柳ヶ瀬画廊

柳ヶ瀬画廊

創業大正8年
熊谷守一・香月泰男・藤田嗣治など
内外洋画巨匠作品取扱の老舗画廊

ブログ「絵画のたのしみ」

2022.10.01

《ブログ》岐阜県美術館「前田青邨展」

画廊では「文化の日 名品展観《熊谷守一・前田青邨展》」開催中です。

***

さて、現在 岐阜県美術館さんでは開館40周年記念の特別展として、
「前田青邨展 究極の白、天上の碧」が開催されています。

今年の秋のとびきり楽しみな展覧会。
さっそく29日の夜に開催された開場式にて拝見してまいりました。

会場では青邨先生の10代のころの作品から、喜寿の記念の年に描いた珍しい自画像《白頭》(東京芸術大学蔵)など、初期から晩年にかけての100点以上の青邨作品が展示されていました。

第一展示室に入ると、さっそく出迎えてくれたのは重要文化財《洞窟の頼朝》です。
青邨先生がしばらく療養した後に、回復した体で全力の力を注いで描いた代表作です。
青邨先生といえば日本画の巨匠として広く知られていますが、実はもうひとつの顔として鎧や兜などの研究者の顔もお持ちの方でした。映画『七人の侍』では美術考証をされています。そうした研究の成果が存分に出た《洞窟の頼朝》は、実業家・コレクターとして知られる大倉喜八郎の心を打ち、彼はこの作品を購入して生涯大切にしました。今も作品は大倉集古館の所蔵となっています。

第二展示室には、パトロンたちの支援で渡欧をして、帰国してから4年後に描かれた《羅馬使節》(早稲田大学會津八一記念博物館蔵)がメインで飾られていました。この作品は、九州のキリシタン大名らがヨーロッパに派遣した「天正遣欧使節団」の伊東マンショを描いたもので、今回の展覧会のチラシにもなっています。
チラシからも美しさが伝わる作品ですが、実際に近くで見てみると絵具の使い方の巧みさに驚かされます。大きな作品を鑑賞するときは、絵の大きさと同じくらいの距離をおいて鑑賞すると綺麗に見えると言われますが、この作品は近くでもぜひ見てみたい作品です。日本画の絵具はこんな表現もできるのかと感じました。

このように各展示室に青邨さんの代表作品が登場するので、見ごたえがあります。
他にも、気品漂う戦後の代表作《観画》(京都市美術館蔵)や、「生きた人間に興味がある」と言って多くの人物画を描いた中での代表作《ラ・プリンセス》(岐阜県美術館蔵)なども美しかったです。

また、個人的には、青邨先生の生涯唯一の裸婦画《浴女群像》(滋賀県立美術館)が、ふくよかな女性の体や、湯気のなかのやわらかな光の表現がとても綺麗で印象に残りました。

会期中には、前期と後期で入れ替えもあるそうです。

また、柳ケ瀬画廊でも岐阜県美術館さんの青邨展に会期をあわせて「文化の日 名品展観《熊谷守一・前田青邨展》」を開催中です。青邨作品は、日本画を6点、書を1点、展示しています。

美術館と画廊とでは、光の加減や、雰囲気、作品との距離感などが違うので、同じ画家でも違った発見や魅力が感じられます。
「美術の秋」のお出かけに、ぜひ美術館とあわせて画廊にもお出かけくださいませ。

皆様のご清鑑を心よりお待ちしております。

***開催中の展覧会の詳細***
展覧会名:文化の日 名品展観《熊谷守一・前田青邨展》
展覧会期:9月30日(金)から11月13日(日)まで
展覧会場:柳ケ瀬画廊

***ご紹介した展覧会の詳細***
展覧会名:開館40周年記念 前田青邨展
展覧会期:9月30日(金)から11月13日(日)まで
展覧会場:岐阜県美術館
岐阜県美術館さん・公式ウェブサイト
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.09.30

文化の日 名品展観《熊谷守一・前田青邨展》(9/30~11/13)

