2022.06.11
《ブログ》「ミロ展 日本を夢みて」(愛知県美術館)
愛知県美術館さんにて開催中の、
特別展『ミロ展 日本を夢みて』に出かけてまいりました。
東京・愛知・富山を巡回している大規模巡回展です。
ミロの「日本が大好き!」という気持ちが伝わってくるようなフラッグが出迎えてくれます。
今回のミロ展は、約140点の作品と資料による大規模回顧展でした。
ミロがお好きな方も、初めてミロと出会う方も楽しめるような展示構成です。
また、ミロが生まれた当時のスペインが日本ブームだったことなど、
「ミロと日本」の関係が作品や資料で説明されているので、
「スペインを代表する巨匠・ミロ」を身近に感じつつ鑑賞できました(*^^*)
この作品は、会場入口で「撮影OK」となっていた作品《アンリク・クリストフル・リカルの肖像》(1917年、油彩・コラージュ・キャンバス、ニューヨーク近代美術館蔵)です。
展覧会の思い出をお写真でも残せて嬉しいです。
この作品では、背景に日本の浮世絵がコラージュされています。
コラージュとは美術の技法のひとつで、フランス語で「糊付け」という意味の言葉です。紙や布やガラスなど、色々な素材を画面に「糊付け」することをコラージュといいます。
ミロが20代の頃に書かれた作品で、既に日本に興味をもってくれていたことがわかります。
右下のサインも日本の落款のようで可愛いです!
こちらも「撮影OK」となっていた作品《ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子》(1945年、油彩・キャンバス、福岡市美術館蔵)です。第二次世界大戦下で描かれたそうです。
ミロは1893年に生まれ、1983年に亡くなり、90歳まで長い生涯を過ごしたので二度の大戦を経験しています。そして、戦後にアメリカとフランスで作品を発表し、特にアメリカで名声を得ていくことのですが、意外にも油彩画以外のジャンルでの評価によるところも大きかったそうです。
また、日本では1966年にミロ展が開かれ、171点が展示されたことで「スペインを代表する作家=ミロ」のイメージが定着しました。今回のミロ展では1966年に念願の来日を叶えたミロの訪日写真資料なども豊富に紹介されていて、当時の様子が感じられます。
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さて、『ミロ展 日本を夢みて』のチケットでは『常設展示室』にも入室できます。
モネ、ゴーギャン、クリムト、ムンクといった海外の巨匠から、安井曾太郎や桂ゆきまで、多彩なアートが見られるので、ミロ展に出かけたらぜひお出かけいただきたいです。
「常設展示室6」では『宮本三郎 隠された裸婦の謎』として、宮本三郎の《家族》という作品の下から新たに発見された《裸婦》という作品の公開や調査報告がされていました。修復の様子も紹介されているので、少し褪せてしまった印象のある発見当時の状態から、作品が鮮やかに復活していく姿も知ることができます。
「常設展示室8」では『木村定三 利休流無作法茶会』として、畳を敷いて、茶室のようにした展示がされていました。木村定三氏といえば愛知県美術館さんに数千点の古今東西の名品を寄贈した大コレクターです。熊谷守一作品から墨彩画の《河童》と書の《大鵬一翏九万里》も展示されていました。
愛知県美術館さん展示は7月3日までです。
初夏の心地よいお出かけにいかがでしょうか(*^^*)
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柳ケ瀬画廊でも「初夏の常設展」を開催中です。
6月16日からは企画展「身近な美術品展」も開催いたします。
こちらもお時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。
***ご紹介した展覧会の詳細***
展覧会名:「ミロ 日本を夢みて」
展覧会期:4月29日(金)から7月3日(日)まで
展覧会場:愛知県美術館(愛知県名古屋市)
愛知県美術館・公式ウェブサイト
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/
柳ケ瀬画廊 市川瑛子