柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ

2021.11.13

《ブログ》浜田葆光と熊谷守一(愛知県美術館・常設展示室8)

いま、愛知県美術館さんで 熊谷守一先生の特集展示がひらかれています。
同時期に開催されている曽我蕭白展と同じ会期で、常設展示室8でひらかれている「木村定三コレクション 浜田葆光と熊谷守一」という特集です。熊谷先生の作品13点ほどが鑑賞できました。

熊谷守一先生というと、東京に豊島区立熊谷守一美術館が、岐阜に熊谷守一つけち記念館があることから、この2つの地がゆかりの場所として知られていると思います。

しかし、愛知県美術館さんも200点以上の熊谷作品をコレクションしていることをご存知でしょうか。愛知には 古今東西の美術品をコレクションしていた美術愛好家・木村定三さんという方がいて、3000点以上の美術品を(それも名品ばかり)愛知県美術館さんに寄贈されたのですが、そのなかに200点もの熊谷作品も含まれていました。
木村さんは熊谷芸術の熱心な支援者でしたので、初期から晩年にかけての重要な作品の多くが、愛知には収蔵されているのです。

そのご縁で、愛知県美術館では毎年熊谷特集が組まれています。
熊谷ファンにとっては年に一度の楽しみです。

今回は熊谷先生が画家として日本画を描きはじめるきっかけとなった「浜田葆光」という画家にスポットを当てた特集がひらかれていました。
浜田葆光先生は熊谷守一先生の描いた日本画に魅力を感じ、日本画の展覧会を開くようにすすめた人物です。彼の手配もあって熊谷守一日本画展がひらかれ、絵が売れるようになり、熊谷家の生活が安定して絵を落ち着いて描けるようになったので、熊谷芸術の恩人ともいえるかもしれませんね。

展覧会では、浜田先生と熊谷先生のご縁や、そこから広がる武者小路実篤先生や志賀直哉先生といった白樺派との交流、そして浜田先生の活躍した奈良画壇について、作品と資料で回顧されていました。
武者小路先生は、柳ケ瀬画廊の先代社長に熊谷先生をご紹介くださったご縁もございます。

アートだけでなく、文学や文化人の交流に関心のある方にとっても楽しめる展示だと思います。奇想の絵師・曽我蕭白の展示とあわせて、藝術の秋のお出かけにいかがでしょうか♬

***展覧会詳細***

展覧会名:木村定三コレクション 浜田葆光と熊谷守一
展覧会期:10月8日(金)から11月21日(日)まで
展覧会場:愛知県美術館
愛知県美術館・公式ウェブサイト
https://www-art.aac.pref.aichi.jp/

 

***柳ケ瀬画廊での関連展のお知らせ***

柳ケ瀬画廊でも現在、熊谷守一先生を中心とした常設展を開催しています。
熊谷作品からは、14点(油彩画2点、日本画5点、書2点、版画5点)を展覧中。
開廊日:常時(火曜、水曜休廊)
柳ケ瀬画廊・ウェブサイト:https://yanagase-web.com/

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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