柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ「絵画のたのしみ」

2025.06.21

《作品紹介》牛島憲之 油彩画小品

柳ケ瀬画廊では秀作鑑賞展を開催しています。
巨匠・大家の22作品を展覧しています。

展覧会の途中に新しく牛島憲之作品が加わりました。
優しい点描風の油彩画で知られる牛島ですが、「絵の具とカンバスと、雨風しのげて目と手があれば、絵は描ける」と言って厳しく自作を追求し続けたことでも知られています。優しいけれど芯が強い、そんな魅力のある画家です。

今回追加展示した作品も、青い空と海、そして岸から登る白い道と、灯台でしょうか…なにかの人工物の姿が見られる作品です。1970年代半ばの作と思われ、60代の円熟期に入って画面の安定感と構成力がみられます。
木々や海景などで知られる牛島ですが、ガスタンクや工場などの人工物も好んで描いていました。自然のものと人工のものとでは筆致も異なり、趣の全く異なる対象の違いを楽しんでいらしたのかなと感じます。自然のものと人工物を同じ画面で描くことも多く描かれ、画面にリズムが生まれて人気がございます。

作品は6月29日まで開催の「秀作鑑賞展」にて展示しております。
お時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

 

 

2025.06.19

《ブログ》こどもミュージアム2025(一宮市三岸節子美術館)

柳ケ瀬画廊では「秀作鑑賞展」を開催しています。
国内外の巨匠・大家の作品21点を展示中です。

今回の展覧会では愛知出身の洋画家・三岸節子の油彩も飾っています。
エネルギッシュで、見ていて明るい気持ちになれるような花の作品です。

三岸の出身地である愛知県一宮市には、
「一宮市三岸節子記念美術館」さんもございます。
7月13日まで「ベストセレクション展」として、来館者の方たちの投票で選ばれた作品による三岸節子名作展示が行われています。弊社のお客様でもお出かけになられた方が何人かいらして、改めて三岸作品をゆっくり見たけどやっぱり素敵だねとのお話をたくさん聞かせていただけました。

そんな三岸節子記念美術館さんですが教育普及にも大変力をいれていらっしゃいます。
「せつこっこクラブ」という名前をつけて、主に中学生以下のお子さんたちを対象に、ベビーカー鑑賞会や、アーティストとの交流会、時には石を叩いて割ってみようという体験イベントまで開催され、アートと子供たちとの距離を縮めています。

今年は三岸節子生誕120節目の年なので、来月7月19日から「こどもミュージアム2025」として様々なイベントを開催するそうです。
6月25日からの事前応募の必要なイベントもございますので、お子さんやお孫さん、身近な小さなご家族のいらっしゃる方はいかがでしょうか。

案内の記載されたチラシは柳ケ瀬画廊店頭にて配布しています。
お気になられましたらご来廊の際にお持ちくださいませ。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2025.06.14

《作品紹介》三岸節子 花

柳ケ瀬画廊では「秀作鑑賞展」を開催しています。
6月29日まで、巨匠・大家による21作品を展覧いたします。

展示作品のご紹介です。
三岸節子の10号大の黄色い花を飾りました。
エネルギッシュで、見ているこちらまで華やかな気持ちになれるような油彩画です。

三岸作品は制作年のほかに制作月も分かることが多いのですが、
本作品も5月の初夏の時期に描かれたことが分かっています。
一度目の渡仏と、二度目の渡仏の合間に神奈川県の大磯にある海の見える山荘に転居して、野菜は自分で家庭菜園で作り、お気に入りの花を栽培して作品に登場させるなどしていた頃の作品です。

三岸の花の描き方は少し独特で、自著のなかで「花の絵を描く時も(中略)最初にイメージするのは形ではなく黄、青、白といった色なんです。形は色を追求していく間に出てくるんですね」と語っています。
花の中ではミモザの姿も愛して「なんて美しいでしょう」などとおっしゃっていましたが、三岸作品の花は三岸の心の中から生まれる花なので特定の品種ということはないそうです。

日々の生活のなかで体や心のなかからあふれたイメージなので、三岸作品はどれも明るく元気で、見ている私たちも幸せな気持ちにしてくれるのかもしませんね。

作品は6月29日まで開催の秀作鑑賞展に展示しています。
お時間ございましたらぜひご覧くださいませ。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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