柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ「絵画のたのしみ」

2021.12.11

《ブログ》日本洋画 美の系譜展(岐阜県美術館)

昨日、岐阜県美術館さんで「日本洋画 美の系譜」展がはじまりました。
久しぶりの洋画展ですね。嬉しくて、初日にさっそく出かけてまいりました。

美術館の入口看板では 山本芳翠《裸婦》と安井曾太郎《薔薇》が出迎えてくれます。
山本芳翠の《裸婦》は2014年に重要文化財に指定された作品です。

今回は約150点ほどの作品が展示されていますが、そのうち25作品ほどは箱根のポーラ美術館さんから貸し出されているそうです。
黒田清輝、藤島武二、坂本繁二郎、岡鹿之助、佐伯祐三、小出楢重から三岸好太郎や瑛九など、名品揃いのポーラ美術館所蔵の油彩画を鑑賞できました。コロナ禍でなかなか遠出が難しいなか、岐阜でこうした作品を鑑賞できることは嬉しいですね(*^^*)

ポーラ美術館さんといえば10点以上の熊谷守一作品をご所蔵していることでも知られていますが、今回は熊谷作品の貸出はありませんでした。
ただ、代わりに岐阜県美術館所蔵の油彩画《蠟燭》《裸婦》《麦畑》《百日草》《壺》、ブロンズ《臥裸婦》が展示されているので、熊谷ファンの方には嬉しい展覧会かしらと思います。

また、岐阜県美術館さんでは12月16日から小展示「ぎふの日本画 京で学ぶ」展がはじまるそうです。川合玉堂や土屋輝雄から竹内栖鳳や幸野楳嶺などが、前期後期で入れ替えをしながら展示されるそうです。こちらは岐阜県美術館さんの所蔵品展ですが、日本画は作品の性質からなかなか長期展示ができないので、貴重な鑑賞の機会だと思います。

尚、岐阜県美術館さんと同じ岐阜市内では、「みんなの森 ぎふメディアコスモス ギャラリ―」(岐阜市司町/岐阜市役所向かい)でも熊谷守一展がひらかれています。熊谷守一展を見た後で、熊谷守一が生きた時代の日本の近代洋画が楽しめる岐阜県美術館さんの展示もお出かけになるルートも楽しそうですね。

また、弊社でも引き続き「熊谷守一・五味太郎 小さな生きもの版画展」を開催中です。
お時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。

***展覧会詳細***

展覧会名:日本洋画 美の系譜
展覧会期:12月10日(金)から2022年3月13日(日)まで
(※年末年始の休館があるので、お出かけの際はお気をつけください)
展覧会場:岐阜県美術館
岐阜県美術館・公式ウェブサイト
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/events/new-fashioned/

***岐阜市主催の熊谷守一展のお知らせ***

展覧会名:~岐阜、豊島 ゆかりの地をつなぐ~ 熊谷守一展
展覧会期:12月4日(土)から12月19日(日)まで
展覧会場:みんなの森 ぎふメディアコスモス 1Fギャラリー
岐阜市役所・熊谷守一展・公式ウェブサイト:
https://www.city.gifu.lg.jp/kankoubunka/event/1005353/1013403.html

***柳ケ瀬画廊での関連展のお知らせ***

柳ケ瀬画廊でも現在、熊谷守一先生を中心とした常設展を開催しています。
熊谷作品からは、14点(油彩画2点、日本画5点、書2点、版画5点)を展覧中。
開廊日:常時(火曜、水曜休廊)
柳ケ瀬画廊・ウェブサイト:https://yanagase-web.com/

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2021.12.10

《ブログ》岐阜市新庁舎のモニュメント

散歩が好きで、画廊がお休みの日は よく市内を歩いて散策しています。
岐阜はパブリックアートが多く、他県の画商仲間の先輩からも「岐阜は彫刻好きな人が多い」と言われたことがあるほどですので、歩いていると たくさんのアートに出会えて楽しいです。

有名なパブリックアート群は、名鉄岐阜駅から柳ケ瀬商店街に続く彫刻群でしょうか。
昔、岐阜市の神田町通りにアーケードが新設されるにあたり、関連事業として「モニュメントづくり委員会」が設立され、13作家を選び、1994年度から1995年度にかけて作品が設置されました。
諸般の事情で1作品は今は見ることができませんが、今でも小清水漸、星野暁、林武史などの国際的に活躍する彫刻家たちの12作品を歩きながら楽しめます。

