柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

   

画廊ブログ「絵画のたのしみ」

2022.11.17

《ブログ》小説家・澤田瞳子先生のサイン会

常設展と「〈小特集〉田村幸帆・作品展示」開催中です。

今年の五月から継続展示している田村さんの展示は、
追加で二点目をお求めくださったり、わざわざ見にきてくださったり、
少しずつファンの輪が増えていて嬉しいばかりです。

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さて、岐阜髙島屋さんの入口に、イベントの予告札が立っていました。

直木賞作家の澤田瞳子先生が、
11月20日(日)にサイン会のために来場されるそうです。
会場は岐阜髙島屋さん9階にある大垣書店さんです。

澤田先生といえば、直木賞を受賞した『星落ちて、なお』が有名ですね。
幕末から明治にかけて大人気だった絵師・河鍋暁斎の娘・暁翠を取り上げた作品です。

お父さんの暁斎については、近年立て続けに「ゴールドマンコレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力」(2017年、bunkamura)、「河鍋暁斎 その手に描けぬものはなし」(2019年、サントリー美術館)、「河鍋暁斎の底力」(2020年、東京ステーションギャラリー)などの展覧会が開かれ、再評価が進んでいます。

そして、娘の暁翠についても、
現在、一宮市三岸節子記念美術館さんで展覧会が開かれています。
特別展「河鍋暁翠展 父・暁斎から娘へ、受け継がれた伝統」です。

澤田先生の『星落ちて、なお』は、この暁翠の生涯をえがいています。

ちょうど展覧会にもタイミングが合っていて、素敵なイベントになりそうですね。
19日までに大垣書店さんでの事前書籍購入と予約が必要だそうですので、気になられるかたはお早めにお出かけくださいませ。

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詳細は下記・大垣書店さんのウェブサイトでも案内されています。

【11/20開催】澤田瞳子先生サイン会 のお知らせ(大垣書店)
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柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.11.14

「〈小特集〉田村幸帆展示」(~12/18)、「常設展(近現代絵画)」(~11/28)

11月の柳ケ瀬画廊は二本立ての展示をおこなっています。

「〈小特集〉田村幸帆展示」と「常設展(近現代絵画)」です。

田村幸帆さんの特集展示では、
犬と猫とあでやかな柄の布を組み合わせた日本画5点を展示中です。
12月18日まで展示いたします。

常設展では、
近現代の絵画作品13点ほどを展覧しております。
織田広喜、金森宰司、原精一、田村孝之介の油彩画や、
加山又造、小杉小二郎の版画作品など、
お手に取りやすい価格の作品を中心に展示中です。
こちらは11月28日までの開催です。

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

《田村幸帆氏・略歴》
1992年 神奈川生まれ

2018年
東京藝術大学 卒業
「日本画第一研究室発表展」(東京芸術大学陳列館・正木記念館/東京)
「第27回臥龍桜日本画大賞展」(高山市民文化会館/岐阜)入選
「第45回京都春季創画展」(京都文化博物館)初入選
「第13回藝大アートプラザ大賞展」(藝大アートプラザ/東京)入選

2019年
一般財団法人守谷育英会 奨学生
「藝大の猫展」(藝大アートプラザ/東京)
「小さな『絵画』展」(藝大アートプラザ/東京)
「第45回東京春季創画展」(西武池袋本店/東京)入選

2020年
東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画研究分野 修了
「第2回GEIDAI  ART  展」(京王ホテルプラザホテル/東京)
「第14回藝大アートプラザ大賞展」(藝大アートプラザ/東京)入選
「第46回東京春季創画展2020」(東京都美術館、愛知県美術館ギャラリー、京都市美術館別館)入選
「第43回三菱商事アート・ゲート・プログラム」(オンライン開催)入選
「掌絵」(藝大アートプラザ/東京)
「藝大の猫展2020」(藝大アートプラザ/東京)
「池袋アートギャザリング公募展  IAG  AWARDS  2020」入選
「第47回東京春季創画展」(西武池袋本展/東京)入選

2022年
「IAG  Artists’  Small  Works」(自由学園明日館講堂/東京)
「岐阜アートギャザリング2022」(十六銀行会場、柳ケ瀬画廊会場) 参加
「第49回創画展」(東京都美術館)入選
「Met“y”averse ~メチャバース、それはあなたの世界~(前期)」展(藝大アートプラザ/東京)

 

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.11.13

《ブログ》「文化の日 熊谷守一・前田青邨展」が終了いたしました

本日、「文化の日 熊谷守一・前田青邨展」が最終日を迎えました。

会期中にお出かけいただきました皆様、
お電話やメールで作品のお尋ねをいただきました皆様に
改めて厚く御礼申し上げます。

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尚、画廊の入口で開催中の
「〈小特集〉田村幸帆・作品展示」は引き続き12月18日まで開催しています。

