柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ「絵画のたのしみ」

2022.01.15

《作品紹介》梅原龍三郎 薔薇

柳ケ瀬画廊「新春逸品展」を開催中です。

展示作品の中から、毎日1作品、お薦めの作品をご紹介しています。

本展覧会では、梅原龍三郎先生の薔薇の作品を展示しています。
豊穣な、薔薇の香りが感じられるような油彩画です。

梅原先生は1888年、京都の中心部四条通りのすぐ南のあたりに生まれました。ご実家は呉服の問屋から集まる図案や染色や刺繍などを振り分け、出来上がったら得意先に収める商売をしていたそうで、小さい頃から美しい形と色のなかで生活をされていました。
15歳のときに洋画壇の大家・浅井忠先生に師事すると、20歳のときにはもうフランスに渡って現地の美術に触れています。特にリュクサンブール美術館で出会ったルノワールの絵には感銘を受けたそうで、さっそくカーニュという場所までルノワールに会いに出かけます。カーニュは三岸節子先生なども出かけた、南仏の気候のよい地です。
梅原先生はその地でルノワールに師事し、様々なことを教えてもらったそうです。ルノワールに学んだというと、あまりに世界的巨匠すぎて画集や美術館で絵を見て影響を受けたのかなと思いがちですが、梅原先生は直接ルノワールと語り合い絵を学んだのですね。

フランスから帰国後にはルノワール風の作品からはじまると、次第に西洋方式のなかに日本の伝統を混ぜ合わせ、梅原先生にしか描けない世界がつくられていきます。日本画の画材を用いたり、琳派や南画の要素を混ぜ合わせた描き方をしてみたり。そして97歳で亡くなるまで、たくさんの作品を描きました。

梅原先生の作品は、育ちの良さからくる豪快さとおおらかさ、そしてルノワールやピカソをはじめとする喜ばしい出会いからくる楽しさや幸せ、そうした濁りのない生きる喜びが感じられます。
今回展示している薔薇の図も、薔薇そのものも美しいですが、薔薇の花が香しく咲いている春すぎの空気感のやわらかさも良く出ているように思います。絵を飾ったら部屋が明るくなりそうな作品です。

実作品をぜひご覧いただいてお楽しみいただけましたら嬉しいです。

柳ケ瀬画廊の「新春逸品展」は30日までの開催です。
火曜水曜休廊。10時から18時。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.01.14

《ブログ》雪が降りました

昨日から岐阜市内も粉雪が続いています。
今朝は近くの金神社で左義長があり、出かけましたら雪景色でした。

鳥居も雪をかぶっています。

尚、柳ケ瀬画廊は柳ヶ瀬商店街のアーケード内にあるため、外よりは少しだけ暖かい気がいたします。

開催中の「新春逸品展」も引き続き開催しております。
画廊のなかは暖かいので、ぜひお出かけくださいませ(*^^*)

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.01.14

《作品紹介》里見勝蔵 油彩画

柳ケ瀬画廊「新春逸品展」を開催中です。

展示作品の中から、毎日1作品、お薦めの作品を御案内申し上げます。

今年の新春展では、里見勝蔵先生の作品が2点がはいりました。
いずれもオレンジ色が印象的な油彩画で、里見先生らしいフォーヴ調の作品です。

里見先生は1895年生まれ。京都の医師の家に生まれ、1981年に鎌倉で亡くなるまで85年の生涯を過ごしました。10代の頃、京都で鹿子木孟郎について洋画を学ぶと、東京美術学校進学を機に上京、そして26歳のときに神戸からフランスに向けて出港しました。

4年半の滞欧期間は、佐伯祐三なども憧れたヴラマンクと意気投合したり、ゴッホに傾倒して墓参りをするなど、実りの多いものだったようです。そして帰国すると二科展という美術展覧会で樗牛賞を受賞し、情熱の画家、フォーヴの旗手と呼ばれ愛されました。

初期は暗色も多かった里見先生ですが、次第に色が明るく純粋な色になり、オレンジやレッドといった華やかな色彩を、ごってりと肉厚な絵具層で画面の上に築いていくようになります。その力強さに惹かれるコレクターのお客様も多く、柳ケ瀬画廊でも長年扱ってきた画家のひとりです。

柳ケ瀬画廊の「新春逸品展」は作品を少し増やして20作品の展示になりました。
一年のはじまりを彩る逸品を揃えた展覧会です。
お時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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