柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

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2025.06.12

《作品紹介》山口薫 油彩画 牛

柳ケ瀬画廊では「秀作鑑賞展」を開催しています。
国内外の大家・巨匠の作品23点を展示中です。

展示作品のご紹介です。
画廊の正面横の壁に山口薫の牛の油彩画を飾りました。

山口薫は黒田清輝や浅井忠らの洋画黎明期の世代の教え子世代の 熊谷守一や藤田嗣治らのさらに次世代の、この地方ですと荻須高徳や三岸節子らといった画家たちと同世代の人物です。
東京美術学校で学び、60年の生涯で数多くの作品を手掛けました。

群馬県の自然豊かな地に生まれ、故郷を愛していたため、山口作品には牛や馬、森、沼など故郷に関わるモチーフが多く登場します。また、1930年代にそれまで描いていた写実から抽象的な作品に近づき、抽象そのものの世界に行くことはありませんでしたが、具象と抽象の狭間にいるような、レースのカーテンで何層にもなった世界を描くような作品を作り上げていきます。
今回柳ケ瀬画廊で展示している作品は、そんな山口の故郷を感じる牛のモチーフが、具象的であり抽象的でもあり描かれた油彩画です。

この頃の山口はヴェネツィア・ビエンナーレに出品するなど、国際的な舞台でも展示されるような作家になっていて、50代の脂の乗った時期を楽しんでいました。
牛の背景には太陽も描かれており、多彩な色彩を用いて輝く太陽の姿には画家の充実っぷりも伺えます。

 

作品は6月29日まで開催の秀作鑑賞展に展示しています。
お時間ございましたらぜひご覧くださいませ。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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