田村さんの描く、白猫と黒犬と装飾の美しい布の世界をぜひお楽しみください。
会期半ばを超え、新しく白猫の日本画2点が加わっています。

田村幸帆「Ball」日本画・箔、30×30cm

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.11.12

《ブログ》新制作展(愛知会場)がはじまります

柳ケ瀬画廊では「文化の日 名品展観《熊谷守一・前田青邨展》」を開催中です。
明日13日までの開催です。ぜひお出かけくださいませ。

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来週から「第85回 新制作展」の愛知巡回展がはじまります。

新制作さんは1936年結成、
小磯良平先生、猪熊弦一郎先生らが立ち上げた、歴史のある美術団体です。

今回の「第85回 新制作展」の愛知巡回展は、
愛知県美術館ギャラリー(愛知県美術館のあるビルの8階)で、
11月15日(火)から11月20日(日)の開催だそうです。

柳ケ瀬画廊も図録で広告を出させていただいています。
ぜひ同時代を生きるアーティストの作品をご覧くださいませ。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.11.07

《ブログ》豊田市美術館「ゲルハルト・リヒター」展

柳ケ瀬画廊では「文化の日 名品展観《熊谷守一・前田青邨展》」を開催中です。

 

さて、「美術の秋」ということで、各地で多くの美術展が開催されています。
先日は豊田市美術館で開催されている「ゲルハルト・リヒター」展に出かけてまいりました。

会場の豊田市美術館は、日本で最も美しい美術館とも呼ばれています。
ニューヨーク近代美術館や東京国立博物館の法隆寺宝物館で知られる建築家・谷口吉生の設計です。
現代美術館なので天井が高く、リヒターの作品がよく映えていました。

ゲルハルト・リヒターは現代美術の最高峰の作家と呼ばれるドイツ人アーティストです。
近年ではポーラ美術館が約30億円で作品を買い求めたことでもニュースになりました。

今回はリヒター自身が所蔵している作品や、リヒター財団の所蔵作品を軸にひらかれた展覧会のため、作家が大切にしてきた作品ばかりを見ることができる贅沢な展示になっています。
また、現代美術というと難解なイメージが持たれやすいですが、豊田会場は年代順に展示がされていたため、初めてリヒター作品に触れる方でも、どのようにリヒターが作品を変化させていったのかがとても追いやすく構成されていたと思います。

上の作品は《モーターボート(第1ヴァージョン)》(1965)です。

広告写真をプロジェクターでキャンバスに投影して描かれた作品です。
リヒターは東ドイツで厳格な美術教育を受けていましたが、現代美術と出会い、「絵画とは何か」「見るということとは何か」といったことを考えて制作を続けていきます。この作品は遠目に見ると写真のように見えますが、近くで見るととても粗く絵具が塗られています。60年代はこうしたフォトペインティングの作品が多く制作されました。

上の作品は《アブストラクト・ペインティング》(1992)です。
リヒター自身が所蔵している作品です。

「アブストラクト・ペインティング」はリヒター自身が作った道具(スキージ)を用いて制作されたシリーズです。1980年ごろから登場していて、巨大なヘラのようなこの道具を、絵具を置いた支持体の上で動かすことで大胆な画面ができあがります。
この作品は支持体がアルミニウムのため、隙間から金属の煌めきがのぞいて、絵具層の重なりや奥行が感じられて面白い作品でした。

上の作品は《8枚のガラス》(手前)と《4900の色彩》(奥)です。

数年前に別の場所で《8枚のガラス》を見たときは、ガラスの足元が均等に固定されているのに、上部は自由に組まれていて、作品そのものの動きが面白いなと思っていましたが、豊田市美術館の大きな空間で奥に大作《4900の色彩》が置かれていると、歩くたびに空間が変わって、色々な見方ができて楽しかったです。
空間が反射と分断で刻まれたり、真正面に立つとガラスの存在感がなくなって奥の作品がストレートに見えたり、色々な「見る」ことを体験させてくれます。

上の作品は《アブストラクト・ペインティング》(2017)の部分です。

以前のアブストラクト・ペインティングに対して、スキージの線のほかに、ペインティングナイフでつけられた跡が登場しています。この作品でリヒターは油絵を描くことをやめて、以降は水彩のドローイングなどを描くようになっていきます。
この作品に到着する前の《ビルケナウ》や、この作品ののちに描いた水彩の《ムード》と連続して見られるので、リヒターがなぜこの作品を最後にしたのかに思いをめぐらせることができました。この作品も作家蔵なので、次いつ見られるか分からない貴重な一枚です。

 

展覧会は来年1月29日までの嬉しいロングラン展示です。
会期中には映画「ゲルハルト・リヒター・ペインティング」の上映や、色々なレクチャーで、もっと作家を知るためのイベントも多く組まれているそうです。
美術の秋、年末年始のお出かけにいかがでしょうか(*^^*)

 

***ご紹介した展覧会の詳細***

展覧会名:「ゲルハルト・リヒター」展
展覧会期:10月15日(土)から来年1月29日(日)まで
展覧会場:豊田市美術館
豊田市美術館さんの公式ウェブサイト
Toyota Municipal Museum of Art 豊田市美術館

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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