグが出迎えてくれます。

今回のミロ展は、約140点の作品と資料による大規模回顧展でした。
ミロがお好きな方も、初めてミロと出会う方も楽しめるような展示構成です。

また、ミロが生まれた当時のスペインが日本ブームだったことなど、
「ミロと日本」の関係が作品や資料で説明されているので、
「スペインを代表する巨匠・ミロ」を身近に感じつつ鑑賞できました(*^^*)

この作品は、会場入口で「撮影OK」となっていた作品《アンリク・クリストフル・リカルの肖像》(1917年、油彩・コラージュ・キャンバス、ニューヨーク近代美術館蔵)です。
展覧会の思い出をお写真でも残せて嬉しいです。

この作品では、背景に日本の浮世絵がコラージュされています。
コラージュとは美術の技法のひとつで、フランス語で「糊付け」という意味の言葉です。紙や布やガラスなど、色々な素材を画面に「糊付け」することをコラージュといいます。
ミロが20代の頃に書かれた作品で、既に日本に興味をもってくれていたことがわかります。
右下のサインも日本の落款のようで可愛いです!

こちらも「撮影OK」となっていた作品《ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子》(1945年、油彩・キャンバス、福岡市美術館蔵)です。第二次世界大戦下で描かれたそうです。
ミロは1893年に生まれ、1983年に亡くなり、90歳まで長い生涯を過ごしたので二度の大戦を経験しています。そして、戦後にアメリカとフランスで作品を発表し、特にアメリカで名声を得ていくことのですが、意外にも油彩画以外のジャンルでの評価によるところも大きかったそうです。

また、日本では1966年にミロ展が開かれ、171点が展示されたことで「スペインを代表する作家=ミロ」のイメージが定着しました。今回のミロ展では1966年に念願の来日を叶えたミロの訪日写真資料なども豊富に紹介されていて、当時の様子が感じられます。

*****

さて、『ミロ展 日本を夢みて』のチケットでは『常設展示室』にも入室できます。
モネ、ゴーギャン、クリムト、ムンクといった海外の巨匠から、安井曾太郎や桂ゆきまで、多彩なアートが見られるので、ミロ展に出かけたらぜひお出かけいただきたいです。

「常設展示室6」では『宮本三郎 隠された裸婦の謎』として、宮本三郎の《家族》という作品の下から新たに発見された《裸婦》という作品の公開や調査報告がされていました。修復の様子も紹介されているので、少し褪せてしまった印象のある発見当時の状態から、作品が鮮やかに復活していく姿も知ることができます。
「常設展示室8」では『木村定三 利休流無作法茶会』として、畳を敷いて、茶室のようにした展示がされていました。木村定三氏といえば愛知県美術館さんに数千点の古今東西の名品を寄贈した大コレクターです。熊谷守一作品から墨彩画の《河童》と書の《大鵬一翏九万里》も展示されていました。

愛知県美術館さん展示は7月3日までです。
初夏の心地よいお出かけにいかがでしょうか(*^^*)

*****

柳ケ瀬画廊でも「初夏の常設展」を開催中です。
6月16日からは企画展「身近な美術品展」も開催いたします。
こちらもお時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。

 

***ご紹介した展覧会の詳細***

展覧会名:「ミロ 日本を夢みて」
展覧会期:4月29日(金)から7月3日(日)まで
展覧会場:愛知県美術館(愛知県名古屋市)
愛知県美術館・公式ウェブサイト
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.06.10

《ブログ》「篠田桃紅展」(菊池寛実記念 智美術館)

6月4日のブログでもご紹介した、
岐阜ゆかりの美術家・篠田桃紅先生。

先日は「東京オペラシティ アートギャラリー」さんで開催中の『篠田桃紅展 TOKO SHINODA a retrospective』を取り上げましたが、それとは別の篠田桃紅展も都内で開催予定です。

もうひとつの篠田桃紅展は、
「菊池寛実記念 智美術館」さん(東京都港区)さんにて開催される
『篠田桃紅 夢の浮橋』展(6/18~8/28)です。

現代陶芸の美術館と知られる美術館なので、オペラシティさんとは違った篠田桃紅展が見られそうですね。ふたつの展覧会の会期が重なるのは、6月18日から6月22日(ただし20日は智美術館さんが月曜休館)だけですが、両方歩いてみると面白そうですね。

篠田桃紅作品は柳ケ瀬画廊でも展示中です。
お時間ございましたらぜひ画廊にもお出かけくださいませ。

 

***ご紹介した展覧会の詳細***

展覧会名:「篠田桃紅 夢の浮橋」
展覧会期:6月18日(土)から8月28日(日)まで
展覧会場:菊池寛実記念 智美術館(東京都港区)
菊池寛実記念 智美術館・公式ウェブサイト
https://www.musee-tomo.or.jp/

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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