2022.08.21
《作品紹介》熊谷守一「南無阿弥陀仏」(書、掛軸)
熊谷守一先生の『南無阿弥陀仏』のお軸が入りました。
『ほとけさま』『かみさま』と並んで、お探しの方が多い書です。
コレクターの木村定三さんがの木村定三さんが著書のなかで、熊谷先生の書の「からす」の「か」と、「かき」の「か」は違うとおっしゃっていました。
ひとつひとつの文字に熊谷先生の考え方や意味が感じられることが、熊谷作品の書の魅力のひとつに感じます。
木村定三さんは、愛知県美術館に3000点以上の古今東西の美術品を寄贈した大コレクターで、そのなかには熊谷作品も200点以上含まれています。
また、熊谷守一著の『蒼蠅』という御本があるのですが、そのなかに『「南無阿弥陀仏」の字にしても、信心があるのとないのと、書いた人で違いますわね。』という言葉もあります。
「南無阿弥陀仏」は若くして亡くなってしまった長女の萬さんとの思い出の言葉でもあるそうです。今でもご遺族の御手元には、萬さんが書いて、熊谷先生が大事に所蔵していた「南無阿弥陀仏」の字が遺されています。
作品は柳ケ瀬画廊のショーウインドウに飾っています。
お近くにお越しの際はぜひご覧くださいませ。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子