柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ「絵画のたのしみ」

2021.05.23

《ブログ》原美術館さんの閉館と解体のお話

今年1月、東京の原美術館さんが閉館されてしまいました。
品川駅から歩いて15分ほどの美術館のため、お出かけになったことのある方も多いのではないでしょうか。1979年の開館以来、様々な展覧会が開かれ、常設展示の奈良美智、宮島達男、森村泰昌、杉本博司らの作品も見ごたえがあった館でした。

閉館に続き、明日から建物の解体もはじまるそうです。

原美術館さんの建物は、銀座和光などを手がけた渡辺仁(1887-1973)さんの設計のため、建築愛好家の方たちから惜しむ声も聞こえてきます。建物の一部は外して保管されているようですが、時代の流れとはいえ 名建築が消えていくのは寂しいですね。

今回の解体にあわせて、美術手帖オンラインさんでは「なぜ近代建築は解体の危機にさらされるのか」という記事が掲載されていました。
https://bijutsutecho.com/magazine/interview/24082#.YKkCgM0SJ9g.twitter

 

岐阜でも2013年に旧加納町役場が解体されてしまっています。
同建物は武田五一(1872-1938)の設計。1926年に鉄筋コンクリート2階建ての姿で完成し、2005年には国登録有形文化財に登録されましたが、劣化を防ぐには数億円かかることから保存を断念、解体が決まってしまいました。

建物は残したいですが、保全費用が莫大な額になるため現実問題は厳しいですね。
なにか良い方法が見つかると良いですが…

尚、なくなってしまった旧加納町役場を設計した武田五一自身は広島生まれですが、五一の父が一時期仕事で岐阜と縁があったことから岐阜の建築をいくつも手がけています。現在も岐阜市の名和昆虫博物館が当時の姿をとどめていますので、ご興味のある方はぜひ足を向けてみてくださいませ。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2021.05.20

《ブログ》弊社社長のインタビューが掲載されました

本日発売の美術雑誌『月刊美術 6月号』の「ひと」欄にて、
弊社社長・市川博一のインタビューを掲載いただきました。

この度 刊行した『柳ケ瀬画廊の百年 熊谷芸術と資料』にあわせてのインタビューです。

柳ケ瀬画廊の歴史から、熊谷先生とのご縁や作品との思い出、
これからの展望など、2ページ見開きにてご紹介いただいています。

お手にとっていただけましたら幸いです。

《書籍のご案内》
書籍名:月刊美術 6月号
発売日:2021年5月20日
出版社:実業之日本社
ASIN : B092PCX344

絹谷幸二先生の薔薇の作品が表紙の雑誌です。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2021.05.17

《ブログ》岐阜にある坂倉準三建築

ゴールデンウイークが明け、岐阜市の新庁舎がオープンしましたね。
17階には展望室「つかさデッキ17」もでき、イサムノグチの岐阜提灯なども見られるそうです。
岐阜の展望室といえば、駅前の「スカイラウンジ」もありましたが、こちらは金華山や長良川も近いので、新型コロナが落ち着いたら一度は出掛けてみたいです。

さて、その新庁舎の近くにある岐阜市民会館も、実は名建築として知られています。
周囲の景色に溶け込む設計のため、普段なにげなく前を通っていますが、改めて目をとめると美しい姿に驚きます。

この場所は、もともと岐阜刑務所がありましたが、1928年に岐阜刑務所が長良に移転したあと、跡地に岐阜市公会堂ができ、その後、1967年にさらに建築も新たに現在の岐阜市民会館として開館しました。
設計は「坂倉準三建築研究所」、近代建築の巨匠・坂倉準三が晩年に関わった建物です。

2013年の耐震補強工事で柱や補強材などが外壁にも取り付けられ、少し姿は変わりましたが、いまでも白壁とタイルが目を惹きますね。
このタイルは近くで見ると本当に美しい色をしていますので、新庁舎にお出かけの折などは、ぜひ近くでご覧いただきたいです。昔のタイルは見る角度や、時間ごとの光の加減で色がさまざまに見えてとても好きです。

岐阜市民会館は柳ケ瀬画廊からも徒歩8分ほどの場所です。
柳ケ瀬画廊でも「初夏の常設展」をひらいておりますので、美術と建築、両方をたのしみにぜひお出かけくださいませ。皆さまの御清鑑を心よりお待ちしております。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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