柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ「絵画のたのしみ」

2022.09.15

《ブログ》「飛山濃水の文学 明治・大正・昭和の郷土作家11人」展(岐阜県図書館)

岐阜県美術館さんの向かいにある岐阜県図書館さん、
こちらでも文学の小さな企画展がよく開催されていることはご存じでしょうか。

1階の展示室で開催されている、
「飛山濃水の文学 明治・大正・昭和の郷土作家11人」に出かけてまいりました。
同展の第9期展示です。

小説家からは「坪内逍遙」「島崎藤村」「森田草平」「江馬修」「瀧井孝作」「小島信夫」「豊田穣」「江夏美好」の8名が登場。
児童文学作家からは「早船ちよ」「岸武雄」「赤座憲久」の3名が登場。
それぞれの生涯と作品がパネルや著作、書簡などで紹介されています。

また、生誕110年、没後20年をを迎えた郷土の作家・岸武雄の特集展示も見られました。
特集「子どもと岐阜を見つめた作家 岸武雄」として紹介されています。

展示を見てから久しぶりに森田草平の『煤煙』を読みました。
学生時代に読んだときは気にせずに読んでしまっていましたが、
今の十六銀行本店の場所にあったころの岐阜駅や、道三塚など、岐阜の場所が作中に登場して、
改めて郷土の作家だと感じられて楽しかったです。

岐阜関係ですと川端康成さんも「初恋の君」の関係で舞台にしていますね。
『川端康成初恋小説集』でまとめて読むことができて、そちらも鵜飼などの岐阜の文化が出てきて面白いです。

絵画もそうですが、普段見ている景色が少し鮮やかに感じられるようになって楽しいですね。
もう少ししたら読書の秋、皆さんはどのようなご本を読まれますか。

 

***ご紹介した展覧会の詳細***

展覧会名:「飛山濃水の文学 明治・大正・昭和の郷土作家11人」展
展覧会期:7月1日(金)から9月29日(木)まで
展覧会場:岐阜県図書館
岐阜県図書館・公式ウェブサイト
https://www.library.pref.gifu.lg.jp/info-events/2022/06/119.html

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.09.09

《作品紹介》ビュッフェ・油彩画「アネモネ」など

明日、9月10日は中秋の名月 、暦の上では仲秋ですね。

柳ケ瀬画廊では「美術の秋 秀作鑑賞展」を開催いたしています。
美術の秋らしく、秀作が揃いました。

画廊には、油彩画や日本画など21点を展示してございます。

ビュッフェ「アネモネ」

今年はベルナール・ビュッフェの油彩画が3点揃いました。

花瓶の花の油彩画(20号と30号)と、
机の上に果物や花などが置かれている静物の油彩画(12号)です。

画像の作品は「LES ANÉMONES(アネモネ)」、
ビュッフェが得意とした花瓶に活けた花のモチーフです。
1989年制作で、ビュッフェが61歳の時に描かれました。

ビュッフェの晩年は本作のように色が鮮やかに、
構図がますます瑞々しくなります。ファンの多い時代です。

ビュッフェ自身はパリ生まれのフランス人でしたが、
日本人に愛され、自身も親日家でしたので、日本に多くの作品があります。
静岡県には2000点以上のビュッフェ作品を収蔵する「ベルナール・ビュフェ美術館」さんがあるため、そちらにお出かけになってファンになったという方も多くいらっしゃいます。

なかなかビュッフェの油彩画が3点も揃うことはありませんので、
お時間ございましたら、美術の秋に、ぜひご鑑賞にいらしてくださいませ。

皆さまのお越しをお待ちしております。

 

柳ケ瀬画廊 市川たけよ 市川瑛子

2022.09.01

《ブログ》岐阜県美術館さんの4つの小展示

明後日から画廊では「美術の秋 秀作鑑賞展」がはじまります。
店内の飾り替えも進んでまいりました(*^^*)

さて、先日のお休みに、
岐阜県美術館さんに出かけてまいりました。
お写真でも4枚の展覧会案内があるように、4つの小さな展覧会がひらかれています。
ルノワール、IAMAS関連展示、鯉江良二展、工芸展、色とりどりのラインナップです。

美術館では4本の展覧会が開かれていました。

「開館40周年記念 美術館の名品ってナンヤローネ 岐阜県美術館名品尽くし!(第1部)」
「鯉江良二 紙のしごと」
「いろとかたち 工芸・立体を中心に」
「AMAS ARTIST FILE #08 福島諭《記譜、そして、呼吸する時間》」

名品尽くしの展示室の入口前では、マイヨールのブロンズ作品《地中海》に緑が映えていました。
季節によって様々な姿が楽しめるブロンズ、
この季節は涼しげに風を受けてリラックスしているように見えます(*^^*)

「開館40周年記念 美術館の名品ってナンヤローネ 岐阜県美術館名品尽くし!(第1部)」では、熊谷守一作品《ヤキバノカエリ》《馬》が展示されていました。
洋画では山本芳翠、山口薫、早川国彦、村井正誠などが、
日本画では川合玉堂、伊藤深水、橋本明治、守屋多々志などが、
海外作品ではルノワールやモロー、ドニ、パスキンなどがありました。
岐阜県美術館さんが開館するまでに収蔵されたコレクションだそうです。

また、この日、一番見たかった「鯉江良二 紙のしごと」展では、岐阜に関わる作品を中心に見られました。
鯉江さんは一昨年の夏に亡くなられた陶芸家です。陶芸家と書きましたが、焼き物の世界だけでなく、紙の仕事やインスタレーション、パフォーマンスなどにもチャレンジして、私たち美術ファンだけでなく、アーティストにも愛好家の多い方です。
展示室では美濃和紙と爪楊枝を、揺れる電球で照らした《ミネアポリスの光と影》をはじめ、《証言》シリーズ、和紙に墨で描いた連作などが一室にぎゅっと展示されていました。

 

岐阜県美術館さんでは9月30日から開館40周年記念の前田青邨展もひらかれるそうです。
重要文化財を含む100作品が展示されるとのこと。
こちらも今から楽しみですね(*^^*)

柳ケ瀬画廊でも9月30日より「文化の日 熊谷守一・前田青邨展」を開催予定です。
ぜひあわせてお出かけくださいませ。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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