2022.01.14
《作品紹介》里見勝蔵 油彩画
柳ケ瀬画廊「新春逸品展」を開催中です。
展示作品の中から、毎日1作品、お薦めの作品を御案内申し上げます。
今年の新春展では、里見勝蔵先生の作品が2点がはいりました。
いずれもオレンジ色が印象的な油彩画で、里見先生らしいフォーヴ調の作品です。
里見先生は1895年生まれ。京都の医師の家に生まれ、1981年に鎌倉で亡くなるまで85年の生涯を過ごしました。10代の頃、京都で鹿子木孟郎について洋画を学ぶと、東京美術学校進学を機に上京、そして26歳のときに神戸からフランスに向けて出港しました。
4年半の滞欧期間は、佐伯祐三なども憧れたヴラマンクと意気投合したり、ゴッホに傾倒して墓参りをするなど、実りの多いものだったようです。そして帰国すると二科展という美術展覧会で樗牛賞を受賞し、情熱の画家、フォーヴの旗手と呼ばれ愛されました。
初期は暗色も多かった里見先生ですが、次第に色が明るく純粋な色になり、オレンジやレッドといった華やかな色彩を、ごってりと肉厚な絵具層で画面の上に築いていくようになります。その力強さに惹かれるコレクターのお客様も多く、柳ケ瀬画廊でも長年扱ってきた画家のひとりです。
柳ケ瀬画廊の「新春逸品展」は作品を少し増やして20作品の展示になりました。
一年のはじまりを彩る逸品を揃えた展覧会です。
お時間ございましたらぜひお出かけくださいませ。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子