2023.11.11
《ブログ》熊谷守一先生の油彩画・日本画・書・ブロンズ
柳ケ瀬画廊では「文化の日 熊谷守一展」を開催中です。
毎年、春と秋におこなっている熊谷守一先生の恒例展のため、毎年楽しみにしていますとおっしゃってくださる声もあり、とても嬉しいです。
今回の熊谷守一展では油彩画3作品、日本画と書15作品、ブロンズ1作品を展示しています。
油彩画は花と、風景の作品を飾っています。
今回の展示作品は戦前の作品と、戦後の画風過渡期の1956年の作品と、晩年の1972年の作品の3点です。作品を追っていくと熊谷先生の画風の変遷が追えて、どのようにして代表的な技法・モリカズ様式がつくられたかが伝わってくるようです(*^^*)
日本画は動植物の作品を中心に飾りました。
岐阜の秋にぴったりな柿の墨彩画や、熊谷先生らしい昆虫のいきいきとした墨彩画、可愛らしい猫の水墨画などです。額装、軸装どちらも展示しておりますので、ご自宅の飾りたい場所にあわせてスタイルもお選びいただけます。
書は「ほとけさま」「五風十雨」「獨樂」などの良い字が揃いました。
熊谷先生のひらがなの書は、先生の言葉にからすの「か」と柿の「か」は違う、というものがあり、それぞれの文字に絵のような魅力が感じられてファンの多いシリーズです。「五風十雨」と「獨樂」は熊谷先生が気に入っていらした言葉です。「五風十雨」は五日に一度風が吹き、十日に一度雨が降るという意味で、天下が平安であることを意味していて、「獨樂」は「ひとりたのしむ」と読めます。
ブロンズは裸婦をかたどった、手のひらに乗るサイズの作品です。
熊谷先生はテラコッタでオブジェをたまに作っていらしたそうですが、主に油彩画を制作する際にものをみる補助に使っていたためか、すぐに壊してしまわれたそうで、それを惜しんだ方がブロンズに仕立てたものと聞いています。何種類かありますが、今回は臥せた裸婦のブロンズが手に入りました。
熊谷守一先生の幅広い画業をお楽しみいただける展覧会となっております。
お時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。
皆さまの御清鑑を心よりお待ちしております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子