2022.01.09
《作品紹介》三岸節子 花
柳ケ瀬画廊「新春逸品展」を開催中です。
展示作品の中から、毎日1作品、お薦めの作品を御案内申し上げます。
三岸節子先生の赤い花の油彩画を展示しています。
お隣の愛知県に一宮市三岸節子記念美術館さんがあるため、岐阜の人にもなじみの深い女流画家の作品です。
三岸先生といえばエネルギッシュな画家!
まだ戦前の、男性の画家でも洋画で生活していくことが難しかった時代に、父を説得し、遠縁を介して洋画家・岡田三郎助を紹介してもらい絵を学び始めたというスタートから 三岸先生の生来の強さを感じます。戦争が終わってからも、1954年に初めてヨーロッパに行くと一時期は南仏に居を移して 異なる風土での制作に熱中し、再び日本に戻ると美しい神奈川県・大磯の地にアトリエを構えて多くの名品を描きました。
今回展示している作品も、大磯時代に描かれた作品です。
この作品が描かれる少し前、三岸先生はエッセイ『黄色い手帖』のなかで次のように書いています。
「私はいま燃えている焔のような絵が描きたい。どっしりと力があって、荘重で、厳格で、それでいて血汐の滾る、真紅に燃えている作品をつくりたい。沸騰する情熱、カドミュウム・オレンジ、ヴェルミリオン、プルプル、私は赤い色が大好き、私の絵はみんな赤い。赤一色である。」
三岸先生の花は自画像ともいわれています。
展示中の作品はとりわけ花の赤色の絵具が厚く、力強くて、三岸先生の魅力が良く出た作品だと思います。ぜひ画廊にて実作品をご覧になってみてくださいませ。
この三連休も展覧会は開催しています(*^^*)
柳ケ瀬画廊 市川瑛子