柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ「絵画のたのしみ」

2024.04.20

《作品紹介》熊谷守一 五風十雨

春の恒例展「熊谷守一展」もいよいよ来週28日までの会期となりました。
少しだけ展示替えをして、油彩画・日本画・書・版画の22作品を展示しています。

本展では書を4作品展示しています。
熊谷先生は、支援してくださっていたコレクターの木村定三氏(愛知県美術館に100点以上の熊谷作品を含めた数千点の古今東西の美術作品を寄贈した大蒐集家)の影響もあって、中国古典などを題材にした書の作品を多く手がけていますので、画廊では言葉の解説用紙とともに作品をご紹介しています。

ウインドウには「五風十雨」の書を飾っています。

中国後漢の王充が手がけた書籍『論衡』に登場する「太平之世、五日一風、十日一雨、風不鳴条、雨不破塊」の一節からとった言葉で、五日に一度風が吹き、十日に一度雨が降るような気候だと農作物が豊かに実り、天下が太平であるという意味ののびのびした言葉です。
熊谷先生らしいこの言葉は、熊谷先生もエッセイのなかで好きな言葉のひとつとしてあげています。

熊谷先生は岐阜県恵那郡付知村(現在の岐阜県中津川市付知町)に生まれ、東京で文展で作品が入賞するなどして画家としてスタートを切ったのち、30代の一時期に裏木曾に戻って山奥で木を切り出し運搬する日傭という仕事に就いていました。
熊谷先生もエッセイのなかで、そのころに後年描くことになる多くの草花の名前や効能を覚えられたとおっしゃっています。山の仕事は天気や生きものとともにあるものなので、五風十雨と言う言葉に気持ちをお寄せになったのかもしれませんね。

作品「五風十雨」は店頭販売中です。
お気になられましたらお気軽にお問合せくださいませ。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2024.04.18

《ブログ》中日新聞さんに掲載いただきました

少し前ですが、12日付の中日新聞さんにて熊谷守一展を取り上げていただきました。

記事でもご紹介いただいていますが、
熊谷先生が91歳のときに描いた揚羽蝶の油彩画を展示しています。

熊谷先生は1971年、91歳の年から画風を少し変化させていて、それまで赤鉛筆で描いていた輪郭線を木炭の黒色で描くようになっています。
当時、もう熊谷先生は世間でも評価され、美術館や百貨店や各地の画廊で取扱いがはじまり、巨匠といわれるような立場でしたが、そのなかで画風を変える探求心に驚かされます。黒色は全ての色を詰め込んだ色で、かなり強い色なので扱いが難しいのですが、絵具の厚みや取り合わせを変えて、新しい展開が楽しめる時期です。

柳ケ瀬画廊の熊谷守一展は28日(日)までの開催です。
熊谷守一作品23点を展示して、皆さまをおまちしております。
ぜひお出かけくださいませ。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2024.04.13

《ブログ》豊島区立熊谷守一美術館「39周年展」(4/16~6/30)

東京にある豊島区立熊谷守一美術館さんにて、
今年も「熊谷守一美術館39周年展」が開催されます。

同館は通年で熊谷守一作品と出会える美術館ですが、
毎年5月28日の開館記念日にあわせたこの周年展では、
他館からの借用作品をあわせ、大規模な展示がおこなわれます。

今年のテーマは「旅」だそうです!
熊谷守一先生というと晩年の自宅にこもっているイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、お若いころは健脚で、全国各地を旅していました。ひとり旅はあまりなくて、野間仁根さんなど二科の仲間たちとお出かけすることが多かったようです。
本展でも伊豆、蓼科、御嶽、富士など、熊谷先生の健脚ぶりが伝わる風景画が多数展示されるそうで、そうした「旅人・熊谷守一」の一面が見れそうで楽しみですね。

会期中の5月8日、6月8日にはギャラリートークも開かれるとのことです。
詳細は美術館さんの公式ウェブサイト(https://kumagai-morikazu.jp)をご確認くださいませ。

なお、柳ケ瀬画廊でも風景の油彩画などを展示しています。
熊谷先生が好んで旅した長野の風景画です。
こちらもぜひご覧くださいませ。28日までの展示予定です。

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《ご紹介した展覧会の詳細》
展覧会名:「熊谷守一美術館39周年展」
展覧会期:2024年4月16日(火)から6月30日(日)まで
展覧会場:豊島区立熊谷守一美術館(東京都豊島区)
施設公式ウェブサイト
https://kumagai-morikazu.jp
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柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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