2024.11.22
《ブログ》熊谷守一先生の版画制作工房「一柿木版社」
柳ケ瀬画廊では24日まで「文化の日 熊谷守一展」を開催中です。
油彩画の作品を新しく手に入れましたので、あわせて何点か飾り替えました。
さて、画廊の仕事をしていて、胸躍る出会いがございます。
今回の展覧会でも、ご来店いただいたお客様と熊谷守一先生の版画についてお話しておりましたところ、熊谷先生の存命中に熊谷版画を制作された工房・一柿木版社のご説明の際に「いちがきもくはんしゃ」とお伝えいたしましたら、「違いますよ、” いっしもくはんしゃ ” と読むのですよ」と教えていただきました。
「なぜ、ご存じなのですか」とお聞きしましたら一柿木版社さんの関係者の方でした。
その後、熊谷先生の生前版画についていろいろ教えていただけて、長く疑問に感じていた事柄についても丁寧にご教授いただけて、この出会いに感謝した一日でした。
柳ケ瀬画廊では岐阜新聞社さんとご一緒に、熊谷先生が存命中に制作した版画をまとめた『熊谷守一生前全版画集』を出版したことがございますが、そのための調査や研究や、その後の取りまとめの際にも分からなかったことがすっきりいたしました。
お帰りになられてからもさらにお聞きしておけばよかったことが沢山出てきたので、またの機会に教えていただきたいなと思っています。
知らなかったことを知ることができるのは、幸福な気持ちになります。
素敵な出会いに感謝です。
柳ケ瀬画廊 市川たけよ
2024.11.16
《作品紹介》熊谷守一 水墨画 烏
柳ケ瀬画廊では24日まで「文化の日 熊谷守一展」を開催中です。
画廊にお越しいただいたお客様が、最初に目にされる作品が、
熊谷守一 水墨画 「からす」1964年作 です。
こちらの作品は、熊谷先生がご存命中に ご自身で1930年代から1970年代に描かれた水墨画作品の中からお好きな作品を選ばれ、一冊の本にまとめられた『熊谷守一自薦水墨画集』(昭和53年、神無書房)に掲載の作品です。
作品には熊谷守一水墨淡彩画鑑定登録会発行の鑑定証書がついていますが、何よりも熊谷先生自身が選ばれた自薦作品画集に掲載されているため、本来であれば鑑定証書が不要ともいえる作品です。作品を多く取り扱っておりますと、このように鑑定証書が不要の作品がございますが、そのひとつが本作です。
日本中どこにでもありそうな、のどかな風景を描いた水墨画です。
のびやかに描かれた烏からは、熊谷先生の生き物への愛情が感じられます。
熊谷先生は水墨画や墨彩画の作品を数多く描かれています。
お客様は赤色や黄色など色鮮やかな作品に興味を持たれることが多くございますが、グレーの優しいトーンで描かれた作品は、不思議と飽きることがなく心惹かれます。
昨日、長良川の河原を眺めておりましたら、烏が8羽ほど集まり、この作品の通りの構図で遊んでいるような、話をしているような様子でおりました。最近はいろいろ問題になっている烏ですが、野口雨情の童謡「七つの子」にもございますように、人に身近な鳥です。
心癒される作品です。
お時間がございましたらご覧くださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川たけよ
2024.11.14
《ブログ》アートイベント「てくてくアートぎふ」に参加いたします
柳ケ瀬画廊では24日まで「文化の日 熊谷守一展」を開催中です。
今朝ほど一部展示作品を飾り替えました。
さて、今日は岐阜市内で今週末にはじまるイベントのご紹介です。
『「清流の国ぎふ」文化祭2024 てくてくアートぎふ』です。
毎年4月に岐阜市内では「ぎふの画廊めぐり」が開かれていますが、
この「てくてくアートぎふ」はその企画の発展形です。
画廊から画廊、展覧会から展覧会への回遊を楽しんでいただく主軸は変わらず、
新しいこととして参加画廊の追加やネット配信事業、ギャラリートークの開催を行います。
柳ケ瀬画廊も開催中の「文化の日 熊谷守一展」で参加します。
23日(土)朝10時からは柳ケ瀬画廊での熊谷守一トークも開催予定です。
お時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。
イベントは岐阜市内7画廊が参加しています。
柳ケ瀬画廊が事務局をつとめる「タウンミュージアムぎふ」が企画し、
主催者には文化庁、厚生労働省、岐阜県などが加わり、後援者には岐阜市、岐阜市中心市街地回遊性協議会、岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会、合同会社柳ケ瀬まちづくり会社といった地域の団体に加わっていただいています。
公式パンフレットには岐阜県美術館の日比野克彦館長からメッセージをいただいています。
このパンフレットは柳ケ瀬画廊ほか、参加各画廊で配布中です。
画廊にお越しの際はぜひお持ちくださいませ。
公式サイト(https://town-museum-gifu.com)でも詳細をご確認いただけます。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子