柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ「絵画のたのしみ」

2021.12.16

《ブログ》こども陶器博物館

柳ケ瀬画廊では今週末まで、
「熊谷守一・五味太郎 小さないきもの版画展」を開催しています。
熊谷守一先生と五味太郎先生の絵本関係の版画など、20点ほどを展覧中です。

柳ケ瀬画廊にとって絵本関連の展覧会は、2001年に開いた「ボローニャ国際児童図書賞受賞記念 金森宰司絵本原画展」以来となります。久しぶりの開催でしたが、弊社のまわりには、メディアコスモス岐阜市立中央図書館さんや、「絵本と童話の店 大きな木」さんなどが熱心に本のお仕事をされている影響か、たくさんの絵本ファンの方がお越しくださっていて嬉しいです。

また、他にも岐阜県内には五味太郎先生の絵皿が見られる博物館が多治見にございます。
金正陶器さんが運営されている「こども陶器博物館」さんです。

なかは同社の企業博物館のようになっていて、大正時代から平成時代までの子供茶碗・約800点ほどが展示されています。また、以前にミッフィー展や五味太郎展をされていたゆかりから、常設展示で五味先生の絵皿数点を鑑賞できたり、たくさんの五味先生の陶器グッズの販売コーナーでお買い物もできるようになっています。

たくさんの子供茶碗のコレクションを見ていると、当時どんなアニメや子供向け番組が流行したかが伝わってきて、単なる企業美術館ではなく、当時の世相や時代を感じられる雰囲気でとても楽しいです。
また、駐車場のマークや、地面のマークなど、色々な場所に五味作品がちりばめられていることもファンの方に喜ばれそうですね(*^^*)

先日、髙島屋さんのなかにある大垣書店さんにお出かけしたら五味先生のくつしたやカレンダーなども売られていました。絵本だけにとどまらず、いろいろな場所やアイテムで五味先生が愛され親しまれていることが感じられて嬉しいです。

「熊谷守一・五味太郎 小さないきもの版画展」は今週日曜までの開催です。
お時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。

***このブログに登場した美術館・詳細***

美術館名:こども陶器博物
所在地 :岐阜県多治見市
こども陶器博物館・公式ウェブサイト
http://museum.kanesho.co.jp/index.html

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2021.12.11

《ブログ》日本洋画 美の系譜展(岐阜県美術館)

昨日、岐阜県美術館さんで「日本洋画 美の系譜」展がはじまりました。
久しぶりの洋画展ですね。嬉しくて、初日にさっそく出かけてまいりました。

美術館の入口看板では 山本芳翠《裸婦》と安井曾太郎《薔薇》が出迎えてくれます。
山本芳翠の《裸婦》は2014年に重要文化財に指定された作品です。

今回は約150点ほどの作品が展示されていますが、そのうち25作品ほどは箱根のポーラ美術館さんから貸し出されているそうです。
黒田清輝、藤島武二、坂本繁二郎、岡鹿之助、佐伯祐三、小出楢重から三岸好太郎や瑛九など、名品揃いのポーラ美術館所蔵の油彩画を鑑賞できました。コロナ禍でなかなか遠出が難しいなか、岐阜でこうした作品を鑑賞できることは嬉しいですね(*^^*)

ポーラ美術館さんといえば10点以上の熊谷守一作品をご所蔵していることでも知られていますが、今回は熊谷作品の貸出はありませんでした。
ただ、代わりに岐阜県美術館所蔵の油彩画《蠟燭》《裸婦》《麦畑》《百日草》《壺》、ブロンズ《臥裸婦》が展示されているので、熊谷ファンの方には嬉しい展覧会かしらと思います。

また、岐阜県美術館さんでは12月16日から小展示「ぎふの日本画 京で学ぶ」展がはじまるそうです。川合玉堂や土屋輝雄から竹内栖鳳や幸野楳嶺などが、前期後期で入れ替えをしながら展示されるそうです。こちらは岐阜県美術館さんの所蔵品展ですが、日本画は作品の性質からなかなか長期展示ができないので、貴重な鑑賞の機会だと思います。