そんな「彫刻のまち・岐阜市」ですが、先日 ひとつの作品の作家がわかりました。
上記画像の作品です。以前は岐阜市役所前の時計台のお隣に設置されていて、今は岐阜市新庁舎のバス停の北側附近の歩道にある「岐阜市平和都市宣言モニュメント」という作品です。
流れるような曲線が綺麗な作品ですが、作家名・作品名が書かれていないため、ずっと「どなたの作品だろう」と疑問に思っていました。しかし、岐阜市在住の彫刻家・衣笠文彦先生とお話していたときに、ふとお尋ねしたところ自分の作品だと教えてくださって長年の謎が解けました。

その後、衣笠先生が当時の資料などを見せてくださって、貴重なお話も聞かせてくれました。
このモニュメントは、岐阜市が市政100周年の1988年に「平和都市宣言」を行うにあたり、衣笠先生がプランを出したところ趣旨に合っていたようで制作することとなった作品だそうです。「平和都市宣言」が1988年であることから、彫刻の高さも1988mmにあわせて作られているとのことでした。
また、私はずっと「流れる水のイメージ」だと思っていましたら、先生によると「両方からあつまって上にあがっていくイメージ」で制作されたそうです。改めて鑑賞してみると、下の部分のそれぞれの線の端がまとまっているのに対し、上の部分はさまざまな高さで表現されていて、確かに下に落ちるというより上にあがっていくイメージだなと感じます。
ピタッとくると不思議なもので、下から上にあがっていく動きが見えるようで面白いです。

彫刻の見方や、面白さを感じる作品だと思います。
岐阜市新庁舎やメディアコスモスのある岐阜市中心市街地に設置されている作品ですので、近くにお出かけの際はぜひ探してみてくださいませ。

メディアコスモスさんではいま、熊谷守一展も開かれています(*^^*)

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2021.12.04

《ブログ》岐阜市主催の熊谷守一展がはじまりました

本日、岐阜市主催の熊谷守一展がはじまりました。
会場は、柳ケ瀬画廊から歩いて15分ほどの「ぎふメディアコスモス」さんです。

メディアコスモスさんでは2017年にも「没後40年 熊谷守一展」が開かれていますね(*^^*)
2017年のときは熊谷先生の油彩画・日本画・書・写真などが時系列順・分類順に展示されていたオーソドックスな回顧展でしたが、今回の2021年版は「人間・熊谷守一」に注目して、遺品や関連作品が数多く展示されていました。

岐阜市は熊谷先生が3歳から17歳を過ごした場所のため、市所蔵作品も何点か存在しています。
そのため、本展でも、よく会見などで柴橋市長さんと市長応接室で一緒にうつっている油彩画《朝日》や、岐阜市初代市長であり熊谷先生のお父様でもある熊谷孫六郎氏を描いた油彩画《父の像》などが展示されていました。また、熊谷先生が後半生を過ごし、いまは豊島区立熊谷守一美術館のある「東京都豊島区」さんがご所蔵されている遺品類が80点以上展示されていることも熊谷ファンには嬉しいポイントです。

 

また、今回は関連展示として、岐阜市所蔵の美術品の展覧もされています。
弊社でも取り扱っている川合玉堂先生の山水画、山川利夫先生の群像モチーフのほか、岐阜ゆかりの坂井範一先生、坂倉新平先生、北川五郎先生などが飾られていました。ほかにも、加山又造先生や川端龍子先生、山口蓬春先生など 全国的な巨匠の日本画も。
確か市所蔵作品は20点前後展示されていて、なかなか普段は公開されない作品群ですので、お好きな方はこの機会にお出かけになると楽しめるかと存じます。

柳ケ瀬画廊でも、「熊谷守一・五味太郎 小さな生きもの版画展」を開催中です。
熊谷先生の版画10作品、五味先生の版画10作品のほか、油彩画や書など4点ほども展示しています。
メディアコスモスさんの熊谷展をご覧になったあとは、ぜひ画廊にもお立ち寄りくださいませ(^^)
皆さまのご来廊を心よりお待ちしております。

 

***展覧会詳細***

展覧会名:~岐阜、豊島 ゆかりの地をつなぐ~ 熊谷守一展
展覧会期:12月4日(土)から12月19日(日)まで
展覧会場:みんなの森 ぎふメディアコスモス 1Fギャラリー
熊谷守一展・公式ウェブサイト:
https://www.city.gifu.lg.jp/kankoubunka/event/1005353/1013403.html

***柳ケ瀬画廊での関連展のお知らせ***

展覧会名:熊谷守一・五味太郎展
展覧会期:11月25日(土)から12月19日(日)まで、火曜水曜休廊
展覧会場:柳ケ瀬画廊
柳ケ瀬画廊・ウェブサイト:https://yanagase-web.com/

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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