2025.07.12
《作品紹介》前田青邨 群青 風景
柳ケ瀬画廊では夏の常設展を開催しています。
前田青邨先生の群青の美しさが目を惹く風景画が入りました。
掛軸の作品で、群青の岩絵具で描かれた美しい山と白い雲が描かれています。
奥田玄宗など日本画の大家たちも描いた禅の思想に基づいた作品で、
青色と白色の対比や形を通じて、人の生き方を語りかけてくれるようです。
共箱もついています。
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青邨先生の群青色は「青邨ブルー」と呼ばれるような独特の青色ですね。
日本画は平面の作品なのに、奥へ奥へと吸い込まれていくような深い青色です。
先生の故郷である岐阜県中津川市に鉱物博物館があるのですが、
以前そこで青邨先生も用いていた群青と緑青の岩絵具の元となった鉱物が展示されていました。
日本画で用いられる岩絵具は、膠と呼ばれる動物の骨や皮などを煮詰めて作る天然の接着剤の成分に、色の付いた粉を混ぜて作るのですが、その粉が鉱物・宝石であることも珍しくありません。
群青は藍銅鉱、翠青は孔雀石が素材になっています。
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作品は画廊にて展示中です。
前田青邨先生の作品はもう一点、色紙の書の額装作品もご紹介しております。
お時間ございましたらぜひご覧くださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2025.07.11
《御案内》夏季休廊(7/26-8/22)のご案内
決算棚卸に伴う夏季休廊のご案内です。
誠に勝手ながら柳ケ瀬画廊では夏季期間をお休みとさせていただきます。
【7月26日(土)から8月22日(金)まで】
なお休廊中も電話・メールは繋がっております。
ご連絡の際は通常の番号058-262-3481および
メールアドレス(art@yanagase-web.com)までお知らせくださいませ。
少し長い期間のお休みで恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子
2025.07.10
《作品紹介》村上華岳 日本画 菩薩 舞妓
柳ケ瀬画廊では夏の常設展を開催しています。
久しぶりに村上華岳の作品が2点入りました。
どちらも軸装で、ご遺族の鑑定箱に納められています。
一作品が舞妓、もう一作品が菩薩様です。
華岳といえば「線」が特徴的で、流れるような美しい線描で様々なモチーフを描きました。
舞妓は20代半ばから30代半ばの大正期に多く描かれたモチーフで、全国の美術館などで見ることもできます。色鮮やかな作品が多いことも特徴のひとつで、今回展示の作品も舞妓の白い肌に着物の赤・緑の色が映えて印象的な姿になっています。
菩薩様も多く描かれたモチーフで、学生時代から仏教美術に興味を持って模写をするなど、興味を寄せて長年描いたことで知られています。最近開かれた村上華岳展では華岳がキリスト教の教義や絵画を学んだのではないかとの指摘もあり、構図の新鮮さはもしかしたらそうした研究の成果なのかなと感じることもございます。
作品は青邨先生の群青の美しい作品とともに画廊に展示中です。
普段は近現代の油彩画が中心の画廊ですが、今年の夏は日本画の名品が揃いました。
夏の常設展は7月21日まで開催しております。
お時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子