柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ「絵画のたのしみ」

2025.09.26

《ブログ》週末の周辺駐車場混雑のご案内(9/26-9/27)

柳ケ瀬画廊では常設展を開催中です。

今週末の柳ケ瀬商店街では、
毎秋恒例「ジュラシックアーケード」が開催予定です。
9月27日(土)28日(日)の両日の開催です。

当日は毎年、商店街および周辺駐車場が大変混雑いたします。
お出かけの際はどうぞお気をつけてお越しくださいませ。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2025.09.25

《作品紹介》熊谷守一 書 ほとけさま

画廊では常設展を開催しています。
10月30日からは秋恒例の熊谷守一展も開催予定です。
ただいま案内状のデザインを少しずつ進めて準備をしています。

秋の展覧会では書の名品が揃いそうです。
熊谷守一先生の書のなかでも、横書きの書、ひらがなの書は評判も良く、お好きとおっしゃる方がとても多いです。豊島区立熊谷守一美術館さん、熊谷守一つけち記念館さん、愛知県美術館さんなどでご覧になって画廊にお越しくださった方も何人かいらっしゃいます。

今回のひらがなの書は「ほとけさま」です。
画面のサイズが75×34cmの縦長の軸装で、1972年、熊谷先生が92歳のときに制作された作品です。共箱もついています。

まだ展覧会もほとんど開いていらっしゃらなかった頃から熊谷先生を支援していた木村定三さんという大蒐集家の方が、エッセイのなかで「熊谷さんはからすの《か》とかきの《か》とは違うとそのとき独語のように言った」と書いていらっしゃいます。
のちに《ほとけさま》と《かみさま》の書を依頼した際には、《ほとけさま》は縦に薄墨で、《かみさま》は右から左に横で濃墨で描いたそうで、木村氏は「《ほとけさま》は法隆寺の百済観音の感じがして柔らかく、《かみさま》は厳粛で鋭いものであった」と続けて語っています。

《ほとけさま》は白洲正子さんも好んで、エッセイ『鶴川日記』に登場したり、邸宅「武相荘」で現在も時折飾って来館者を迎えたりしているため、そちらでご覧になってファンになったという方もいらっしゃるようです。

 

「ほとけさま」の書は秋の熊谷守一展に展示予定です。
気になられましたら資料のお送りもできますので、画廊問合せフォーム(https://yanagase-web.com/contact)からよろしければお尋ねくださいませ。

 

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2025.09.20

《ブログ》秋の美術館さんでの展覧会

柳ケ瀬画廊では常設展を開催中です。

ようやく猛暑がひと段落し、秋らしい気温に近づいてまいりましたね。
これから「文化の秋」がはじまりアートイベントも目白押しです。

今日のブログでは、近隣美術館さんの秋の展覧会を少しご紹介できればと思います。
毎年この時期はどの美術館さんも一押しの展覧会を企画してくるので、楽しい季節がやってまいりますね。

碧南市藤井達吉現代美術館
「川端龍子展 日本画壇に挑戦し続けた革命児」
開催中~11月13日(月・祝)
https://www.city.hekinan.lg.jp/museum/index.html

川端龍子は洋画家としてキャリアをスタートさせたのち、渡米の折にボストン美術館で出会った「平治物語絵巻」に衝撃を受けるなどして日本画に転向、その後型破りでスケールの大きな絵画で時代を圧倒した作家です。
全国4都市を巡回した展覧会で、東京にある大田区立龍子記念館さんから10代から最晩年にかけての作品が貸し出されているそうなので見ごたえがありそうです!

名古屋市美術館
「藤田嗣治 絵画と写真」
9月27日(土)~12月7日(日)
https://art-museum.city.nagoya.jp

こちらも全国4都市を巡回している展覧会の愛知県展です。
生前からフランスと日本を中心に高い人気を集めていたフジタは、当時まだ物珍しかったカメラにもその姿が多く納められました。また、フジタ自身もカメラが好きで、旅先などで数千枚の写真を撮っていたそうで、当時のヨーロッパや日本の様子を伝える貴重な資料にもなっています。
制作の際にもカメラは活躍し、写真を資料にして描いた作品も何点かあり、展覧会ではそうした作品と写真の関連性も紹介されるそうです。

パラミタミュージアム(三重県三重郡菰野町)
「横山大観と菱田春草 近代日本画を築いた二人の挑戦」
10月3日(金)~11月30日(日)
https://paramitamuseum.com

近代日本画を代表する巨匠二名の展覧会です。
岡倉天心のもとで生まれた日本美術院の創立に参加し、新しい日本画を確立するために懸命に努力をするも当初は「朦朧体」と酷評を受けました。印象派が生まれたときに当初「印象を描いているだけだ」と悪意を持って評されたのが、現代では称賛される印象派というジャンルとなったことと重なりますね。
大観の作品としては期間限定の展示ですが代表作「無我」が展示されるそうです。東京国立近代美術館、足立美術館、そして今回借用展示される水野美術館の3点のみ描かれたとされる童子の図です。前期には記念講演会なども開かれるそうなので、あわせてお出かけになってみてはいかがでしょうか。

 

一宮市三岸節子記念美術館
「岡田三郎助 優美な色彩 気品ある女性像」
10月11日(土)~11月24日(月・祝)
https://s-migishi.com

三岸節子生誕120周年の節目の年の特別展です。
若き日の三岸節子が師事した洋画の大家・岡田三郎助の展覧会で、ポーラ美術館所蔵の「あやめの衣」をはじめとして代表的な婦人像が多数展示されるそうです。
「美人画の岡田」と呼ばれた岡田三郎助は着物類のコレクターとしても知られていて、登場する女性たちのファッションの色のとりあわせの美しさも魅力のひとつです。これらのコレクションのうち衣裳147点、裂751点は現在松坂屋さんがご所蔵で、「あやめの衣」などでモデルが身に着けた着物も同社が現在も大切に保管しているそうです。
岡田作品の女性の肌はまるで触れたら血が通っていてあたたかく感じられそうなほど自然で美しいですが、ぜひ着物や洋服の美しさも目にとめていただきたい要素のひとつです。

 

いかがでしたでしょうか。
是非お気に入りの展覧会を見つけて、秋のお楽しみにお出かけいただけましたら幸いです。
また、柳ケ瀬画廊でも10月30日より「文化の日 熊谷守一展」を開催予定です。それまでの間も「秋の常設展」として香月泰男、梅原龍三郎、北川民次、棟方志功、加藤東一などを展示しておりますので、こちらもぜひお出かけくださいませ。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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