2024.04.06
《作品紹介》熊谷守一 墨彩画 花に蟻
今週から春の熊谷守一展がはじまりました。
油彩画・日本画・書・版画の23作品を展示しています。
今回、久しぶりに熊谷先生の蟻の作品が手に入りました。
桃色の花のまわりを蟻たちが歩いている構図で、
蟻には綺麗な青色の絵具が塗られています。
花の桃色と蟻の青色の色の対比が美しい墨彩画です。
熊谷先生の有名な言葉に「蟻は左の二番目の足から歩き出す」という言葉があります。
晩年、ほぼ自宅から出ることなく、自宅と自宅の庭で植物や動物、昆虫を観察し続けていた熊谷がいのちに向けた鋭いまなざしが感じられる言葉だと思います。
以前、当時を知る方にそのことを聞きましたら、熊谷邸の庭はところどころに盛り土がされていて、低いところにゴザを敷いて寝転がると、上の方から降りてくる蟻が良く見えるそうで、熊谷先生はその蟻の足の動きをじっと眺めていたそうです。そうしたお話を思い出しながら作品を見ていると、蟻が今にも動き出しそうな、動いているような雰囲気がしてさらに楽しく感じられる気がします。
作品は画廊に展示しております。
お気になられましたら鑑賞にお出かけくださいませ。
4月28日までの展示予定です。火曜水曜定休。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子