2021.07.05
《ブログ》熊谷守一先生と雨
本日の岐阜市内は強い雨が降っていますね。
こんな日に思い浮かべる熊谷守一作品があります。
《縁側》という油彩画です。
東京にある豊島区立熊谷守一美術館さんが所蔵されている作品です。
2013年に上演された劇団民藝さんの舞台「無欲の人 熊谷守一物語」のパンフレットの表紙にもなりました。
画面はとてもシンプルで、細かい書き込みはありません。
けれど、雨具が置かれて、傘とタオルが物干しに掛けてある様子を見ると、誰かが雨のなかで外からやってきたことが伝わります。熊谷先生自身が帰ってきたのか、ご家族が帰ってきたのか、それともお客様がいらしたのか。想像が広がりますね。
この作品にはバリエーションがあって、水彩画で描かれた同題名・同構図の作品をお納めしたことがあります。
水彩ですと水の感じがより伝わってきて、油彩画とはまた異なる楽しみ方がございました。
今年も11月には「文化の日 熊谷守一展」を開催予定です。
このような魅力のある作品をたくさん皆様にご覧いただけるように、秋に向けて引き続き作品を探して集めていきたいです。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子