柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

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2025.11.07

《作品紹介》熊谷守一 墨彩画 種を蒔く人

柳ケ瀬画廊では「文化の日 熊谷守一展」を開催しています。

画廊に「たねまき」という題名の墨彩画を飾りました。
赤子を背負った女性が大地に種を蒔く構図の作品です。
赤子のおくるみには赤橙が使われていて、瑞々しい生命が色彩でも表現されています。

熊谷先生は子供、なかでも赤子が好きだったそうです。
生涯の友であった音楽家・信時潔氏がエッセイのなかで、熊谷さんの好きなものとして「子供、わけて生れたての赤ン坊、極早春の山の木の芽、馬、野草野鳥、金物では鉄、銀、機械類、刀、焚火、仕事では鍛冶屋、食物では米の飯、バタ、燻製類わけて鰊のそれ。それから画といいたいが大概の画よりは素地のカンバスが好きらしい」と書いています。様々な好きなものが羅列されるなか、最初にあげられるくらいなのでよほどお好きだったのでしょうね。

熊谷作品に登場する赤子は皆、赤系統の着色がされています。
産まれたばかりの真っ赤な肌色を表したかったのでしょうか。
油彩画や墨彩画で何枚も描き、娘の榧さんがご出産されたときも母子の油彩画を描くなどしています。

作品は画廊にて展示しています。
お時間ございましたらぜひお出かけいただきご覧くださいませ。
皆様の御清鑑を心よりお待ちしております。

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

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