柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ

2025.07.12

《作品紹介》前田青邨 群青 風景

柳ケ瀬画廊では夏の常設展を開催しています。

前田青邨先生の群青の美しさが目を惹く風景画が入りました。
掛軸の作品で、群青の岩絵具で描かれた美しい山と白い雲が描かれています。

奥田玄宗など日本画の大家たちも描いた禅の思想に基づいた作品で、
青色と白色の対比や形を通じて、人の生き方を語りかけてくれるようです。
共箱もついています。

青邨先生の群青色は「青邨ブルー」と呼ばれるような独特の青色ですね。
日本画は平面の作品なのに、奥へ奥へと吸い込まれていくような深い青色です。

先生の故郷である岐阜県中津川市に鉱物博物館があるのですが、
以前そこで青邨先生も用いていた群青と緑青の岩絵具の元となった鉱物が展示されていました。
日本画で用いられる岩絵具は、膠と呼ばれる動物の骨や皮などを煮詰めて作る天然の接着剤の成分に、色の付いた粉を混ぜて作るのですが、その粉が鉱物・宝石であることも珍しくありません。
群青は藍銅鉱、翠青は孔雀石が素材になっています。

作品は画廊にて展示中です。
前田青邨先生の作品はもう一点、色紙の書の額装作品もご紹介しております。
お時間ございましたらぜひご覧くださいませ。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

カテゴリー

最近の投稿

アーカイブ