柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ「絵画のたのしみ」

2024.01.20

《作品紹介》熊谷守一先生「梅」日本画

新春恒例「新春逸品展」を開催中です。

近代洋画が中心の展覧会ですが、
日本画も数点展示させていただいております。
ショーウインドウには前田青邨先生の日本画を飾りました。

日本画としては熊谷守一先生の「梅」のお軸も展示中です。
案内状にも掲載いたしました。

熊谷守一先生が後半生に描いた瑞々しい梅の墨彩画です。
熊谷先生は最近朝ドラにもなった植物学者・牧野富太郎先生の図鑑を頼りに、よく家の庭の植物のお手入れをされていたそうです。ご自宅の図面がいまも残っていて、そこには庭に梅の木があったことも記録されていますので、お庭の梅の木を描いた作品かもしれません。
熊谷先生らしい簡明な線をきりりと引いた墨彩画で、そのなかで梅の白・黄・紅の色が生き生きと入れられていて、右上にある緑色の新芽の枝が画面を引き締めています。

画像では少し伝わりづらいのですが、表装も細やかな仕事で作られていて、作品と一体となって美しい作品です。

ぜひ作品と出会いにお出かけくださいませ。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2024.01.18

《作品紹介》坂本繁二郎先生「八女平野」油彩画小品

新春恒例「新春逸品展」を開催中です。

今年は近代洋画家の名品が揃いました。
熊谷守一先生の油彩画3作品、
中川一政先生の顔彩画の壺に活けた花、
山口薫先生の油彩画の牛と太陽など、
それぞれの画家らしさの出た名品を展示しております。

案内状には坂本繁二郎先生の油彩画を掲載いたしました。

繁二郎先生は非常に寡作な作家と知られていて、かつ真面目な方でしたので制作ごとにお手元のノートに制作歴を記録されていたそうです。そのなかで最も小さい作品とされる油彩画が本作にあたります。
題名「八女平野」にありますように、繁二郎先生が晩年にアトリエを構えた福岡県八女市の風景を描いた作品です。ご遺族によるとアトリエから見えた景色だそうで、見えている山は八女市の飛形山(とびかたむら、標高449.9m)と思われるとのことです。

繁二郎先生らしい美しい色彩の組み合わせで描かれた作品です。
印刷物やデータですとどうしても色が強く出てしまいますが、実作品は、板に描かれているのに触ったらふわりとしそうな穏やかで優しい色彩がとても美しいです。ぜひ実作品をご覧いただき、お楽しみいただけましたらと存じます。

作品のお問合せ等ございましたら、
お電話やお問合せフォームよりお気軽にご連絡くださいませ。

《柳ケ瀬画廊問合せフォーム》
https://yanagase-web.com/contact

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2024.01.14

《ブログ》熊谷守一「桜」入荷いたしました

熊谷守一先生の生前版画作品に「桜」という作品がございます。
熊谷作品には身近な小さな生き物や風景を描かれた作品が多いですが、この「桜」もそのひとつです。

桜の花と赤い頬の鳥が描かれています。
描かれた鳥は「鷽(うそ)」です。

今日のネットニュースに下記の記事を見つけました。


福島県福島市飯坂町の西根神社境内にある高畑天満宮で
11日、「うそかえ祭」が始まった。14日まで。境内
は木彫りの縁起物「鷽鳥(うそどり)」を求める参拝客
でにぎわっている。
鷽鳥は、疫病や悪いことを身代わりとなって「うそ」に
替え、授かった人は1年間の幸福を得るとされる。

お客様からこの作品の鳥の名前を聞かれて「うそ」ですとお答えしますと「そのような名前の鳥がいるのですか?」と聞かれることが多いのですが、スズメの仲間で、日本はもちろんヨーロッパ・アジアに広く生息している身近な鳥だそうです。
頬が赤いのはオスの鷽だそうです。

熊谷先生の作品「桜」には鷽と桜が描かれています。
鳥と花で、花鳥風月の美しい構図でもありますが、鷽の好物は桜の蕾と花びらだそうです。
鷽はたくさんのご馳走を前にして幸せを感じている構図でもあると思います(#^.^#)

ご案内の作品は在庫がございますので、お探しの方がいらっしゃいましたらお声がけください。

 

柳ケ瀬画廊 市川たけよ

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