柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

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2025.11.08

《作品紹介》熊谷守一 書 一二三

柳ケ瀬画廊では「文化の日 熊谷守一展」を開催しています。
熊谷守一展は毎年秋恒例の展覧会で、開催のタイミングで手に入った作品を展示しておりますので、毎年がらりと雰囲気が変わってまいります。今年は墨の作品(墨彩画、水墨画、書)の名品が揃った展示となりました。

書の作品では、軸装の「一二三」という作品を画廊に入ってすぐの壁に飾りました。
熊谷先生らしい飾らない筆使いで数字が三個書かれています。

熊谷先生はご友人に墨画を描く画家や、白樺派の文壇関係者が多くおりましたので、昔から良い墨が多く手元にあったと言われています。
そのため、熊谷先生の描く墨の作品の黒はそれぞれ異なっていて、今回の「一二三」は深みのある黒い墨でしっかり描き、隣に飾っている「茶三昧」という書では少しかすれた風味を出していて、「五風十雨」では雨の部分に薄い色の墨を用いています。ことばにあわせて選んで使っていらっしゃったのかなと思います。

今回の熊谷守一展では書の名品を多く飾っていますので、そうした熊谷先生の墨の用い方も見比べてお楽しみいただけます。
ぜひ実作品をご覧になってみてくださいませ。

「文化の日 熊谷守一展」は11月24日までの開催です。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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