2022.09.04
《作品紹介》熊谷守一「栗」木版画
柳ケ瀬画廊では「美術の秋 秀作鑑賞展」を開催中です。
いよいよ秋が近づいてきたので、
熊谷守一・木版画「栗」を画廊に飾りました。
1972年、熊谷先生が92歳のときに描かれた作品です。
熊谷先生は生涯で何度か画風を変えていて、
1971年からは物の輪郭をおもに黒色の木炭でえがいています。
この作品は1972年に描かれていますが、若い頃に愛用していた赤鉛筆の輪郭線と、この時期に愛用していた黒い木炭の輪郭線が両方つかわれています。
海や川など、やわらかいものを描くときには輪郭線を使わないこともある熊谷先生なので、栗のイガイガの感じは赤鉛筆のほうが良く表現できると思われたのでしょうか。
画家の気持ちをいろいろ想像できる作品です(*^^*)
熊谷先生は岐阜県中津川市のご出身ですが、
この時期になると、中津川市内のあちこちで「銘菓・栗きんとん」が販売されます。
そんな地で生まれたためか、熊谷先生もいろいろな栗の作品をえがいています。
木版画でも複数制作していて、一番華やかなものが、この「栗」です。
作品は画廊に飾っています。
お気になられましたら、ぜひお出かけくださいませ。
熊谷作品は、他に、油彩画のお花、墨彩画の猫、お軸の書も飾っています(*^^*)
柳ケ瀬画廊 市川瑛子