2025.06.09
《ブログ》中日新聞さんに展覧会をご紹介いただきました
柳ケ瀬画廊では秀作鑑賞展を開催中です。
昨日6月8日の中日新聞さんでは、
展覧会の様子を取り上げていただきました。
記事でも紹介してくださっていますが、年に一度の秀作鑑賞展では美術館でも出会えるような巨匠や大家の作品を揃えて展示しています。
美術館は非日常の空間で、それぞれの画家と静かに向き合うことができることに対して、画廊はより日常に近い空間ですので、肩の力を抜いてリラックスして鑑賞していただける楽しみがあると思います。同じ画家の作品でも印象が変わってくるかと思いますので、ぜひ美術館だけでなく画廊でもアートと触れる機会を楽しんでいただけましたら幸いです。
現在10名の画家による23作品を展示しています。
熊谷守一、香月泰男、山口薫、東郷青児、三岸節子、棟方志功、鳥海青児、堀太郎、ピカソ、ローランサンの作品を鑑賞いただけます。6月29日(日)までの開催です。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2025.06.08
《作品紹介》マリー・ローランサン
柳ケ瀬画廊では「秀作鑑賞展」を開催しています。
国内外の大家・巨匠の作品23点を展示中です。
展示作品のご紹介です。
久しぶりにマリー・ローランサンの作品が入りました。
花冠をかぶった女性の表情を瑞々しく描いた水彩画で、タイトルが日本語で「かわいい」という意味をしています。
ローランサンはフランス・パリで生まれ、10代の頃にお針子をしていた母からティーカップの絵付けをするように言われ、その絵がうまかったことから美術学校に入り、ブラックやピカビアなど同時代のアーティストと出会い活動を始めた女性です。
ピカソもローランサンを評価したひとりで、作品を購入したほか、当時大きな意味を持っていたニューヨークで開かれるアーモリー・ショーへの推薦作家のひとりとして彼女を推しています。ただ、ふたりは親しくはあり、ローランサンもキュビスムの影響を受けますが、画風の面ではローランサンはピカソに接近しすぎることなく自分のスタイルを守りました。そうして「自分らしさ」を考え続け、独自のスタイルを築いたローランサンの作品は、パリの上流階級の女性たちの間でローランサンに自画像を描いてもらうことが流行となるほどの人気となっていきます。
活動の幅も広く、舞台装置や衣装デザインも手掛けています。ココ・シャネルとの交流も有名ですね。
1883年のお生まれなので、日本人の熊谷守一や藤田嗣治らが同時代を生きています。
ローランサンが「なぜ死んだ魚や玉ねぎ、ビールグラスを描かねばならないのでしょう。女の子の方がずっと可愛いのに」といって女性像を多く手掛けたエピソードなどは、熊谷守一が切り花を死んだ花だから描きたくないと言っていたことにも重なります。どちらも生きているもの、瑞々しいいのちを描いた作家です。
ローランサンの婦人像は画廊の正面手前に飾っています。
また、今回の秀作鑑賞展では、棟方志功の妙肌韻板画柵シリーズや、東郷青児の女性像も展示していますので、女性の作品に囲まれた画廊となりました。同じ女性像でもそれぞれの画家によって、まとう空気が異なっていますので、ぜひ画廊にて見比べてお楽しみいただけましたら幸いです。
柳ケ瀬画廊の秀作鑑賞展は6月29日までの開催です。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2025.06.08
《ブログ》岐阜新聞さんに展覧会をご紹介いただきました
柳ケ瀬画廊では秀作鑑賞展を開催中です。
昨日6月7日の岐阜新聞さんでは、
展覧会の様子を取り上げていただきました。
記事でも紹介してくださっていますが、本展では棟方志功の「妙肌韻板画柵」のシリーズ全作品をはじめ、熊谷守一、香月泰男、東郷青児、ローランサンなど10作家による23作品を展示しています。
「妙肌韻板画柵」は「みょうきいんはんがさく」と読みます。
現在放送中の大河ドラマでも登場する浮世絵は江戸時代に広く親しまれましたが、明治になり西洋の版画技術が伝わると下火になります。そんななか、木版画の復興をしようとする芸術家たちが「新版画」「創作版画」の活動を始めました。
「新版画」は浮世絵と同じく絵師・彫師・摺師による分業で作品を仕上げるやり方を唱え、「創作版画」はひとりで自画・自刻・自摺のすべてを行うやり方を唱えました。棟方志功は後者の創作版画の運動に関わるやり方で、本作「妙肌韻板画柵」でも作品奥付に「自画・自刻・自摺 棟方志功」と記されています。
どれも小ぶりの作品で、個人コレクターの方でも気軽に飾り替えのできるサイズとなっています。
13作品を季節や気分にあわせて飾りかえてみてはいかがでしょうか。
展覧会は6月29日までの開催です。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子