2022.09.16
《作品紹介》北川民次・油彩画「りんごを持つイブ」
「美術の秋 秀作鑑賞展」を開催中です。
会期の半ばに展示替えをいたしました。
現在、国内外画家12名の作品16ほどを展覧しています。
本日は、北川民次の作品をご紹介します。
「りんごを持つイブ」という8号の油彩画です。
1954年制作で、画家60歳のときに描かれました。
りんごを優しく抱きしめる手のひらを強調した表現や、
左手に掴まれている薄いブルーの蛇の配置など、
民次作品の特徴の生命力が感じられる作品です。
戦前、特に第一次大戦前に海外に行く画家が珍しかった中、
民次は1914年に早稲田を中退すると、
渡米をしてニューヨークで絵を学び、
1922年からはメキシコに渡って活動します。
メキシコでは美術の学校の校長先生にもなっていますし、
藤田嗣治など著名な画家たちが彼を訪ねているので、
当時の評価の高さが感じられますね。
また、当時のメキシコは壁画運動が盛んでしたので、
民次作品のエネルギッシュさはそのあたりにも源がありそうです。
本作品は「美術の秋 秀作鑑賞展」に展示中です。
9月25日(日)まで開催予定です。
お時間ございましたら、ぜひご鑑賞にお立ち寄りくださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子