2021.03.05
《ブログ》篠田桃紅さんの展覧会
今月1日に篠田桃紅さんが亡くなられました。
亡くなる少し前に、偶然桃紅さんの展覧会を見ていて、ブログでご紹介しようと思っていた矢先でした。寂しい気持ちのなかでのご紹介となりますが、2つの展覧会をご紹介したいと思います。
ひとつめは、岐阜県関市の篠田桃紅美術空間さんの桃紅展です。
「桃紅とその時代 百人一首」、3月26日までの開催です。
1983年に刊行された『篠田桃紅書 守屋多々志画 百人一首』の原画が展示されています。桃紅さんが文字をかいた百枚の料紙は、全て異なる唐紙で、紫、黄、水色などの染料で彩られた模様のある姿をしています。
ただ文字が書かれているのではなく、紙の空間全体で百人一首の世界が感じられる作品ばかりでした。
もうひとつは、岐阜県関市の岐阜現代美術館さんの桃紅展です。
「篠田桃紅 1980年代の作品から」、3月19日までの開催です。
桃紅さんは107歳まで長く人生を過ごされたので、その創作活動は90年間にもおよびます。この展覧会では、そのなかでも伝統から桃紅スタイルへと洗練の度合いを増していった1980年代の作品が特集されています。
上の篠田桃紅美術空間さんとは車で20分ほどの距離です。
土日にお休みされていることもある美術館さんなので、お出かけの際はホームページなどをご確認になってからの御訪問をおすすめいたします。
他にも岐阜県美術館さんでも「篠田桃紅と抽象の世界」が開催されています。
エッセイの名手としても知られている作家なので、御本などとあわせても桃紅さんの足跡がたどれそうです。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子