柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

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2019.04.11

《ブログ》「川端康成と東山魁夷 美と文学の森」展(岐阜市歴史博物館)

先週、岐阜市歴史博物館さんで「川端康成と東山魁夷 美と文学の森」展がはじまりました。

川端康成というと、小説家として『雪国』『伊豆の踊子』『山の音』などが知られています。しかし、小説家のほかに もうひとつ、美術品のコレクターとしての顔を持っていたことをご存知でしょうか。

また、東山魁夷も日本画家として「道」「残照」「秋翳」などの多くの名品を残しました。しかし、画家のほかにも、小説の表紙画や挿絵を手がけるデザイナーとしての顔、そして美術品のコレクターとしての顔も持っていました。

今回は、そんな「コレクター・川端康成」と「コレクター・東山魁夷」のコレクション、そして交流が紹介された展覧会です。
私も早速出かけてまいりました。


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展示会場は若い方から御年輩の方まで、多くの方で賑わっていました。

川端康成コレクションからは、古今東西の名品が出ています。小説のイメージから、古美術品のコレクションを想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、古い土偶などとともに、熊谷守一や古賀春江といった近代美術、草間彌生といった現代アートの作品もコレクションとして鑑賞できます。

東山魁夷コレクションからは、同時代の画家の作品が展示されていました。岸田劉生の麗子もお持ちです。また、東山の手がけた装丁画の仕事も多く紹介されていました。

また、今回の展覧会にあわせて、博物館の2階では関連書簡が紹介されていました。
夏目漱石や太宰治、三島由紀夫、坂口安吾など、読書家の方であれば心が躍るような文豪の直筆が鑑賞できます。なかには、どうしても芥川賞を受賞したかった太宰治が、当時芥川賞に関わっていた川端に懇願して出した長い長い書簡のようにクスっとなるものも置かれています。太宰さんの「やめてくれー」という悲鳴が聞こえてきそうです(*^^*)

展覧会のひらかれている岐阜市歴史博物館さんは、岐阜公園のなかの博物館です。
ちょうど桜も見頃を迎えていますので、春のお出かけにいかがでしょうか。

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《展覧会詳細》
展覧会名:川端康成と東山魁夷 美と文学の森
展覧会場:岐阜市歴史博物館
展覧会期:2019年4月5日(金)~5月26日(日)
展覧会・公式ウェブサイト
http://www.rekihaku.gifu.gifu.jp/index.html

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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