2021.10.22
作品のご紹介:三岸節子、花
画廊に、華やかな赤色の花を描いた三岸節子先生の油彩画がはいりました。
三岸先生の花には、赤色のほかに、黄色や茶色、緑色などさまざまな色がありますが、とりわけ赤色は「燃えるような朱に熱狂する時代があった」「赤い色が大好き」と三岸先生自身がおっしゃっているように、情熱的で、絵を描く楽しみやよろこびが伝わってくるようです。
作品を見ていると、三岸先生がそこにいるような、存在感もあります。
柳ケ瀬画廊では作品がはいると、額縁の裏をあけて、家族で点検をします。額縁と絵具が一体化していたり、キャンバスを挟んでいたりすることもあるので、作品を傷めてしまわないように工具を使いながら慎重にあけていきます。
コンディションをチェックすることが本来の目的ですが、画商としてはそれだけではなく、キャンバスの裏にいろいろと書かれている 画家からのメッセージを発見することが楽しみです。
この作品では「大磯にて」という地名と、制作年・制作月が書かれていました。フランスから帰国した三岸先生が、1964年に移り住んだ神奈川県大磯町で、夏の終わりに描いた作品だと思います。
作品は、三岸節子先生の画集にも掲載されています。
コンディションも良く、鑑定証書も付けてございます。
お探しの方がいらっしゃいましたら、お声がけくださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子