2022.06.04
《ブログ》「篠田桃紅展」(東京オペラシティ アートギャラリー)
現在、岐阜ゆかりの篠田桃紅先生の回顧展が、東京で開催されています。
新宿にある美術館「東京オペラシティ アートギャラリー」の、
『篠田桃紅展 TOKO SHINODA a retrospective』です。
出張にあわせて展覧会を拝見してまいりました。
「東京オペラシティ」は劇場やオフィスなどの入っている大きな複合施設です。
初台駅から直結しているので、雨の日でも傘を使わずに出かけることができます。
施設内にはゴームリーやボロフスキーの彫刻もあり、モダンな雰囲気です。
施設の3階にアートギャラリーはあります。
約130点の作品・資料が鑑賞できました。
展示室では、初期から晩年までの作品が時系列順に展示されています。
お若い頃に、文字のかたちを崩して前衛の書を描いていたところから、次第に抽象的な、グラフィック的な領域に進んでいく作品変遷が、私たちも歩いて時間を経ながら、桃紅先生とともに年を重ねていくように鑑賞できます。
また、過去に制作した作品を、数年、数十年経って再び制作していることも見られました。「この作品、見覚えがある」と思って展示室を戻ると、同じような作品が展示されています。ただ、若い頃はエッジが凛としているのに対して、お年を重ねると空間全体を楽しんでいるような作風に変わっていて、同じような構成でも違った魅力がありました。
1点だけで鑑賞しても素敵ですが、こうした楽しみは大規模な回顧展ならではですね!
展覧会では、所蔵先に岐阜の企業・美術館の名前もたくさん見かけました。
生前から篠田先生を支援されていた鍋屋バイテックさんや、岐阜現代美術財団さんなど。
篠田先生は、お父様が東亜煙草株式会社の大連支店長に勤めていらっしゃった関係で満州生まれではありますが、お父様の出身地の岐阜を大切に思ってくださっていたといいます。そうした岐阜との縁が、所蔵先のプレートからも感じられて、地元の画廊としてとても嬉しかったです。
篠田桃紅作品は柳ケ瀬画廊でも展示中です。
お時間ございましたらぜひ画廊にもお出かけくださいませ。
***ご紹介した展覧会の詳細***
展覧会名:「篠田桃紅展 TOKO SHINODA a retrospective」
展覧会期:4月16日(土)から6月22日(水)まで
展覧会場:東京オペラシティ アートギャラリー(東京都新宿区)
東京オペラシティ アートギャラリー・公式ウェブサイト
https://www.operacity.jp/ag/
※尚、都内では「菊池寛実記念 智美術館」さんでも『篠田桃紅 夢の浮橋』展(6/18~8/28)が開催予定です。
柳ケ瀬画廊 市川瑛子