2022.06.18
《作品紹介》山口薫 油彩
柳ケ瀬画廊では『身近な美術品展』を開催中です。
近代洋画から現代アートまで、24作品ほどを展覧しています。
新しく山口薫先生の作品が2点はいりました。
いずれも1960年代に描かれていて、
この時期の特徴の淡い色彩の美しさや、抒情的な構図が魅力です。
山口作品の魅力がぐっと詰まっていて、ファンの方には嬉しい作品ではないでしょうか。
山口先生は若い頃から技量と色彩の扱いに優れ、東京美術学校西洋画科では特待生にも選ばれています。
その後、ヨーロッパに渡り、ゴーギャンやマティス、セザンヌなどを見て過ごし、帰国後のしばらくは具象絵画も描きましたが、間もなく抽象絵画に、サンパウロ ビエンナーレやヴェネツィア ビエンナーレにも出品するモダンアートの名手になっていきます。そして、抽象や色彩が淡く澄んでいき、穏やかだったと言われる性格がそのまま画面にあらわれたような作品にあらわれていきました。
今回の作品は、山口先生が体を壊してしまう前の、晩年に多くの作品を手掛けていた時期の作品です。
春にも柳ケ瀬画廊では二頭の馬の油彩画を扱いました。
ここ数年、あまり山口作品とご縁がなかったのですが、不思議なもので一枚手元にやってくると仲間を呼ぶように他の作品とのご縁が広がることがあり、今回はそのようにして集まってきた作品です。とても好きな作家のひとりですので、画廊で毎日見られることがとても嬉しいです(この仕事の役得ですね(*^^*)。
作品は画廊の正面に二枚揃えて飾っています。
お時間ございましたらぜひご覧にいらしてくださいませ。
皆様の御清鑑を心よりお待ち申し上げております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子