柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ

2022.11.19

《ブログ》ヤマザキマザック美術館「パリに生きた画家たち」展

柳ケ瀬画廊では、
「常設展(近現代絵画)」と「〈小特集〉日本画家・田村幸帆展」を開催中です。

さて、立冬を過ぎ、岐阜市内も冷え込みが厳しくなってまいりました。

しかし美術業界はまだまだ「美術の秋」!
魅力的な展覧会がたくさんひらかれています。
先日はヤマザキマザック美術館さん(愛知県名古屋市)で開催されている「パリに生きた画家たち」展に出かけてまいりました。

名古屋市営地下鉄・新栄駅から直結の、立派なビルのなかにある美術館さんです。

開催中の「パリに生きた画家たち」展では、
マルケ7点、ユトリロ10点、佐伯祐三8点、荻須高徳27点が展示され、
当時のパリの雰囲気が伝わってくるような会場になっていました。
パリの市内地図などもあり、画家たちの足取りも追える仕掛けも作られています。

特に佐伯がこんなにたくさん見られるなんて貴重な機会ですね。
第一次渡欧期(1924年1月~1926年1月)、第二次渡欧期(1927年8月~)のいずれの作品も見られ、ポーラ美術館さん・四日市市立博物館さん・BBプラザさんから貸し出された作品も飾られていました。

また、佐伯と同じ展示室には、佐伯と交流のあった荻須の作品も飾られていました。
佐伯に影響を受けていた頃の荻須作品を佐伯作品と同じ部屋で見比べられます。
荻須作品は、佐伯が亡くなり、荻須の独自の画風……石造りの重厚な存在感を明るく描きだすようになった時代のものは、次のお部屋に飾られていて、そうした画風の展開していくストーリーもとても楽しい展示になっていました。

荻須作品といえば、ヤマザキマザック前社長で、ヤマザキマザック美術館の礎を築いた山崎照幸氏は、同じ愛知出身の荻須高徳先生と交流があったそうです。展示パネルには、しばしば荻須の自宅を訪ねたり、食事を一緒にしていたり、きしめんやういろうを差し入れに持参していたと紹介されていました。
交流が分かるような書簡や、山崎氏の旧蔵作品なども展示されています。

展覧会を楽しんだ後は、下のフロアにある常設展会場で、同館のガラス・家具類のコレクションも鑑賞できました。アール・ヌーヴォーを代表する工芸家・ガレやドームなどのほか、空間にあわせてマティスやローランサンの作品も登場します。
こちらのお部屋はお写真OKの作品も多く、私もお気に入りのドームの雪割草を撮影して携帯の待ち受けにしました。いつでも美術館気分になれて、嬉しいです(*^^*)

名古屋中心地のアクセスのよい展覧会です。
冬の寒さのなか、美術品でほっとする時間を過ごされてはいかがでしょうか。

尚、柳ケ瀬画廊でも「常設展」「〈小特集〉日本画家・田村幸帆展」を開催しております。
こちらも岐阜にお越しの際はぜひお出かけくださいませ。

 

***ご紹介した展覧会の詳細***

展覧会名:「パリに生きた画家たち」展
展覧会期:10月28日(金)から来年2月26日(日)まで
展覧会場:ヤマザキマザック美術館(愛知県名古屋市)
ヤマザキマザック美術館さんの公式ウェブサイト
https://www.mazak-art.com/

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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