柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ「絵画のたのしみ」

2022.08.11

8月の常設展のご案内

画廊の改装工事も無事終わり、本日8月11日から通常営業となりました。
壁紙も床もフカフカになり、お客様にもゆったりと絵画を鑑賞いただけるかと存じます。

新しい壁に、ビュッフェの油彩画を2点展示いたしました。どちらも静物画です。
熊谷守一・北川民次・三岸節子・里見勝蔵など、巨匠作品を展示いたしております。
お時間がございましたらお出かけください。

余談ですが
画廊の展示が終わってのんびりしておりましたら、いつも工事をお願いしている工務店の方がいらして少しお話をされていかれました。その方は寡黙で真面目な職人気質の方です。
3年前に突然重い血液の病気を患い、コロナ禍2年間の闘病生活をされていました。
当初は病院のベッドで、何も役に立たなくなってしまった自分に落ち込んでいらしたそうです
そんなとき、ふと「病院で出される食事を描いてみよう」と思い付き、
「誰の役にも立たなくなってしまったけれど、自分の楽しみを見つけて一日一日を生きてみよう」と一日一枚絵を描き続けたそうです。

最初は簡単な人参や豆の絵でしたが、次第に食事以外の花や風景も描くようになり、描くことが楽しみになってきたそうです。
幸いなことに、病気は寛解となり元の職場に戻られました。

病気になる前は絵には全く興味が無かったそうです。
画廊の絵を鑑賞しながら「絵には不思議な力があるんですね。この山口薫の小鳥の作品は特に心惹かれます。」と話されました。
「絵画を描いたり鑑賞することは 生きる楽しさや力をもらえる気がします。自分も楽しみながら人生を過ごしていこうと思うようになりました」と話して帰られました。
ゆっくり穏やかに話された言葉が胸に残りました。

 

柳ケ瀬画廊 市川たけよ

2022.06.30

《ブログ》「カラリストの世界」(三岸節子美術館)

一宮市三岸節子記念美術館さんで開催中の、
コレクション展「カラリストの世界」に出かけてまいりました。

愛知で学校や公共施設などを設計している浦野設計さんの建築が目を引きます。

織物工場のノコギリ屋根をモチーフにしたギザギザの屋根や、
節子さんの愛したヴェネツィアを連想させる水路などのある本館と、
アトリエを再現した土蔵の展示室などの建築も素敵な美術館です。

展覧会では28作品が鑑賞できました(*^^*)

「色彩の魔術師」と呼ばれたボナールの画集を読み、影響を受けていた初期の作品。
戦後に渡欧して、海外で日本人としての自分を再認識して描き始めた中期の埴輪や壺の作品。
そして、色彩がますます鮮やかになり、絵具層が厚みを増した晩年の作品。

多彩な年代の、小品から100号までの油彩画を中心に鑑賞できて楽しいひとときでした。

 

***ご紹介した展覧会の詳細***

展覧会名:「コレクション展『カラリストの世界』」
展覧会期:4月16日(土)から7月10日(日)まで
展覧会場:一宮市三岸節子記念美術館
一宮市三岸節子記念美術館・公式ウェブサイト
https://s-migishi.com/

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.06.23

《ブログ》「塔本シスコ展」(岐阜県美術館)

岐阜県美術館さんで開催中の、
『塔本シスコ展 シスコ・パラダイス』に出かけてまいりました。

塔本シスコさんは50歳を過ぎてから筆をとり、
91歳で亡くなるまで、毎日絵日記のように絵を描いた画家だそうです。

展示室を歩いていると、
塔本さんの毎日の嬉しいことや驚いたこと、
また、オリンピックなどの当時の大きなイベントのことなど、
絵日記を読ませてもらっている気分で、塔本さんの毎日を体感できます。

展示室は撮影OK、
お気に入りの作品をスマホで撮影する方が多くいらっしゃいました。

美術館での楽しかった気持ちを家に持ち帰れるようで嬉しいですね。

***

企画展示室のお隣の常設展示室では、4つの小展示もひらかれていました。
「1980年代の美術」「ルドンの色」
「日本からメキシコへ、メキシコから日本へ キシオ・ムラタ展」
「ぎふの日本画 東に歩む」

 

岐阜県美術館さんといえば、
秋には開館40周年を記念して、前田青邨展も開かれるそうです(*^^*)
芸術の秋に向けて今から楽しみですね。

また、柳ケ瀬画廊でも現在、「身近な美術品展」を開催しています。
今年の芸術の秋は、逸品展と熊谷守一展の二本立てで開催の予定です。
こちらもぜひお出かけくださいませ。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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