尚、岐阜県美術館さんと同じ岐阜市内では、「みんなの森 ぎふメディアコスモス ギャラリ―」(岐阜市司町/岐阜市役所向かい)でも熊谷守一展がひらかれています。熊谷守一展を見た後で、熊谷守一が生きた時代の日本の近代洋画が楽しめる岐阜県美術館さんの展示もお出かけになるルートも楽しそうですね。

また、弊社でも引き続き「熊谷守一・五味太郎 小さな生きもの版画展」を開催中です。
お時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。

***展覧会詳細***

展覧会名:日本洋画 美の系譜
展覧会期:12月10日(金)から2022年3月13日(日)まで
(※年末年始の休館があるので、お出かけの際はお気をつけください)
展覧会場:岐阜県美術館
岐阜県美術館・公式ウェブサイト
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/events/new-fashioned/

***岐阜市主催の熊谷守一展のお知らせ***

展覧会名:~岐阜、豊島 ゆかりの地をつなぐ~ 熊谷守一展
展覧会期:12月4日(土)から12月19日(日)まで
展覧会場:みんなの森 ぎふメディアコスモス 1Fギャラリー
岐阜市役所・熊谷守一展・公式ウェブサイト:
https://www.city.gifu.lg.jp/kankoubunka/event/1005353/1013403.html

***柳ケ瀬画廊での関連展のお知らせ***

柳ケ瀬画廊でも現在、熊谷守一先生を中心とした常設展を開催しています。
熊谷作品からは、14点(油彩画2点、日本画5点、書2点、版画5点)を展覧中。
開廊日:常時(火曜、水曜休廊)
柳ケ瀬画廊・ウェブサイト:https://yanagase-web.com/

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2021.12.10

《ブログ》岐阜市新庁舎のモニュメント

散歩が好きで、画廊がお休みの日は よく市内を歩いて散策しています。
岐阜はパブリックアートが多く、他県の画商仲間の先輩からも「岐阜は彫刻好きな人が多い」と言われたことがあるほどですので、歩いていると たくさんのアートに出会えて楽しいです。

有名なパブリックアート群は、名鉄岐阜駅から柳ケ瀬商店街に続く彫刻群でしょうか。
昔、岐阜市の神田町通りにアーケードが新設されるにあたり、関連事業として「モニュメントづくり委員会」が設立され、13作家を選び、1994年度から1995年度にかけて作品が設置されました。
諸般の事情で1作品は今は見ることができませんが、今でも小清水漸、星野暁、林武史などの国際的に活躍する彫刻家たちの12作品を歩きながら楽しめます。

そんな「彫刻のまち・岐阜市」ですが、先日 ひとつの作品の作家がわかりました。
上記画像の作品です。以前は岐阜市役所前の時計台のお隣に設置されていて、今は岐阜市新庁舎のバス停の北側附近の歩道にある「岐阜市平和都市宣言モニュメント」という作品です。
流れるような曲線が綺麗な作品ですが、作家名・作品名が書かれていないため、ずっと「どなたの作品だろう」と疑問に思っていました。しかし、岐阜市在住の彫刻家・衣笠文彦先生とお話していたときに、ふとお尋ねしたところ自分の作品だと教えてくださって長年の謎が解けました。

その後、衣笠先生が当時の資料などを見せてくださって、貴重なお話も聞かせてくれました。
このモニュメントは、岐阜市が市政100周年の1988年に「平和都市宣言」を行うにあたり、衣笠先生がプランを出したところ趣旨に合っていたようで制作することとなった作品だそうです。「平和都市宣言」が1988年であることから、彫刻の高さも1988mmにあわせて作られているとのことでした。
また、私はずっと「流れる水のイメージ」だと思っていましたら、先生によると「両方からあつまって上にあがっていくイメージ」で制作されたそうです。改めて鑑賞してみると、下の部分のそれぞれの線の端がまとまっているのに対し、上の部分はさまざまな高さで表現されていて、確かに下に落ちるというより上にあがっていくイメージだなと感じます。
ピタッとくると不思議なもので、下から上にあがっていく動きが見えるようで面白いです。

彫刻の見方や、面白さを感じる作品だと思います。
岐阜市新庁舎やメディアコスモスのある岐阜市中心市街地に設置されている作品ですので、近くにお出かけの際はぜひ探してみてくださいませ。

メディアコスモスさんではいま、熊谷守一展も開かれています(*^^*)

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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