本日より柳ケ瀬画廊では、
「文化の日 名品展観《熊谷守一・前田青邨展》」がはじまりました。

岐阜出身の洋画家・熊谷守一と日本画家・前田青邨の
肉筆画15点ほどを展覧する名品展です。

尚、弊社の展覧会と同じ会期にて、
岐阜県美術館さんでも前田青邨展がひらかれています。

開館40周年記念の大規模な青邨展です。
昨日の開場式で少し早く拝見させていただきましたが、
初期から晩年にかけての100点以上がずらりと展示されていて壮観でした。

弊社から岐阜県美術館さんは車で15分ほどの距離です。
よろしければ併せてぜひお出かけくださいませ。

 

皆様のご高覧を心よりお待ちしております。

 

***開催中の展覧会の詳細***
展覧会名:文化の日 名品展観《熊谷守一・前田青邨展》
展覧会期:9月30日(金)から11月13日(日)まで
展覧会場:柳ケ瀬画廊

***ご紹介した展覧会の詳細***
展覧会名:開館40周年記念 前田青邨展
展覧会期:9月30日(金)から11月13日(日)まで
展覧会場:岐阜県美術館
岐阜県美術館さん・公式ウェブサイト
https://kenbi.pref.gifu.lg.jp

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

2022.09.29

〈小特集〉田村幸帆・作品展示(~12/18)

「文化の日 熊谷守一・前田青邨展」に併設して、
「日本画家 田村幸帆 小特集」を12月18日まで開催しています。

田村幸帆「ball」日本画30×30㎝

今年の五月に岐阜市で開催された、
「岐阜アートギャザリング2022」で初めて岐阜でご紹介したところ、
ご好評をいただき、この秋冬にも小さな特集展示をおこなうこととなりました。

田村さんは、東京藝術大学大学院在学中から動物をモチーフに描いている方で、動物のなかでも犬と猫を取り上げて、模様や柄と組み合わせて描いています。
作品のベースに銀箔を敷いてから描いているため、不思議な明るさが魅力です。

柳ケ瀬画廊では、犬と猫を描いた作品5点を展示中いたしています。
ぜひご高覧くださいませ。

《田村幸帆氏・略歴》
1992年 神奈川生まれ

2018年
東京藝術大学 卒業
「日本画第一研究室発表展」(東京芸術大学陳列館・正木記念館/東京)
「第27回臥龍桜日本画大賞展」(高山市民文化会館/岐阜)入選
「第45回京都春季創画展」(京都文化博物館)初入選
「第13回藝大アートプラザ大賞展」(藝大アートプラザ/東京)入選

2019年
一般財団法人守谷育英会 奨学生
「藝大の猫展」(藝大アートプラザ/東京)
「小さな『絵画』展」(藝大アートプラザ/東京)
「第45回東京春季創画展」(西武池袋本店/東京)入選

2020年
東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画研究分野 修了
「第2回GEIDAI  ART  展」(京王ホテルプラザホテル/東京)
「第14回藝大アートプラザ大賞展」(藝大アートプラザ/東京)入選
「第46回東京春季創画展2020」(東京都美術館、愛知県美術館ギャラリー、京都市美術館別館)入選
「第43回三菱商事アート・ゲート・プログラム」(オンライン開催)入選
「掌絵」(藝大アートプラザ/東京)
「藝大の猫展2020」(藝大アートプラザ/東京)
「池袋アートギャザリング公募展  IAG  AWARDS  2020」入選
「第47回東京春季創画展」(西武池袋本展/東京)入選

2022年
「IAG  Artists’  Small  Works」(自由学園明日館講堂/東京)
「岐阜アートギャザリング2022」(十六銀行会場、柳ケ瀬画廊会場) 参加
「第49回創画展」(東京都美術館)入選
「Met“y”averse ~メチャバース、それはあなたの世界~(前期)」展(藝大アートプラザ/東京)

現在  神奈川県にて制作

 

《展示のお知らせ》
この秋開催される「創画展」(東京都美術館)(10/24~10/30)、「Met“y”averse ~メチャバース、それはあなたの世界~(前期)」(藝大アートプラザ)(11/5~11/27)にも田村さんの作品が展示されます。

 

 

柳ケ瀬画廊 市川瑛子

カテゴリー

アーカイブ