2022.10.06
《作品紹介》前田青邨「静物」日本画
画廊では「文化の日 名品展観《熊谷守一・前田青邨展》」を開催中です。
画廊の正面近くには、前田青邨《静物》を飾りました。
日本画(紙本着彩)、15号大、共シールが付属しています。
青邨先生が好んで描いていた「器に盛られた果物」の構図です。
大ぶりの器に、林檎と思われる果物が上品におさまっています。背景には青邨先生の得意な金泥が塗りこめられていて、果物のみずみずしさや、陶器のすべらかさを引き立てています。
同じ構図の作品は、現在 岐阜県美術館で開催されている「開館40周年記念 前田青邨展 究極の白、天上の碧」にも2点、展示されていました。美術館さんで展示の作品は、器にたくさんの果物が盛られていて、いくつかが器からあふれているような元気の良い作品です。いずれも喜寿の年に制作されたそうですので、パーティーやご挨拶の多いなかでの制作で、生活の活気が作品にも反映されたのかもしれませんね。
青邨先生といえば歴史画が有名で、甲冑や兜の研究でも知られていますが、焼き物の分野でも自ら陶芸を楽しみ、花器や弥生土器などをコレクションされていたといわれています。
そのため、どの作品も焼き物の選定も素敵で、青邨先生のセンスも感じられて素敵です。
作品にご興味ございましたらお気軽にお問合せくださいませ。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子